伝統や社会的制約からの逃走によって内面を発見したヨーロッパ文学のように自己分裂に陥らず
倫理以前の行為のみを描いた本作は奇跡的に神話的構成を獲得した傑作である。

まあ、福田はこんな事を言っているわけですね。
要するにヘミングウェイや米国文学は本作によって初めてヨーロッパの鬼子としてではなく
独自の地位を獲得するに至った、と。
であるがゆえに“神話的”としているのでしょう。
けなしているというよりはベタ誉めだと思いますが。