ヴィル兄様は婚約者であるわたくしがD子様から貶められても笑顔で一度も庇ったり心配する言葉をかけてくれたことはございませんでした。
わたくしの大事な師がD子様に延々と貶められても聞き流し、擁護してくださることは一度もありませんでした。
師が貶められ続けたお茶会が終わった後でヴィル兄様はD子様が心配だと仰有って、D子様よりも彼女の行動の連座を被る立場にいる師が心配だと言ったわたくしに「物言いが冷たいぞ。其方はD子様が心配ではないのか?」と仰有いました。

D子様と言えば卒業式の奉納舞ですがあれを実現可能になるよう親身に助言して後押ししたのはヴィル兄様なのです。
わたくしとシャルは奉納舞で魔石を光らせたいというD子様を必死に止めたのですがヴィル兄様が魔石の質を落とせば光らせることができるのではないかと助言をしてしまったのです。
ですが卒業式でD子様が魔石を光らせようとしていることをフェル様に忠告したときにヴィル兄様はD子様がローゼマインのせいで電飾舞をしようとしていると言ったのです。
ヴィル兄様によると体調が悪くて必死に堪えても堪えきれずに光らせてしまったわたくしが悪くて後押しをしたヴィル兄様は悪くないのですって。
わたくしとシャルが必死に止めて諦めさせようと説得していたことの邪魔をしてD子様に協力したことを悪いことだとは全く思っていない様子でわたくしを責めたのです。


この辺を説明すれば一瞬で目が醒めるな