>>743
90年代って、ストーンズとかマイコーとかMCナントカの派手な演出の
裏で、コンサートホールのPAと照明のプログラミングが爆発的に進歩した
時代なんですよ。ひとつは音声信号の遅延が大幅短縮されたこと、
ふたつめは、音、光、舞台すべての電子制御システムの小型化、そして
三つめが夜遊びダンスホール演出と舞台との相互交通による相乗効果です。
これで一気に進化した。スタジアム全部サラウンドなんてことは今は当然ですが、当時は魔法でした
(他面、タイム絶対主義になって、ホールとの掛け合いでさえその構成に
制約をうけることになります。長々しい歌手の聴衆アオリが会場全照になったり、
演奏タイムのドンカマ制御ができない若い演奏家の長々しいアコースティック
セットで暗転ピンスポになるのは完全手動時代の名残ですが、こうした
時間の読みづらいパートでいまだに複合的な劇的神業演出ができないのは、
絶対タイムで進行する照明システムの限界を示しています♪)。

夜遊び演出を取り込んだ舞台の音響と照明が、業務用器材の充実をもたらしたことは
思わぬ副産物を産むことになります。屋外で大出力を制御できるシステムが
組まれたことで、レイヴの演出は90年代後半から一気にド派手になりました。
海岸や広場の盆踊り規模から、一気に遊園地サイズまで拡大されました。
街の演奏家は、うちわの発表会レベルから、一気に『ダセエことをしたら
町中の笑い者になる』厳しい現実を突き付けられることになりました。
もうヘタクソに発表のチャンスはないといわれたようなものです。
やあみんな練習しましたね。カッコだけで演奏能力のない奴等は激減します。
恥ずかしくて出ちゃこれませんよ♪
生ドラマーたちはこの時期、フレーズ一発で数百人単位のカラダを操る、
という快感に目覚めます♪90年代のWAVEドラムは、単にドラム音源トリガーと
しての役割だけでなく、照明や音響のスイッチやフェーダーとして使えることが
わかってしまい、これはドラマーとDJを急接近させました。この延長にあるのが
00年代のCAOSパッドだったのじゃないかと私は思っています。
ここへきてやっと、DJは音楽家であることが、アナログ演奏家にも本当に
理解されたのです♪