『吉田健一対談集成』を読む(講談社文庫)。「対談集」といへども軽んずべからず。
吉田氏の肉声の聞こゆる珍重すべき「音源」なり。
鼎談『東京の昔』は殊に味い深し。共演者は池田彌三郎、佐多稲子なり。
役者に不足なし。なにとか評すべき、まことにめだきものなり。これこそ「教養」なれ。
余の心もきれいに洗はるるごとく覚ゆ。