短編集で一番好きなのは、「神の子どもたちはみな踊る」だな。
最後に収録されてる「蜂蜜パイ」は、初期三部作やノルウェイ等で繰り返し書いてきた
「親しかった友人の裏切り・喪失」を希望のあるポジティブなかたちに昇華できていて、
ほっとした、と言うか救われた気分になった。

むしろ、近作「多崎つくる」や「女のいない男たち」で「親しかった友人の裏切り・喪失」テーマを
またぐじぐじとネガティブにこね回し始めて、後退してしまってないか、とも思った。