>>857
>イソケンの言ってることは分かるけど

ぜんぜん分からないよ
たとえば深沢七郎の「極楽まくらおとし図」や
ふるいところでは鷗外の「高瀬舟」のように安楽死を扱った作品もある
小説家は通俗的ヒューマニズムに寄りかかる人種ではないんだよ

ただ古市と落合の問題点は財政的なつまりマクロ的見地から述べられたものであり
これは政府や官僚のような施政者に近い見方である
小説家の本領たる「個」の立場に立つものではなかったということが問題なわけ
しかし磯崎のように「身体性」という現代思想あたりで使用されるような
変な言葉で創作姿勢まで批判するのは的外れなんだよ

終末期の患者が一縷の望みにかけるというのも人情なら
もうこれ以上苦しみたくないというのも人情であって
どちらに揺れるかはわからないんだよ
「身体性」なる謎の言葉に寄り添うのなら
たとえば大江健三郎の「死に先立つ苦しみ」のほうが
よっぽど「身体性」に忠実だとおもうけどね