0273吾輩は名無しである
2019/06/29(土) 10:37:06.79ID:szpZFdHb【米川訳】
▲兵士らはアンドレイ公爵を運んでくる途中、
妹のマリヤが首にかけた金の聖像が眼に入ったので、
そっととりはずしておいたが、捕虜にたいする皇帝の優しい態度を見ると、
急いでその聖像をもとへ戻した。
▲アンドレイ公爵は、誰がどうしてかけてくれたか気づかなかったが、
思いがけなくも、軍服の上から細い金の鎖のついた聖像がかかっていた。
第1部第1篇第24章
【米川訳】
▲……、彼女は楕円形の古い救世主の像を、荘重な手つきで両手に捧げつつ、
兄の前へさし出した。黒い顔をした救世主は銀の衣を着て、
細かい細工をほどこした銀の鎖につるされてあった。