復讐相手だけを抹殺して相手の家族には迷惑をかけない。
そんなことが簡単にできるほどモンテクリストを強くしたのは
ある意味、「失敗」だ。復讐するためには周囲を犠牲にするしかない
という程度に止めておけばよかった。

舞台でヴァランティーヌ役をした岡寛恵が、子役時代に出た「目には目を」
というドラマに出てくる少女がヴァランティーヌ+アルベールみたいな感じ。
殺人犯の娘の役で、被害者の父親が復讐のために拉致監禁するけど、自分の子供の
面影を見てしまう。親の罪で怖い思いをするのは共通している。

でも、ヴァランティーヌは、ある意味「悲劇のヒロイン」だと思う。
自分の家庭を破壊した犯人に助けられて、あの後で真実を知っても恨むに恨めない。
犯人の崇拝者ばかりの家に嫁ぐ。それなりに衝突して和解したアルベールと違って
恩人の息子の恋人だから特別に助けてもらった。
貞淑な設定だから、フェミニストからも無視されがち。