>>976
最終回直前まで微妙な距離感で付き合ってた女達が
エピローグでいきなり全員こうなるような話まともに作る会社あるわけねぇじゃん


「……正妻権限で、騒がしくする子は出禁にする」

 迸る色気。男女の区別なく魅了する魔性の美。妖艶を体現したような大人モードのユエの言葉に誰もが息を呑んだ。咄嗟に女性陣が
反論しようとするが、機先を制するようにスっと流し目を送られれば、途端、ポワッと頬を赤らめて「うっ」と言葉に詰まる。ライバルを自認する香織ですらそうなるのだ。はっきり言って誰も逆らえる気がしない。

 ちなみに、出禁がどこへの出入り禁止を示しているかと言うと、ハジメの寝室だったりする。この一ヶ月、ハジメとユエ、そしてシアは幾度も眠らぬ・・・夜を過ごしてきたが毎日というわけではない。

 そして、ユエとシアがいない夜もハジメのベッドを温めていた女性はいるのだ。それが誰であるかは言わずもがな。采配を取り持っているのが誰なのかも言わずもがなだ。“正妻権限”という言葉で推して知るべし。

「……ん。罰として、今日は私が独占する」
「ちょ、ユエ、うむっ!?」

 双丘に埋められ骨抜きになっていたハジメは、起こされると同時にユエから熱い、それはもう火傷しそうなほどあつ〜い口付けを頂戴した。
 にわかに騒がしくなる女性陣。そして、オロオロと砂糖を吐き出すクラスメイト(危ない感じで興奮している一部の女子生徒を含む)。
 ぷはっと息を乱しながら口を離したユエとハジメに、香織達が、抗議とおねだりの声を上げる。

「ず、ずるいよ、ユエ! 私もハジメくんと……」
「あ、あの私も……ハジメと……」
「ご主人様、妾ともしておくれ」
「あらあら、あなた、私もお願いしますね」
「はぅ、な、南雲くん、わ、私も……」
「ハジメさん……どうか……」

 更に、アルテナをバックドロップで沈めたシアが無言でうるうると潤んだ眼差しをハジメへ向ける。ミュウはよく分かっていないのか首を傾げていた。
 そこへ、ユエがふわりと微笑みながら口を開いた。

「……ハジメ。誰とする?」