>>153
夏と花火、冒頭だけど、普通の一人称じゃないの?
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 九歳で、夏だった。
 神様を祭ったお宮には濃い緑色の木々が生い茂り、砂利の地面に日陰を落とす。
夏の太陽を掴もうとするかのように伸びた枝の問から蝉の叫び声が降ってくる。
「おにいちゃんたち、まだ話し合ってるのかなあ。五月ちゃんはどう思う?」
 弥生ちゃんがわたしにきいた。長い黒髪を指先でいじくりながら、眉根に縦皺を
よせて、少し怒ったような声だ。
「どうって言われても……」
 橘弥生ちゃんは私の同級生だ。一番の仲よしで、わたしは毎日、弥生ちゃんや
そのおにいさんの健くんと一緒に遊び回っていた。
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情景描写もできてるし、太陽をつかもうと言うのは主観的間接心理描写。
初登場の「弥生」は主語として前に出ているし、仕草を通じた人物描写もある。

俺が普段から言ってるようなことは、全部できてるけど。