>>332
注や解説も読まないのに二万円出す必要があるかね
正直まずは子供向けでもかまわないから通読するのが最初じゃないの
読了できないなら読まなきゃいいのに
本文は400年間変わっていないのだから、言い回しくらいしか大きく変わってはいないと思うけれど
問題は、深読みしようとするといろんなことが書かれている小説で、しかもいろんな時代背景があるから注はすごく面白い
本田誠二の「セルバンテスの芸術」(416ページ)を買ったのが11年前、これも水声社から出ている
ミゲル・デ・ウムナーノの「スペインの本質」やマリア・ロサ・メノカルの「寛容の文化」やファン・ゴイティソーロの「スペインとスペイン人」(これも水声社!)なんかはドンキホーテ読むのに非常に助けになる
夏目漱石の「吾輩は猫である」にそっくりといわれる「牡猫ムル」を書いたE.T.A.ホフマンはセルバンテスを愛読していて、「犬の対話」は英語で読んでいたのが読めるのはうれしい
複数の翻訳を並べて読むだけより、きちんと注を読んで時代背景やどのような需要をされてきたかとか読むほうが楽しいと思うけどなぁ
ドンキホーテは世界的ベストセラーにはあっという間になったけれど、セルバンテスの懐にはほとんどお金が入らず、娯楽でなく文学としてはじめて受容されたのはイギリス
「スペイン語の豪華本」が女王の命令でスペインより先にイギリスで作られた
その理由はドンキホーテがスペインの政策を批判しており、イギリスを賞賛しているから、という建前で、女王様が騎士物語に夢中になっていたから
岩波文庫に最近入ったティラン・ロ・ブランも最初のうちはイギリスばっかりで、スペイン騎士物語にはイギリスへの妙な憧れがあった様子