ほんたうに けふ おまへは わかれてしまふ
ああ あの とざされた 病室の
くらい びゃうぶや かやの なかに
やさしく あをじろく 燃えてゐる
わたくしの けなげな いもうとよ
この雪は どこを えらばうにも
あんまり どこも まっしろなのだ
あんな おそろしい みだれた そらから
この うつくしい 雪が きたのだ
(うまれで くるたて
こんどは こたに わりやの ごとばかりで
くるしまなあよに うまれてくる)
おまへが たべる この ふたわんの ゆきに
わたくしは いま こころから いのる
どうか これが兜率の 天の食に 変わって
やがては おまへとみんなとに 聖い資糧を もたらすことを
わたくしの すべての さいはひを かけて ねがふ

ここで不思議なのは、霙であったはずの雪が「どこも まっしろな」雪に変わってしまっていることだ。
「びちょびちょ沈んで」きたはずの霙が「うつくしい 雪」に変わっている。
霙ではアイスクリームにするのは無理があるが、雪ならアイスクリームでもいいだろうが、それを気にしてなのか「兜率の 天の食」と変えている。

「ふたわん」については、もめるといけないので省略。