小林の戦前戦後の発言の変遷について:

…たとえば、戦争ということでも、これは非常時に大きな政策であるが、けっして巧い政策とは言えない。
しかし、この拙い政策でも、招来実際の平和を実現するために行なわねばならぬとあれば、行なわねばならぬ。
…戦いが始まった以上、いつ銃を取らねばならぬかわからぬ、その時が来たら自分は喜んで祖国のために銃を取るだろう…
(「文学と自分」と題する「文芸銃後運動」のために行われた小林秀雄による講演 1940年11月)

…僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処した…僕は無智だから反省なぞしない。
(「近代文学」(二号、1946年2月号)の「小林秀雄を囲んで」という座談会)