脳には賢い部分と間抜けな部分がある。賢い脳(前頭葉)は高度な判断ができる代わりに大量にエネルギー
をつかい疲れやすい。間抜けな脳(大脳基底核)は変化を嫌いルーチンワークを延々とやりつづける。しかし
省エネで疲れにくい。読書は賢い脳で全部やらないで大半は間抜けな脳に任せるのがコツだろうと思う。
 例えば「英語ができる」というのは間抜けな脳の働きが大半だろうと思う。現実にも英語ができる人はどちらかと
いうと馬鹿な人が多い気がする。それはやはり語学の習得がルーチンをたくさんこなさないとマスターできない
という性質からくる。だから常に英語に囲まれているような特殊な環境にいない限りは間抜けな人にしか
英語はマスターできない。スポーツ選手もやはりこの傾向が強い。
 逆に賢い人の学習方法は一気に大量に読み込んで本質を理解するというのが多い。高度な内容を
理解するにはこのような戦略が非常に有効に機能する。しかし賢い人はルーチンが苦手だ。それに直ぐに
疲れる。
 読書の大半はルーチン作業で鍛えられる。速く読むとか大量に語彙を知っているとか、そういうことは
自動化してしまうべきだ。それを上手くやり遂げた人が知識人といわれる。間抜けな脳を上手く
コントロールすることができなくては大量に情報を扱える知識人には成れない。つまり知識人の本質は
賢い脳ではなく間抜けな脳にあるということになる。