女性が子供を産む奴隷に 米ドラマ「ハンドメイド・テール」の衝撃
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主人公の劇中の名前は「オフレッド」。これは「オブ・フレッド」、つまり「フレッドの」という意味だ。
居住している家の家長の名前がフレッドなので、「フレッドのもの」という意味になる。
主人公には人間としての権利や自由が認められず、持ち主の私有物になる、つまり「奴隷」であることを示している。

ドラマは夫婦と子供が森の中を逃げ回る場面から始まる。誰に追われているのかは分からないが、相手は銃を抱えているようだ。
途中で、家族はバラバラになり、女性はとうとう捕まってしまったー。

目が覚めた時、主人公の女性「ジューン」は「オフレッド」として登場する。全身覆う真っ赤なドレスを着ている。
頭髪は白いキャップに隠されている。ジューンと言う本名は、この世界では全く使われなくなる。

オフレッドたちが住んでいるのは「ギリアデ共和国」。設定は近未来のアメリカで、キリスト教原理主義によって生まれた宗教国家だ。
ほかの宗教は認めず、有色人種は迫害される。国民は社会上の役割によって異なる制服を着ることが義務化されている。

環境汚染や原発事故などによって出生率が低下し、妊娠可能な女性は限られている。
この枠に入った女性たちが「ハンドメイド」として訓練を受け、支配層の「司令官」の家庭に送られる。
オフレッドとオフグレンは歩いているうちに、壁がある場所に来る。壁には社会のルールに従わなかったために絞首刑で処刑された数人の姿がある。
赤い装束に白いキャップをかぶったハンドメイドたちは教室に集められる。「おばさん」と称する女性にハンドメイドが何たるかを教えてもらうためだ。
口答えは許されない。このルールを破ったハンドメイドの1人が男たちに連れて行かれる。後の回で、この女性の片目がえぐり取られたことが分かる。

言ってはいけないことを言えば、罰が下る。反抗的なふるまいをすれば、電流が流れる棒を「おばさん」がハンドメイドに押し当てる。
ベッドに体を縛り付けられ、はだしの足に電流棒を当てられることもある。ハンドメイドの体は司令官の子供を産むためにあるわけだからレズビアンの恋愛はご法度だ。
オフレッドが望むのは、離れ離れになった娘と再会すること。夫は逃走中に撃たれて亡くなったと聞いている。
「娘には会えるまでは、絶対にくじけない。生き残ってやる」とオフレッドは自分の心に誓っている。

いつまでも妊娠しないと、ハンドメイドは困難な状態に陥る。
一度は妊娠したと思われたものの、それが間違いだとわかったオフレッドは妻「セリーナ」によって、2週間、部屋に閉じ込められた。
買い物仲間だったオフグレンはレズビアンだったので、恋人を絞首刑にされ、下半身の一部を切り取る手術を強制的にされてしまった。
行き場のない、奴隷状態を続けるハンドメイドたち。この世界では女性は読み書きを禁じられている。
この後もドラマは進んでゆくが、言論の自由がない世界、女性としての権利を限定された世界の恐ろしさがひしひしと伝わってくる。