>>953

「数日前、私は自分の書斎の窓を開けて換気をしている最中に突然
カラスに襲われた。
私は飛び退いて無事だったが、大きなカラスは部屋の中に入って
なかなか出口を見つけられなかった。
カラスは利口だと聞いていたが、けっこうアタマが悪い。しかし
こういう『苦難』を外国暮らしの体験者に話しても、笑われるだけ
である。

『 ちゃんとライセンスを持っている人が鉄砲で撃てば、すぐ解決する
ことなのに、何で手を打たないんですかね』
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これはやはり政治が政策を放置しているからだ。・・・・・・・・・
何でも殺すのはかわいそうという人は、思考が途中で切れている。
そういう人たちがすべて完全な菜食主義者なら私は納得するが、トンカツや
ヤキトリやハンバーグは平気だとしたらいい加減なものだ。
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襲ってくるカラスさえ銃で撃てない。
皆が平和を望んでいるはずだから、という未熟な思い込みが、筋の通らない
無責任な生き方の人間を作っているのである。」

曽野綾子著、
「平和とは非凡な幸運、『カラスを撃てない、作られる無責任な生き方』」より。