ナグ・ハマディ文書はQ資料ではありません
Q資料とはルカ・マルコ・マタイの三つの福音書のもととなった仮想の文書（源泉Quelle資料）です
この三つの共通性に比べてヨハネの福音書は明らかに後代に作られたとされます
ヨハネの福音書にしか存在しない記載の一つがイエスはロゴスである、という冒頭です
はじめに言（ロゴス）があった。言は神とともにあり、言は神であった
＞ヨハネ伝は同じ出来事を描写するときにも、他の3つとは異なった視点やスタイルをとることが多い上に、他の3つの福音書に比べて思想・神学がより深められている。
＞イエスを神であると明言し、はっきり示すのはヨハネ伝のみである。
ナグ・ハマディの「イエス＝ロゴス」という記載は三つの共観福音書よりも後のヨハネの福音書を下敷きにしていることが明らかであって、この記載のある文書が時系列的に共観福音書（ルカ・マルコ・マタイ）よりも先行することは不可能です
トマスによる福音書はイエスの言行録であって、イエスを神として扱う描写はなく、共観福音書にない記載があるのでQ文書（源泉のあくまで一つ）の可能性はありますが、奥義書などではありません
