0127吾輩は名無しである
2012/05/10(木) 21:57:45.05自分にもいっぱしの夢があると
川の流れのような人波に出ていって
あたりかまわず、河豚のように泳ぎまわった
だが、しょせん河豚は河豚にしかならなかった
だからサテンに入って、コーヒーを飲んだ
ウエイトレスが置いていった、三百五十円と書いてある伝票を見つめた
僕に残されたのは、そのまんまるい数字だけだった
何となくさみしかった
家路について、長い坂をのぼった
さみしい気持ちで坂をのぼった
玄関のドアを開け、何か食べようと台所にいった
すると、台所の床に転がっているものがあった
僕はひろって、手にとってみた
じっと見ているうちに
それが僕の夢だったような
僕の希望だったような気がした
(続く)