−−兄の引きこもりがそれから2、3年続いた頃、ふとしたことから読んだ本で私は統合失調症という病気のことを知り、兄の状態がよく似ていることに気づきました。そのことを両親に話し、
精神科に連れて行ってあげよう、と言ったのですが、両親は「それは絶対ない」と否定、おおごとにするな、という態度でした。
両親は「ストレスであの子なりに深く悩んでいるのだと思う。病院なんかに行かなくても私たちがもっと優しく接してあげれば少しずつ元気になるかもしれない。それにいきなり精神科だなんてかわいそう。もう少し様子を見よう」と言っていました。

納得できる話ではなかったのですが、当時まだ高校生だった私は、それ以上両親に強く言うことはできず、兄の引きこもりは続くことになりました

−−10年ぶりに実家に長く滞在して、目の当たりにした兄の状態は、あぜんとするしかないものでした。兄はほとんど一日中布団の上で猫が座るような同じ姿勢で過ごし、ぶくぶくに太りきって、
歩くこともままなりません。そのため、介護用おむつを着用していました。風呂に入ることも着替えることも月に1度あるかないかといった状況です。

また、自分は高貴な血筋の人間で、もうすぐ天皇になる試験?を受けるなどと言っています。それから、今在日朝鮮人と戦争しているから米は食べないとか、白米は嫌いだとか雨戸を閉めろとか叫ぶこともあります。
よく独り言を言っており、その内容は一人で何役もこなしての会話です。例えば、「逃げろ!」「逃がすな! 撃て!」「許してください」などと言います

サプリを通販で大量に買っています。特にカルシウムが体に良いといって毎日飲んでいます。骨を丈夫にしないと戦争に行ったときに戦えないと言うのです。

ろくに歩けないし、それならまずダイエットをしたらいいのに
高貴なら兵隊になることもないはずですが、そういう矛盾は気づかないのか、気にしないのか……

一体いつの時代の話をしているのか……。そんなことを信じること自体おかしいし、それにどんな状態でも今のこの状態よりはましだと思うのですが