『ドグラ・マグラ』夢野久作
「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1月、一五〇〇枚の書き下ろし作品として松柏館書店から自費出版された。
〈日本一幻魔怪奇の本格探偵小説〉〈日本探偵小説界の最高峰〉〈幻怪、妖麗、グロテスク、エロテイシズムの極〉と歌った宣伝文句は、読書界の大きな話題を読んだが、常人の頭では考えられぬ、余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばし、今日にいたるも変わらない
〈これを書くために生きてきた〉と著者みずから語り、十余年の歳月をかけた推敲によって完成された内容は、狂人の書いた推理小説という、異常な状況設定の中に、著者の思想、知識を集大成する。
これを読む者は、一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書。(角川文庫版背表紙紹介文) 「胎児の夢」とは所謂「記憶の保存」、ひいては「記憶の中継」という要素を含むキーワードとして作中では用いられている。
この記録媒体は個々の細胞で、そこに触媒を投じる事で同期を図ることが可能という論を正木博士は展開しているが、
これは一つのタイム・リープとして捉えて差し支えなかろう。
無論、呉一族にとっての触媒は、男性には六様の屍体が描かれた絵巻が、
女性には触媒に当てられた呉の男性が其々該当する。
この物語の最大の悲劇は、「この記憶が正木博士と若林博士によって上書きがなされてしまった」ということである。
上書きされる前の記憶は、「最愛の者を殺し写生し後世に遺すことへのエクスタシィに取り憑かれた呉青秀」であり、
この時点で充分に悲劇的ではある。
しかし、上書きされてしまった記憶が本小説「ドグラ・マグラ」である。
つまりこのドグラ・マグラという小説は、この「ドグラ・マグラ」を永遠にループする呉一郎の記憶を記録した細胞である、ということである。
ここで当小説のキャッチコピーである、読んだら精神に異常をきたす、の意味についてであるが、
この小説を真に読む、つまり「見る」ことが出来る呉一族の男性にとっては、一度触媒に当てられればもうそこで呉一郎になり、
この小説を延々と追体験する狂人になってしまうということになる。
言い換えれば、過去から未来へのタイム・リープが、未来から過去へを繰り返すタイム・リープとなってしまった、ということである。
つまり、この小説における私とは、呉一郎であり、呉一郎の記憶を同期したN番目の読者である、ということになる。
この本を繰り返し読めば読むほど狂人の精神に触れられるという意味で言えば、あながち大袈裟とも言い切れないだろう。 続き
そしてこの論を展開するには、作中における少なくとも次の点を偽りであるとして捉えねばならない。
呉一郎が童貞であることである。
若林博士の冷徹なまでの学術精神に則って考えれば、呉の血を絶やすことはしないだろう。
呉一郎には少なくとも子を遺させているはずである。恐らく精神病棟はそのための施設、種付け小屋である。
呉一郎は浅田シノ(仮名)と精神病棟にて逢瀬を重ねたと推察する。浅田シノ(仮名)は子供を産んだ。
そして呉青秀の記憶に従い殺害された。
その子は恐らく何処かにおり、若林博士の精神を継ぐ者が保護しているのではないか。
そして、その子がまた子供を産めば、その子供を保護し、その子供の親に触媒を触れさせる。
そしてその経過を観察する研究が今も行われているのではないか。
シュタゲゼロを視聴する身でこの本を読んだため、些か穿った感想を抱いたような気になり此処に考察を残させて頂く。
一気に読んで大して読み返さず書いているため大小の箇所に思い違いをしていたら適当に読み流して無かったことにしてほしい。 10代で読んで、最近40代でまたよんだけど、あらすじを言えと言われると困る…
だれかあらすじを教えてくれ… ドグラ・マグラは近代日本文学における突然変異みたいなものだ
同時代の我が国のいかなる小説とも違い過ぎている >>548
思い違いばかりありすぎて昔のレスであるにもかかわらず無かったことにはできなかった
このレスを見てくれたら是非とももう一度読み返すことをおすすめする 少女達と無敵の人による或る秘めやかな「性的儀式」
無敵の人3.0 POST HUMAN SEXと
量子的シンギュラリティに関する最終報告
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n3344fs/ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be20a4887bc3d3353f527d3636c44e3) 最後の新聞記事読んでからワイドショーの解説的に初めから読み直すと面白い
下手人は主人公なんだろうけど、中身が呉一郎だったり呉青秀だったりアンポンタン・ポカン君だったりするんだよね?
