>>248

「魔の山」の原題は ‘魔法の山’でして、
はげ山の一夜的な悪鬼、妖怪たちが狂喜乱舞する禍々しきカオスや
ブロッケン山の魔女の大饗宴を想像し期待してはいけません。

舞台となるスイスの高地療養所の大食堂やラウンジにおける主役の座、
スポットライトを奪い合う血みどろの闘争、陰謀、確執すらそこにはありません・・・


「虎よ」は、そうです、
そう意味合いにおいて「魔の山」よりもずっとはるかに‘魔の山」’的なのです。

ボネガットの「タイタンの妖女」や「猫のゆりかご」もかなりぶっ飛んだ話ですけれど、
「虎!」はまた別の方向にぶっ飛んでいる・・volcanic chaosとでも云おうか・・・
(タイタンと虎を、ぼくは同じくらいいに好きかもしれない)

しかしドラマにはちゃんとゴールがあるのだ。


はるかな遠い星々です。