http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html

…今もある実業家の所へ行って聞いて来たんだが、
金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさ
――義理をかく、人情をかく、恥をかくこれで三角になるそうだ面白いじゃないかアハハハハ」

多分、これが>617の言う該当箇所だね。

『承る処によれば、金田君は、義理をかく、人情をかく、恥をかく、の三角術で金をつくった実業家で〜』

考えているのは話が逆で、オリジナルを教材用に書き換えたんだろう。

引用の仕方がちょっと不十分だね。〜で省略せずにまとまりのある所まで引用してくれると比較し易いね。
『』の文だけ見ると、読むにはまあいいけれど、会話の文章としては、
当時の漱石の慣習を考慮しても、オリジナルが活写していると思われる。

では何故書き換えたかと言うと、基本は文字数を削減したい、あるいは、現代の用字用語法に合わせる意味合い。
猫は非常に多くの人に読みつがれて来ているから、意図を持って内容を改悪すると邪推するのは無意味だろう。

ちなみに、学校で教わったと思うけれど、三角術自体は三角法の古称だが、
ここでは三角と「三欠く」をかけているわけだ。