>>454
ただの愉快犯かもしれないが一応マジレスしておく。長文でごめんザンスよ

例えばステンシルが書いている(語っている?)とおぼしいVにまつわるエピソードの数々、あるよね。
これはつまりステンシルが「作者」や「語り手」として、高次の立場にあることを意味しているのだけど、実は記述の対象=V本人やその関係者、
さらに本来は無関係だったプロフェインとそのガールフレンドらも巻き込んでの情報収集という構造になってきて、ステンシルの「物語」に影響を及ぼす。
その点で相互作用のあるメタフィクションと言えるわけ。それはちょうど、観察行為が観察対象に不可逆的な影響を与えてしまう「観察者効果」みたいなものと考えていいかもしれない。
ゆえに物事の正確な認識は不可能であり、真偽不明な情報の集積によりエントロピーは増大を続ける。こう長々と書くと、どうせまた半畳を入れられるのだろうが、
研究者でもない限りどんな小説とて教科書や聖書ではないのだから、どう読もうと基本的には自由なのだ。なので素人の俺が「テキトー」に深読みしようと、君のように「〜〜なだけでしょ」と冷笑しようが勝手は勝手。
ただし自分と違う読み方をバカだのありがたい(誰にとって?)よな、だのと無下にする態度は本作の魅力を見過ごすだろうから勿体ない、というだけの話。
けれどこう伝えてなお分かり合えないとしたら、話すことはもう何もない。自分の読み方を押し付ける気はないし、分かり合う必要もないので。