小説はあまり読まんのでわからないが、川端や太宰、志賀直哉のような名声のある作家でもいまいち視界が狭い
感じがする。確かに綺麗だし丁寧に書いてあるとは思うが、ダイナミックさがないから文章の中に発想のような
ものを感じない。例えば川端の雪国の冒頭部分にある駅長さんとの会話とか、ガラス越しに駒子を観察している
島村様子とかでも描写が沈み込んでいて、読んでいても広がりを感じない。そういうものを書いたからそういう表現に
なっていると言えばそれまでではあるけれども、ジェーンエアとかと比較すると視点の操作とかが格段に違う
ものがある。同じような暗い風景描写でもジェーンエアにはダイナミックな発想を感じる。読み方の違いかも
しれない。知り合いの読書家の彼女は外国の小説は文体が嫌いらしくて読む気がしないといっていた。
好みってわかんものだな。