ナデリは子役の映画を高く評価する傾向があるのだ。
たとえばトリュフォーなら『野性の少年』だし、ヘクトール・バベンコの『ピショット』などというタイトルも挙がっている。
ケン・ローチの『ケス』が入っていたことには驚かされた。この手のリストにはあまり入らないタイトルだからだ
(ちなみにイギリスでは国民的映画作家と言ってもいいくらいのケン・ローチだが、シネフィルから好かれるタイプの監督ではない)。
ナデリは『ケス』からは多くを学んだという。キアロスタミとともに児童映画を作ろうとしているときに『ケス』に出会い、
子役の演技の素晴らしさに深く影響を受けたのだ。
だからナデリは『駆ける少年』を作り、キアロスタミは『友だちのうちはどこ?』を作ることになったのだ。
その二本の映画は『ケス』を父親とする異母兄弟なのだ。
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