もともとのお話では、安寿は厨子王を庇って大夫どもに責め殺されたり、
言うことをきかず(わかりますね?)虐め殺されたり、自殺したりして、
脱走時には既にあの世の人になっており、厨子王に恋慕した女が彼を逃がす
手引きをします。この女を登場させず安寿が途中まで脱走の計画を手伝い、
最後に大夫の足止めをはかる事にしたのは、作者の独創かもしれませんし
あるいはバリエーションの一つとしてあったものかも。わたくしは詳しくありません。

ただ、わたくし最初に読んだ時はさほど疑問には思いませんでしたね。
安寿が命に代えて逃がしたのだな、時間を稼ぎ、拷問や辱めを受けるのを怖れて
死を択んだのだなとなんとなく補って読んでおりました。
言われるまで考えもしなかったですw。