X



安価・お題で短編小説を書こう!3

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
386ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
垢版 |
2018/05/19(土) 18:48:02.02ID:h5UmcM3T
お題:『母』『魔法』『芋焼酎』

 ボクは膝を抱えた姿で閉じられた鉄の扉を黙って見つめていた。
 あと少しで母が帰ってくる。大きなビニール袋を抱えて、
「今日はトモ君の大好きなすき焼きよ」
 と目尻にシワを寄せた母が笑顔で帰ってくる。
 ボクは玄関に飛んでいってビニール袋を受け取る。台所まで運んで頭を撫でて貰うんだ。
 そんないつもをイジワルな今日が遅らせていた。

 部屋が暗くなってきた。少ない瞬きで扉を見ていたから涙がこぼれた。泣いているみたいでカッコ悪い。
 ボクは急いで目を擦って立ち上がった。母が残した食卓の手紙を見にいく。
 難しい言葉がたくさん書かれていた。わかるところもある。でも、意味は頭の中でごちゃごちゃになった。
「これは魔法の言葉なのよ。無くさないで持っていてね」
 そんな母の言葉を思い出して、きれいに折ってズボンのポケットに入れた。
 ボクは出かけることにした。待っていても帰って来ないなら、自分で行けばいい。思いついた答えにうれしくなった。
「あ、そうだ」
 玄関から台所に戻って戸棚を開けた。奥の方に突っ込んであった瓶を取り出す。母が一人の時によく飲んでいた。笑ったりしてたから、持って行けば喜んでくれると思う。
 ボクは瓶を抱えて家を出た。

 最初にスーパーに行った。店の中にはたくさんの人がいた。母と似た人がいて目で追いかける。
 すると、その人は怒ったような顔をした。急いでどこかに行ってしまった。
 周りの人の目がボクに集まる。胸の中がざわざわした。だんだん息が苦しくなってきた。
「ごめんなさい!」
 頭をぺこぺこと下げてボクはスーパーを走って飛び出した。
 足を止めるのがこわかった。息が苦しくなった。ふらふらのボクは薄暗い公園のベンチに座った。
 遠くから怒るような声がした。ガチャンとガラスが割れるような音がして、ビクッとした。
 家で寝ている時に、一回だけ、聞いたことがある。その時はこわくて布団を頭からかぶった。
「ボク、どうしたらいいんだろう……」
 泣きそうになる。ボクは涙を流したくない。手が瓶のフタを開けた。鼻を近づけると甘い匂いがした。
 母の姿を思い出しながら口をつけて飲んだ。目がちかちかした。暗いのに明るくなった。
 少しだけ、楽しくなってきた。なんとなく声を出して笑ってみた。とても楽しい気分になれた。
 ボクは大きな声で笑いながら飲んだ。

 体を揺すられた。ボクは目が覚めた。こわそうな顔をした二人がいた。
「警察に不審者情報が寄せられた。ここで何をしていた?」
「え、えっと、ボクは母をさがしてました」
「芋焼酎を飲みながらか」
 一人がすごく怒った顔をした。ボクはこわくて震えた。そして紙のことを思い出した。魔法の言葉が助けてくれる。
「あ、あの、これ、見てください」
 ポケットでしわくちゃになっていた紙を渡した。一人が中を開いた。怒っていた顔が少し優しくなった。
「知的障害の四十で母親は失踪か」
 別の一人が難しい顔をした。ボクには意味がわからない。
「こ、これ、魔法なんです!」
「ああ、そうか。わかった。一緒に来てくれるかな」
「その、ボクは母をさがさないと」
「私達が探してあげるから心配しなくていい」
 ボクはうれしくなった。うん、と元気よく答えた。
 母の残した魔法は本物だったんだ。
2018/05/19(土) 19:37:43.53ID:iak+MB8F
>>386

ちょっとベタすぎるかも。途中から結末が読めた
388この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/19(土) 19:43:01.40ID:Wk8Isv9b
>>386
悲しい話だった。
小説書きたくなった。
2018/05/19(土) 22:12:10.16ID:XBxVvc2D
>>386
お題を含めて話を書くのは大変だが、
>そんないつもをイジワルな今日が遅らせていた。

キチガイだから日本語がムチャクチャでいいというのは言い訳にはならない。
なぜならこの場合、最後の方まで読者に語り手の正体を気づかせない方が面白いし、
作品としてしっかりしたものだと言えるからだ。

もし、これをわざとでなく書いているなら皆に教える立場に相応しくない。

日本語ムチャクチャだな、おいおい……と思わせて
実はキチガイだから当然だと思わせるために書いているなら、アイデアが悪すぎる。
きちんとした賢い人だと序盤でミスリードする方がアイデアとしてずっと優れている。

