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ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【84】
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0001ぷっぎゃああああっす!垢版2018/02/10(土) 20:56:33.98ID:cZ2+QTng
オリジナルの文章を随時募集中!

点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

評価依頼の文章はスレッドに直接、書き込んでもよい!
抜粋の文章は単体で意味のわかるものが望ましい!
長い文章の場合は読み易さの観点から三レスを上限とする!
それ以上の長文は別サイトのURLで受け付けている!

ここまでの最高得点は76点!(`・ω・´)
0463この名無しがすごい!垢版2018/02/20(火) 16:35:21.09ID:dL+y2F+F
 ――――静寂。
 開けた窓からかすかにコンビニの店内放送が聞こえてくる。
 20年以上前の車だからな……どれ、あいつに幾らで買ったか聞く前に調べてみっか。

 130万円
 119万円
  97万円

 スマホの画面に並ぶこの車の中古価格。
 20年前の車とは思えない高額さに目を剥く。
「あいつ、幾らで買ったんだ? もしかしてエンストするような激安を掴まされた?」
 そう思った時だった。

 ドンッ!

 くぐもった音が車内に響いた。
 それはダッシュボードの先、ボンネットから聞こえた気がした。
 誰かが車のフロントに蹴りを入れたのか、そう思ったがコンビニの照明が照らす駐車場には誰ひとりいない。
「待たせてスマン」
 友人が戻って来た。
「何でエンジン切ってんの?」
 俺はそれに答えられない。
「今度から勝手に触るなよ。ほい、一個食べていいぞ」
 カラアゲチキンの袋を手渡した友人がキーを捻った。
 低音の効いた音を立て、赤いコスモが目覚める。
「あのさ、この車幾らで買った?」
 流れる街灯を見ながら尋ねた。
「10万」
「それヤバくね?」
「お買い得セール中だからその値段だった」
「この車の中古価格、他だと幾らか知ってんの?」
「ん?……うん、まあ……でもコレ、距離も走ってるし、そんなもんじゃね?」
「でもいくら何でも安過ぎ――――」

 ドンッ!

 またあの音が車内に響く。
0464この名無しがすごい!垢版2018/02/20(火) 16:35:46.56ID:dL+y2F+F
 驚いた友人が防波堤沿いにある駐車場へ入る。
「何か轢いたかな」
 友人は外に出るとフロントバンパーに何度も目を通した。
 車通りは無く、月明かりだけがこの場を照らす。そして耳に聞こえるのは波の音。
 生暖かい海風を浴びながら、早くこの場を去りたい俺は両腕を組んでキョロキョロ辺りを見渡す。
「おっかしーな」
 友人がボンネットを開けてエンジンルームを覗き込んでいる。
「おい、街に戻ってから調べようぜ。なあ――――」
 隣に来た俺はボンネットの中に目をやるなり息を飲んだ。
 エンジンがあるべき場所に、両膝を抱えて座る真っ黒な人間が居た。
 真っ黒なそいつは目だけがはっきり見て取れ、ジロリと俺を睨んだ。
「何かいるぞ!」
「は? 何がいるって?」
 一番近い位置にいる友人にはそいつが見えないようだった。
「やべっ……やべーよ! その車、絶対やべーよ!」
 俺が後ろに数歩下がると、真っ黒な人間は抱えていた足のひとつを持ち上げ、エンジンルームの中を蹴った。
「え?」
 友人が左右を見る。
「頼む! 早く街戻ろうぜ! 何か俺、ここにいたらおかしくなりそうなんだ!」
 これはさすがに効いたのか、友人は不可思議な顔をしながら車に乗り込んだ。

 ――――夏休みが終わり、あれ以来会ってなかった友人を大学で見かけた。
 ほんの一瞬だが、きつい日差しを受ける友人の影に、ジロリと俺を睨んだ目が付いているように見えた。


おわり
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