ドストエフスキーとカミュとは実に対照的ですね……。
 ラスコーリニコフがそうだったのと同じように、ペストのベルナールリウーが私の中でヒーローだったことがあります。
 そしてラスコーリニコフよりもリウーのほうにより肯定的に生きるすべを見出しやすかった。
 罪と罰も同じくらい読みましたが、ペストも10回くらい読み返したかな……。

 たとえ絶望に打ちひしがれていたとしても、あたかも希望を抱いているかのように生きなければならない。
 さもなくば自殺してしまう。苦悩は何の権利も与えはしない。

 とはペストというよりカミュの手帖に記されたメモ書きですが(どこか別の作品にこんな一文が反映されているかもしれませんが)、この忍従という点で、ドストエフスキーの小説との対照や類比を見てみるのも面白いかもしれない。