>>377
・灼眼のシャナ
プロローグは「履歴書」型で良くないんだけど、これは主人公の平凡さとか
平和な日常の退屈さを表すために演出としてやってること。
この後すぐに戦闘シーンに入り、日常が破壊される。
見えてる部分だけだと評価は低くなるけど、戦闘シーン以降は、情景も心理も
人物も、きっちり描写されているからねー


・僕は友達が少ない
セオリー通り、キャラ視点で、南の島の情景描写から入って、
水着キャラの人物描写に入る感じ。
すごく楽しそうな感じだからこそ、「これは幻覚だという」最初の一文が
すごく生きてくるわけだよね。


・バカとテストと召喚獣
まあ、上手くはないけど普通だよね。
キャラ視点で、心理描写を交えながら新学期、新しいクラスという情報の提示。
校内に入って先生の描写。上手さは感じないけど、情報の出し方はスムーズだと思う。


・涼宮ハルヒの憂鬱
これはいろんな意味で例外なので、真似しない方がいい。
悪い意味ではなくて、一人称で「読ませる文章」が書けるのは才能。
才能は真似出来ないし、真似すると二番煎じと言われる。


・電波女と青春男
青春ポイントというものを通じて、人生観みたいなものを語る冒頭。
ほぼすべての読者が体験していたり、こうありたいと思う学校生活についての
話なので、面白いのかもしれないが、これは一発芸なので、手法としては
真似しないほうがいいと思う。


・境界線上のホライゾン
空の情景描写から入って、空に何かがあるのはわかるけど、文章は上手くはないね。
区分け、区分けが多いんじゃない? 区分けが何なのかよくわからんし。
そこを通り過ぎると、でっかい航空都市艦が出てきて、なんとなく情景が浮かんでくる。
右舷壱番艦「品川」とか、ドキドキするなー
上手くはないんだけども、描写によって独特の世界観が表現できている。


これで全部かな?
どれも冒頭ちょっとだけで、作品の雰囲気が伝わってくるんじゃない?
先が読みたくなるものが多かったと思う。

新人賞の場合、冒頭数枚は確実に読んでもらえるので、
冒頭で何かしら読者を引っ張るものがあれば、予選通過の可能性は高くなる。
世界観をきっちりと描写していく努力は必要だと思う。