>>910
真剣さ、などというものは、どんな人間でも常時備えていることなどない。
真剣に寝てる、とか、真剣に排泄してるとか、言葉の遊びだ。
意識が常になにものかに対する意識であるように、人は好むと好まざるとにかかわらず、状況には真剣に対峙せざるを得ないんだ。

ダメ人間とかマジメ人間とかいう括り方があるとは思わないが、あれだけの作品を書くことが、普通の人間にはできないことだけは確かだ。
東大に入り、非合法の共産党に入り、親の金で遊女を身請けし、その遊女が客を取っていたことに悩んでその遊女と心中未遂を起こし、結婚をして、複数の愛人と交際をし、最後に愛人の一人と心中した。
その間に、文学史に残る傑作をいくつも書き残した。

太宰ほど真剣に生きて、密度の濃い人生を送った人間は稀だろうね。