最後も頭打って脳髄が機能を停止した瞬間に呉青秀の人格が出てくるのもそういうことだと理解してる
心理遺伝は肝だけど、胎児の夢かどうかはもっともらしい理屈を付けて難解なループものに見せてるだけのような気もする 一度、読了してやるという根性で読んでから二度と読んでない
復刻版を購入したりしてるけど、興味はあるけど、なかなか手が出ないw ↑途中で一度読むのやめたんだかど
新聞のコラムで一度読むのやめたけど意地で読了したみたいなの見て自分もチャレンジしたんだよね
今読むとまた違うんだろうなと思ってるけど、なかなか手が出ないんだよね〜 >>562
下巻の最後の方に、「正木博士自殺す!!」みたいな記事を主人公が見つけるシーンがあるんだけど、そこから読んだら事件のあらましがわかるよ
呉一郎が言い放った「お父さん、この間〜(ry」の台詞を読んだ瞬間鳥肌が立ったよ
頑張って読んでみてね なるほど これメモしとくよ!
半年後から暇になるから、そのくらいから読めるかな 漫画で読破シリーズは良く出来てるな
若林博士視点の解釈で面白い
原作読んでると所々おかしいところあるけどね
ハタから見たら「私」は完全に精神異常者だな あー、それ読んだ
漫画は書いた人の解釈になるなろうけど
こんな感でこんな話なんだって一応分かるもんね 「レプリカたちの夜」っていうのが現代のドグマグかと思ったぞ 繰り返し出てくるんだけど一郎だけじゃないみたいよ
呉一郎(くれいちろう)→クレイジー
正木敬之(まさきけいし)→正気軽視(しょうきけいし)
若林鏡太郎(わかばやしきょうたろう)→馬鹿話狂だろう(はかばなしきょうだろう)
映画のラスト、ポケットの櫛を返して走り抜けていくシーンは、呪縛を逃れて卵管から子宮、そして産道を走り抜けて生まれ出ることのメタファーに思えた。
だが… ご自分ではお分かりにならないかも知れませんが
あなた、気が狂っていますよ 後半の小間使の人が、いつもの人が怪我して、とかセリフに点が打たれたりして
なんかあるに違いないと思ってたらなにもなく終わったのはなんか見落としてるのか 胎児の夢でおかしいと思う点は
受胎した時点までの記憶の遺伝は、細胞を通して行われるけれど
受胎してから生まれた後の記憶は、遺伝されない。
先祖の全ての記憶は遺伝されない。
この胎児の夢という正木敬之の卒業論文も、主人公が妄想で作ったものであるのだろう
作品中に貫かれていることは、禅の思想であって、唯識論を語っている
唯物論の成果である現代文明の暗部を、唯識論で照らして改善したいとする作者の思想は
禅僧らしい発想だね 正木敬之の子供が呉一郎だと思ったのだけど
父親の記憶も遺伝されているから、
夢中で架空の脳髄を床にぶちまけて持論を語ることは正木敬之が語ることと同じで
呉一郎の語ることを正木敬之が聞くことは、自分自身の考えを自分で聞くということになってる
いかにも禅的だ >>574
>唯物論の成果である現代文明の暗部を、
>唯識論で照らして改善したいとする作者の思想
改善・改良という発想はどうかね
仏教思想的には進歩という発想や
その前提となっている直線的な時間も退けられる
個物(アルケーと言い換えても良い)を基礎単位とする
世界観も退けられる
でもまあ、禅だとそこまで観念論を徹底できない
これがいわゆる「現実」との接点になる
そこが「悪」の原因でもなる
中途半端な学識を身に着けた挫折者を叩き殺す理由のひとつだね >>569
> 若林鏡太郎
ミラーマンみたいでかっこいい名前だ 学生時代完読したけどイマイチ内容がよくわからなかった。
かと言って再読したいとは思えない。 『黒死館殺人事件』 『ドグラ・マグラ』 『虚無への供物』
に匹敵する奇書があるとの説があるが。それはなんだろ? >>581
たまたまブックオフで買った自費出版の本が凄かった
マジで頭が狂ってる人の本は格が違う ただ狂ってるだけじゃなくて文学的に価値がないと希書の仲間入りにはならんだろ
