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「君がもう すこし 年 を とっ たら、 年齢 が 信念 にたいして どういう 意味 を 持つ かが わかっ て き ます よ。
それに 僕 には どうも、 君 の 言っ て いる こと は 自分 の 言葉 じゃ ない よう な 気 が し た もん です からね」
と アリョーシャ は つつましい 穏やか な 調子 で 答え た が、 コーリャ は かっと なっ て 相手 の 話 を さえぎっ た。

「冗談 じゃ ない、 あなた が 望ん で いる のは 服従 と 神秘主義 です よ。 あなた だって 認める でしょ う、 たとえば、
キリスト 教 が 金持ち や 門閥 にばかり 奉仕 し て、 下層階級 を 奴隷 状態 に 引き とめ て おい た って こと は。
そう じゃ あり ませ ん か?」

「ああ、 君 が それ を なに で 読ん だ か、 僕 には わかっ て い ます よ、 君 は てっきり だれ かに 吹き こま れ た
ん です ね?」 と アリョーシャ は 叫ん だ。

「とんでも ない、 どうして かならず 読ん だ という こと に なる ん です?   それに 僕 は 全然 だれ にも 吹き こ
ま れ た こと なんか あり ませ ん よ。 独力 でも わかり ます からね…… それに、 なん なら 言い ます けど、 僕 は
キリスト に 反対 し て いる わけ じゃ ない ん です よ。 あれ は まったく 人道的 な 人物 で、 もしも キリスト が
現代 に 生き て い た と し たら、 さっそく 革命家 の 仲間 には いっ て、 おそらく、 目覚ましい 役割 を 演じ た ん
じゃ ない かと 思い ます ね…… きっと そう だっ た と 思い ます」

「いったい どこ から、 いったい どこ から そんな 知識 を 掻き あつめ て き た ん です!  
いったい どこ の ばか と つきあい だし た ん です か?」