最も影響を受けた小説の一節を挙げよう [無断転載禁止]©2ch.net
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鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。
ヘルマン・ヘッセ『デミアン』 得たいの知れない不吉な塊が、終始私の心を押さえつけていた。
梶井基次郎 「檸檬」 ひねくれるつもりはないが、わたしはどうして現在のこの事態まで来てしまったのか、正直、よくわからないのだ。
若年時を思い出してみるかぎり、わたしがこんな秘密の行路をえらんだのは、それが祖国のゴールにいちばんまっすぐ、いちばん間近に迫るように思えたからだ。
あのころ敵といえば、はっきりとそれと指摘でき、新聞で読むことのできる相手だった。
いまのわたしにわかっているのは、自分が世の中すべてを陰謀という見地から解釈することを覚えたということだけだ。
それはわたしがきょうまで生きるに用いた剣であり、いま周囲を見まわすとき、いずれわたしの命を奪う剣でもあることがわかるのだ。
わたしは彼らがこわい。だが、わたしもまた彼らのひとりなのだ。
もしも彼らがわたしを背後から刺したなら、すくなくともそれは〈自分の同輩による裁き〉であると思う。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています