作品を読んだ後のイメージとしては、限りなく透明に近いの逆の、
「ドラッグの紫煙で限りなく不透明に濁った」感じで、作品全体を
見ても?「透明」という感じは何処にもない、と言っては言い過ぎか。
小説の中で登場人物達が「明晰」を求めてもがく心は伝わってるかも
しれないが。

透明な目で当時の似たような設定を眺めたいならば、草間弥生の
1999年の作品『ニューヨーク'69』を読めば良いかもしれない。
ここには、敗北と時を経ての復活、それを振り返る冷めた目がある。
それによって、その裏に隠された万感の?思いが伝わって来る。