>>78
> ドン・キホーテは途中までしか読めてないんですけど、あの人もムイシュキン公爵も性質として「作為がない」「悪意がない」のは確かだけれども、他者の痛みを自身の痛みと感じるような「善良さ」「美しさ」と言えるほどのものを持っているのか?
> と、疑問に思います

すばらしい。表現力が。

> 岩波文庫(米川正夫訳)下巻で、
> 公爵が花瓶を壊したあたりまで来ました

ぼくは、今から30年前に、第一編ナスターシャが暖炉に一万ルーブリぶっこむところまで、読みました。
木村浩訳。それしか入手できなかった。米川正夫訳の大ファンで、つねに米川正夫訳を探し求めているオレでしたが。
ひじょうに美しい訳文でした。木村は。
ペテルブルグ・ワルシャワ鉄道の特急の中からはじまる書き出しから、怒涛の「暖炉に一万ルーブリ」まで、その美しさたるや、全作品中 特別の地位にあると感じた。
その後白痴を読む機会を失ったおれですが、いつも本棚の見えるところに、その灰色の装丁が見えるように置いてある。
これは人類最高の書籍である。おれはそれを所有し、いつでも読もうと思えば読めるのだ!といった感じです。
今夜はひじょうに疲れているが、30年ぶりに、
「 公爵が花瓶を壊したあたり」をめざして、この白銀に輝くエベレスト登坂にアタックしてみん!