ただ狂ってるだけでいいならこのご時世SNSや個人ブログにいくらでも溢れてるよ 青空文庫のをPCで音読させて読んでいる。
時々誤読するのはご愛敬。
チャカポコ あーアのとこはテンポがいいね。
大笑い >>580
マッド・サイエンティストが自らの仮説を検証するために
殺人鬼の魂を持つ人間を作り出してホントに人を殺すかどうか実験するって内容だよ >>581
別のところでも書いたが俺はリチャードソンの『クラリッサ』だと思う
3大奇書全部の3倍ぐらいの量をかけて鼻持ちならない説教垂れ流すだけの小説
作者の尺感覚がぶっこわれていてキチガイ地獄ほどの長さのなーんの意味もない挨拶みたいなものが平気でボコボコ入る
読んでてあまりの辛さに3大奇書読み始めたが非常に面白く読みやすかった
変化球とか絡め手とかを狙って奇書はこれからも沢山出てくるだろうけど
文学史でこれほど評価され、これほど中身が糞で頭狂ってる小説は今度も出てこないと思われ どんな話?とググってみたらサドの美徳の不幸に似てるのね
クラリッサの方が半世紀ほど先
美徳を持つヒロインの悲劇という普遍的な物語の代表格か >>561
私もずっと昔に一通り読んだけど、非常に長編なので、再び読み直すかと言うと、
その気にならない。 「ドグラ・マグラ」は35年ほど前に読んだけど、現在は殆ど内容を覚えてい
ない。小説のストーリーと学術論文が入り混じったような作品だったことは
覚えている。
この作品は1935年に発表。
当時、精神病患者が殺人狂集団みたいに考えられていた時代に、作品中の
「キ○ガイ地獄外道祭文」にて精神医療のあり方を問い質し患者たちに人権
擁護を訴える。
1950年代にJ.WatsonとF.CrickがDNAの構造を解析して、一つの細胞の中にその
生物個体の全ての遺伝子情報が収納されている仕組みを解明した。
作品中の学術論文「脳髄は物を考える処に非ず」では、その前の時代に空想
とは言え一つ一つの細胞がその生物に関する記憶と感覚を持つ、つまり現在
の遺伝学につながる発想を提唱した。
その意味において、非常に先進性がある。 >>599 続き
これを映画化した作品がある。1999年公開、桂枝雀主演。
ずっと昔に観たので、どんな内容だったが覚えていないが、そんなに悪い
映画でなかったことは覚えている。 >>600
誤 1999年公開
正 1988年公開 夢野久作が乱歩横溝ぐらいネームヴァリューがあれば
「ドグラ・マグラの呪いか?」とか都市伝説化したかもね >>603
夢野久作は生年1889〜1936年の大昔の作家。
横溝正史などに比べて、映画・TVドラマ・漫画など他の媒体で発表された
作品が少ない。
知名度がないのは、どうしようもない。 >>604
オレ自身は乱歩横溝より久作を愛読してるしディスるつもりはないので悪しからず
『新青年』の編集長をしていた横溝が乱歩と親しかったのは有名だが
横溝と久作の関係はどうなんだろうとググってみた
ちょっと長いがコピペさせてもらう
横溝正史と夢野久作が出会ったことはないと断言してよいと考える。
それを証明する確定的な史料はないが、久作が東京の探偵文壇に姿を現したのは昭和十年一月の「ドグラ・マグラ」出版記念パーティが最初で最後であったし、
そのとき横溝正史は諏訪に転地療養中であったから、この二人が対面する場面があったとは考えられない。
両者の接触の記録は久作の日記の昭和二年十二月一日の項に残されている。
曰く「新青年の横溝氏より、原稿送れと云い来る。『人の顔』と『白菊』の二篇を候補作にきめる」。
このとき久作が横溝の依頼によって送ったのは「人の顔」、翌年三月の「新青年」に掲載されている。
「人の顔」は、江戸川乱歩をして久作の評価を転換させる契機となった作品である。
久作の文壇デビュー作「あやかしの鼓」を乱歩が酷評したことは夙に知られているが、乱歩は本作に対し好意的な評価をし、
