芥川の時代ではそれより60年前の人気作家である馬琴が悪評ふんぷんたる有様だったけど。
それから30年ほど後の織田作之助の時代では250年前の郷土の大作家西鶴ですら貶められていたので
「諸君のなかで西鶴の恩恵に浴していないものはいないだろう?」と啖呵をきったほどですが。

古典の再評価というのは実は大正末から昭和初期の小林あたりの世代が始めたことだと思いますけどね。
これに戦時下の日本主義が加わって本来は娯楽に過ぎない小説なども「文化」的評価対象になった。
戦後だと戦後民主主義の文化国家による庶民文化の積極評価とか。