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新潮文庫版(星5つ中の3.7)レビュー

5つ星のうち5.0「2009年に読むと味わい深いです」
2009年4月24日に日本でレビュー済み

物語の舞台は1980年前後の東京です。2009年になって改めて読み返すと、当時東京を覆っていた、バブルへと向かう、何かふわふわとした空気感が良く伝わっていて、なんだか懐かしい気持ちになりました。
当時の若者が持っていた、根拠のない自信みたいなものは、今の若者の姿からはなかなか見ることができないのは、時代が変わり、日本が国力を大きく損なってしまったからでしょう。
あの時代を懐かしむとともに、なんだかひどく羨ましく思っている自分に気づいてしまいました。
とても良くあの時代を表現している名著です。むしろ今になって読む方が味わい深いかも。膨大な註も、30年近く経つと、消滅したブランドや消えたミュージシャン名なども多くなってきて、注釈として現実的に役に立ちますね。