十代の若者にとって、受験による選別って苛烈で残酷でしょう?

とくにアジア的遺制の残る社会では、受験に失敗したというケガレは、生涯付きまとう印に
なってしまう。

こうした抑圧の凄まじさを吉本は敏感に察知してたと思うし配慮していた。けれども、どうすることも
出来なかったと思うのね。
尾崎豊やエンドウミチローとかを評価したところで、社会全体の仕組みには爪を立てることも出来なかった
と思う。

そうだからこそ吉本の人々に対する態度って全的なのね。自分の目の前に現れた人間には全力で対応しようと
する。目の前の人間は全て自分と同等以上の能力があり、例え意味不明なことを口走ったとしても、自分の理解力
が足りない所為だと考える。ハタから見てて滑稽だと思える、あの説明魔の仕草って、人間に対する理解力は限度
が無いし設けるべきじゃない、自分はそうはしないんだという決意のようなものを感じたよ。