ところで、誰かをみてみたい、誰かに会ってみたい、ってのあるよね
(34氏はもちろんオレのような浅薄なミーハーではないと承知のうえ)

オレというミーハーは、
まず、太宰治に会ってみたい(その昔、石坂浩二による太宰治のドラマがあった、心酔したなあ)
梶井基次郎、若山牧水、長塚節、(突然だが)アルチュール・ランボー、……会ってみたいなあ
みんな文学者
そしてそのなかに吉田健一も

唯一みた文学史上のひとといえば、佐多稲子と藤枝静男(漢字間違ってたらごめん)
法政大学で行われた、中野重治を巡る講演会(新日本文学会主催だったか)であった
始まる前、もう70を過ぎてみえはするのだったが、まだまだ血気盛んという感じの佐多稲子さんが
いつもわれわれが煙草をすっている55年館だったか58年館だったかの大講堂入口前の腐れた椅子に腰掛け、やけに意気にみえるふうにひとり
煙草をふかしていた。お洒落だった。そしていつもわいらが煙草を押し付ける、鉄の腐れた、ドデカな
灰皿にわいらがすると同じように煙草を押し付けた。小心者のわいは、彼女に話し掛けもせず、その紅がついた煙草を失敬したはずだったけど、
はて、いまはもっていない、ひょっとして持ち帰ることまではしていなかったのかも… もう30年以上も前の話…