高額マルチで頑張りたい、こんなお花畑な人も居るんだ、が読みたい人は是非。

サラリーマン時代に任せられる責任範疇が狭かったのだろう。仕事で意気投合した戦友が居なかったのだろう。
自力で困難を解決打破し、仕事のグレードを上げ貢献度を評価された経験が無かったのだろう。
極力努力を排除していかにネットの世界で評価され自尊心を保つのか。これを常に追い求めてきたと思う。
ハイコスト生活アピールで羨ましがられ力を演出。マルチ自己啓発特有の香ばしさが匂い立つ。
親の弟子と有名なコリアンスイーツタウンで優雅に暮らしているが端的に言えばヒモである。

「劇的に人生が変わる」「最高すぎる」「凄すぎる」「美味すぎる」「大熱気」「大興奮」「大盛況」
毎度毎度こんな調子なので冷静に読もうと試みたが疲れてしまう。「最高です」のあの人を思い出す。
新興宗教のような過激な煽りと自己暗示から垣間見える承認欲求が凝縮されている。

これだけ自己啓発本の売れる日本において彼はアイコンなのかもしれない。
この生活を許してくれるゆとりのあるパートナーを探せ、とは教えてくれていないが…。
内容はベスト・オブ・自己啓発本となんちゃってグルメ評論。
良くある流れで、マルチ・なんちゃってスピリチュアル界隈に手を広げたようであるが、いわゆる
「マルチ仲間で抱えているたやすい顧客の回し合いをして楽に何度でもしゃぶろう」ということと思う。
稼いでもらい、カッコよく減量しながらブログをひねり、方方で生き方を説法し、美食をむさぼる。
うらやましい生活に見えてればマルチの思うつぼです。

書の内容は読みやすい、薄いとも言うが。表現がオーバーな割に語彙が少ないのである。いっちょかみ、すぐ飽きる。モレスキンとか本当にオススメですか?ブランド顕示志向。
セルフブランディングなどと謳うが、そうでも言わないと心の安定を保てないのかもしれない。
断定調で言い切る内容。著者と同じく不安定で迷える人には断定調は福音に映ってしまう。
自己啓発の顧客獲得の技法です。見出し、ポジ言葉選びによるアイキャッチと「幸福感全開」のギミック。

感銘は受けないけど、高額マルチで頑張りたい、こんなお花畑な人も居るんだ、が読みたい人は是非。