鴎外の世渡りの上手さや慎重さを花田清輝が再三に渡ってからかってるね。
エリスの件には触れずに。
それは花田が「小説平家」で繰り返し説明する「やまとだましい」の類い
なんだろうが。それは後の本居宣長から小林秀雄にまで繋がってる訳で。
それが和魂漢才の和魂として日本で価値を認められてるのも鴎外に対する
高評価の基底になってる。一方で花田がそういうのをあまり評価しないのも
良く分かるが。
エリスの件で鴎外は自分が平凡な官僚の一人に過ぎないことを深く
思い知ったのではないかな?彼が天皇か公家大名の血統ならば、即エリスと
結婚して日本に連れ帰って子供をばしばし生ませてるはずw
それが出来なかったから、世渡りというか姑息さというか、そういうのが
鴎外の内面に染み付いてしまったんだな。