爽やか青春ガールミーツボーイだと思って読んでいたら、あれ、あれ、あれれ・・・ワオ!こういう話だったとは!
っていう読書体験ができたら楽しそうですな。

話そらしてごめんですが、平林さんのツィッターで話題になってた『重力アルケミック』を読んでみた。
SF関係なくとてもよいと思った。
一人称での表現力がいい感じでした。
例えば、主人公が高校時代のダッサいジャージを着て夜の東京を走るシーンがあるんですけど、
どうして彼がそういう行動をとるのかという気持ちの説明をクドクドしてないようなとこ。
読み手が考えて感情移入できますよね。
主人公から見て、友達はみんなすごい奴ばかり、っていうふうに見えているけど、
読み手には全然違う風景が見えていて、この時この友達はどういう気分でいたのかなって
想像しながら読んだら、きゅうん、ってなりました。
大滝教授とか吉岡さんとか、ああいう感じの人、自分の母校にもいたけど、みんな
どういう青春を送っていたのかな・・・。

SF的には、「この世界の科学ではこうなっている」みたいな大仰な書き方じゃなくて、
当たり前のことを当たり前に言うように書いてあるところがいいと思いました。