「それを見ると、私の最初の考は甚く違って居たのではないか、と云ふ事を感じました」と述べている。 ドグラ・マグラは学生時代に読破したが今はもう歳を取ったので再読する
元気はないな。難解だったけど読んでいて非常に面白かった記憶はある。 夢野久作氏についての概略を見ると、この人が日本人作家では
欧州のゴシック・ロマンに一番近い作品を書いてた気がするが。
余りにも、文章のテンポがゆったりしてて、現代人には付いて
行けんのではという気がする。 ゴシック小説ならそれこそ黒死館殺人事件でしょ
ドグラマグラは文章が非常に読みやすいので感心した
作者が何度も推敲したのがよく分かる アニメでドクラをSF解釈したのがあるよな
あれもいい 暗黒公使は1920年の東京が舞台なんだな。ちょうど100年前か。 410 名前:吾輩は名無しである [sage] :2020/12/03(木) 08:11:09.01 ID:H9pLCPCe
かなり個性的な風貌だな
作品にあっててとても良い
しかしこのサイン入り写真
いまならいくらで売れるのだろうか
夢野久作
https://i.imgur.com/pYtYdUw.jpg >>613
同名のCGアニメってやつ?Netflix検索したけど出なかった
アマプラではあるみたいだけど >>611
アマプラでもう三回観たい
味わい深いね
評価はあまり良くないけど
ドグラマグラを読んでて興味がある人には面白いアプローチだと思う 三回観たい→三回観た
ドグラマグラを始めて観る人には不可解かも いままた観てるけど
ドグラマグラを知らない人が普通のSFだと思って
これを観ると意味が分からないだろうな 逆にドグラマグラを知ってる人には楽しめるはず
連投すまん ドグラ・マグラ (まんがで読破)って読んだ人いる? どんな感じなんだろうと思って
原作は昔読んだけどね いま伝説の映画を観てる
いいね
あの人がのちに首を吊ったのは残念だ 単なる推理小説というよりは怪奇探偵譚
アホダラ経パートは大声でデタラメでいいから節をつけて歌うべし 宣言なんて朝鮮人にはなんの意味も持たないだろ、守らないんだからw この作品は、正木、若林、呉千代子の三角関係に端を発する呉一郎事件に
呉家に伝わる因縁話を絡めた、怪奇仕立ての探偵小説です。
さらに、「脳髄論」だの「胎児の夢」だの「チャカポコ」だの読者の目を眩ます装置が
これでもかというくらいてんこ盛りにしてあります。個人的意見としては本筋だけでも
十分面白いんですからこれは必要なかったと思います、余計です。
「ドクラ・マグラ」理解したいのなら、まず呉一郎事件を解明することが何より重要
です、それが一番の近道でもあります。
皆さんは「私」が誰であるか興味があると思いますが、「私」は呉一郎でしょうか、
それとも「夢見る胎児」でしょうか、どちらも間違いではありません、しかし夢野久作
のいう「私」にはもっと別の意味がこめられております、事件を解明された方には
きっとそれが分かるはずです。御健闘をお祈りします >>633
貴方の読みが絶対的正解だという貴方の確信自体がドグラ・マグラなのでは? ドグラ・マグラにチャレンジしたいんだけど、角川版の表紙が恥ずかしくて家族に隠さないといけなくなりそうで買いづらい
人に見られても誤解されないような無難な装丁の本を、どこかから出してほしいw >>635
日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (創元推理文庫)
にしたら? この事件の黒幕(主犯格)は、おそらく意外な人物でしょうね
読者の完全な盲点になっている人物、そんな人物が居やしませんか >>635
ブックカバー(別売あり)をかければOK >>633
>>637
そもそも犯人がどうとか真相がどうとかそんなもんを考えるような小説じゃないと思ます
