映像メディアではどうしても表現し切れない部分に数多くの鮮烈なアイデアや小気味の良いフックとなる書きぶりが投入されて、読みを牽引する。
──小池啓介(書評ライター)「ミステリマガジン」

『インディヴィジュアル・プロジェクション』×『ゴールデンスランバー』?時代の波頭に乗って世界を眺めるような疾走感とアッパー感。
──鴻巣友季子(翻訳家)「毎日新聞」

この「新人」は、「文学」と呼ばれている世界と、「エンタメ」と呼ばれている世界、
すなわち「芥川賞」と「直木賞」に象徴される2つの世界の両方に、大きく振りかぶって、白球を投げつけてみせた。変化球にして豪速球である。
──佐々木敦(評論家)「群像」

最初の数十ページを読んだだけで判るのは、この小説に半端ではない前への推進力があるということだ。(中略) 
稲妻の如き勢いで物語は結末へと向けて飛んでいくことになる。エンターテインメントの読み味に「速度」を求める人は、文句なしに「買い」である。
──杉江松恋(書評家)「エキサイトレビュー」

小さな人間の喜怒哀楽と、ハリウッド映画のような巨大な事件の落差が、小説ならではのホラ話の醍醐味に転じるところがじつに見事だ。
──中条省平(学習院大学教授)「共同通信」

作家名が頭から消えてしまい、物語それ自体の魅力だけが心にまっすぐ届く。 これはそんな「読みはじめたらやめられない」傑作エンターテインメントなのです。
──豊崎由美(ライター)「中日新聞」

3人の前に次々と謎があらわれる。まるでジグソーパズルのピースが箱から投げ出されたように。翻弄され、追いつめられる3人。手に汗握る展開。そして最後の最後、すべてが収まる快感。
──永江朗(ライター)「週刊朝日」

矮小な目標からだんだんと壮大な目標に無理矢理押し流されていく2人をハラハラしながら見守りつつ、ところどころに織り込まれる少年野球時代の話によって、きゅんとさせられたりも。
──名久井直子(ブックデザイナー)「小説新潮」

現代文学の地勢図を思い描くとともに、文学は孤独な1人の営みであるという固定観念は何なのか、あらためて考えさせられた。
──沼野充義(東京大学文学部教授)「東京新聞」ほか