あのさ、古文で最初の頃習った例を出せばさ。
枕草子に「をかし」とあったら、「趣がある」の意味で、滑稽って意味ではないだろ。
この例で解る通り、言葉は歴史的に変化するんだ。
「大衆文学」なんてのは一九二〇年代に造られた新語なんだから、
まだそんな言葉が無かった昔の時代の文学に当て嵌めるのは、不正確な比喩になる。
時代劇の主人公にカタカナ外来語で一杯の若者言葉を喋らせるみたいなもんだな。
歴史研究では、その当時の人たちがどう認識してたかを知るのが第一で、現代の先入見を持ち込んではいけない。
これは歴史的過去についての問題なんだ。現代人や現代の文学観はまた別の話だろ。