『タール博士とフェザー教授の療法』を読んで「これいけるやん」と思い
読者が飽きさせないためと混乱させるために、できだけ別々の語りをぶち込んだ小説って感じだと僕は思いますです そう「思いたい」気持ちは分かります。しかしこれは純然たる探偵小説なのです。
したがって「答え」というものが存在します。
長年に渡って、本作品が正当な評価を受けて来なかった事は、まことに残念であります。
その謎解きの面白さ複雑さ、真相の意外性どれをとっても超一級の作品であることは間違いありません。
日本の探偵小説の最高傑作、最高峰と言っても過言ではないでしょう。
これだけの物を構想し書き上げた夢野久作って人はすごい人だぞ思います。着想もまた素晴らしい。
これほどの作品は二度と現れないでしょう。
とは言っても、読者の皆さんはどこからどう手を付けたらいいのか、皆目見当も付かない状態なのは分かります。
そこで、本日は夢野久作入門書として格好の作品が有りますでの紹介します。
タイトル「斬られたさに」という作品です。時代劇の短編ですが「謎解き物」です。
この作品はドグラ・マグラと全く同じ手法で書かれていますので「参考書」「手引書」
としても活用できるんじゃないでしょうか。
青空文庫で読めますので、是非挑戦してください。
読み終わって、1時間以内で解明できた方はかなり優秀。 ドグラ・マグラの謎解きをするに当たって、大きく3つのパートに切り分けて考察する事をお勧めします。
その方が頭の中も整理しやすいと思います。
第一のパート;呉一郎事件(本筋)
ここで本筋と言っているのは、正木、若林の学生時代に始まって、第二の事件の夜の
死体すり替えまで。この部分は純粋に探偵小説として書かれておりますので、「答え」が
存在します。驚愕の「真相」を自分でつきとめて頂きたい。
第二のパート;病院内の事象、出来事
この部分は作者が最も苦心した部分で有ろうことは容易に推察できます。
ここには夢野久作の工夫やアイデアが沢山盛り込まれており、最早探偵小説の枠を
越えております。何と言えばいいのかSF的でもあり、表現するのが難しい所。
昭和の初期に、良くこれを思い付いたものだと感心させられます、時代を先取りしています。
第三のパート;付属書(脳髄論、胎児の夢、等々)
ここは読者を混乱させる為の装置でありますが、作者の主義主張、持論の様な物も
盛り込まれています。また謎解きの「ヒント」も散りばめられていますが、読まなくても
謎解きは可能です。 呉家の人々を酷い目に遭わしておいて、学術のためだと言い張る正木博士が気に食わない 正木は突飛な言動をする人ですが、それほど悪い人では無いと思いますよ。
むしろ呉家の人を「保護」しようとしていたと考えられるふしがある。
思い出してください「卒業式すっぽかし事件」を。あれは何だったのでしょうか。
明治四十年十二月、正木は卒業式を目前にして突如姿をくらまします。
この前の月、十一月に一郎が誕生しています。
正木、千世子、一郎の親子三人は東京に向け、慌ただしく福岡を旅立ったのです。
今と違って飛行機も新幹線も無い時代ですから乳飲み子を抱えての長旅は大変だった
ろうと想像できるのですが、なぜそうまでしなければならなかったのか。
これは逃避行と考えていいと思います、何から逃れようとしていたのでしょうか。
誰の目から親子を隠そうとしていたのでありましょうか。 >>644
こちらの思い違いなら申し訳ないのですが
正木博士と千世子、一郎の親子とは別々に東京へ行っているはずです
東京へ行くと言って行方不明になった正木博士を追って千世子が東京を探し回っている内に一郎が生まれたのではありませんでしたか
また博士が呉家を保護しようとしていたとしても呉家に対する残虐な所業を断行したという事実から目を背けることはできません マッドサイエンティストによる自らの遺伝子を実験材料にしたSFミステリーってことか