ちなみに文学板の人にとって、文学理論ってどういうもの?

内容の解釈にまで踏み込んだ「精神分析的批評」や「マルクス主義的批評」なんかは、
俺にはコジツケっぽく感じられて、どうにもついていけなかったけど、

ジュネットの『物語のディスクール』はよかったよ。
「語り手」や「焦点人物」や「物語の時間」なんかが詳しく論じられていて、
形式主義的な分析に徹した本だから、小説の仕組みに対する理解がずいぶん深まったと思う。

ジュネットは文学研究をする人には定番中の定番みたいだけど、
普通に小説に親しむだけの人も読んで損は無いと思う。

こういう「その後の読書生活」の質を高めてくれるような本も、
必読書と言っていいんじゃないかな。