一番まずいのは一番最後のパターンで、発想力が貧困だといくら語彙をきちんとしてもどうにもならない。



俺ならまず、芋焼酎を買い物する子供が転んで魔法で痛くなくなる、というのが浮かぶが
これは月並の発想だから何も浮かばないときのために取っておく。
あるいは魔法をかけた途端に、家の中のいろんなものが動き出して……そう、お母さんは魔女だったのです。で終わりとかな。
素敵な話で女の子には受けそうだな。

次は僕はどうやって生まれたの? 魔法の注射をしたら生まれたんだよ、ときて
おいおい下ネタかよ……と思わせて、大事なことだから大人になったら教えてあげる、
いい家族だな……そこで芋焼酎入りのジュースを実は子供に飲ませていて、べろんべろんに父親が酔っ払っていて、
母親はマリファナでラリっていて終わり。

最後に考えるのは、芋焼酎で爆弾を作るということを何か爆弾の本でも読んでリアルに語る。
そこで真面目な話かと思わせて突然魔法使いと戦いになって、最後は母親が神様として神の力で津波を起こして全員流されるとかの
ナンセンスな話な。これも面白い。お題はためにならない、なんてことを言ってもいいしな。
メタネタはちゃんと使えば凄く面白いからな。



結構考えやすいお題なのに、やっぱり一番ダメなところに着地して面白みもクソもない物を作ってる。
いつも下らない話を作って、「話として文字数を稼ぐ」ことを最優先する思考様式しか採らないから
それが諸悪の根源だな。

俺は某所で嫌われていて、皆悪口ばかり言ってるが、付き合いきれない。
俺じゃなかった時にどうする気なのか、人の悪口を言いたいがためにやってることなのか、
そもそも何故そこまでして悪口を言うのか、おかしいな。
悪口を言うべき相手に言うことが正しいと思ってるみたいだがな。
そのためにはどんなマナー違反でも正当化されると勘違いしてる。

俺とお前の実力の差がはっきりわかるだろ。じゃあな。また気が向いたらアドバイスしてやるよ。
2018/05/19(土) 22:21:50.99ID:XBxVvc2D
これでもまだ俺のアイデアがつまらないというなら、最初のアイデアで書いてやる。

「芋焼酎って何なの?」
「これはね、飲めば魔法が使えるようになるのよ」
「僕も魔法が使えるの?」
「そうよ」

この方がいいな。どうしても書けというなら書いてやるよ。
教えるのが楽しくて仕方ないなら教えればいいんじゃないかな。
あまり意味がないと思うけど。
2018/05/19(土) 22:22:54.27ID:KxLkbcje
なんか変なの沸いたな…作者さん気にせず自分の作品作ってね
2018/05/19(土) 22:28:54.72ID:XBxVvc2D
この小さな世界ではともかく、現実では私の言うことがさほど間違っていない
と親や友達に聞いてみればすぐに判るよ

私の言うことを良く聞いて反省しなきゃダメだ
出来ないならまず、人としてどう生きるかを直していけ

当然だろう? 批判ありきでの批判をするために、都合よく登場させて
それを貶すなんてことが許されるか?

5ちゃんねるではそれでいいがな、もうお前ら何も書かずに一生5ちゃんやってろ、って話だろ
2018/05/19(土) 22:32:35.37ID:XBxVvc2D
誰かの技量をけなすことは絶対にダメだ、というルールがあるなら
暗黙のルールにせず、テンプレにしつこく何回も書いておけ

私は「変な人」じゃない
ここの暗黙のルールを守らないだけだ

そのルールがおかしいと私は思うけど、それがないと全員貶されて死亡するから
みんなで褒めあってるんだろ?

そんなに褒めあうなら、私も褒めろよ
それができないならお前らは間違ってると思うが、でもそもそも、何言われてるかも理解できんのかね

結局皆で褒めあうのなんか欺瞞でしかないってことは事実だよ
2018/05/19(土) 22:40:23.43ID:XBxVvc2D
あ、そうそう
芸術にタブーはないからキチガイを出すぐらいなんでもない
そういう意味では何の問題もないので、どんどん書いてキチガイに慣れて
自分の強みにするなりなんなりしていい
他人が書かないことを書けば強みになる
むしろタブーに挑戦してもらいたい
キチガイが酔っ払いのおっさんの内臓を引きずり出して全部食べるとかね
2018/05/19(土) 22:46:41.61ID:g3tS6AZY
知的障害者をそのまま描くならそれはそれでアリと思うけど、
知的障害者が主人公にしては単語のチョイスが高度すぎない?
知的障害者があんな概念的なモノローグをするだろうか?
そういう点が「お題のために知的障害者を使った」感を出してないか?
2018/05/19(土) 22:50:10.31ID:C/HX3CDd
うわ長文連投きつ
ワイスレから変なの流れてきたな勘弁してほしい
2018/05/19(土) 22:59:37.42ID:BFD5ii6f
まあ自分が書いたものにこれだけ熱意をもって反応してくれるのは、承認欲求的にはだいぶうれしい、のかな?
ま、まあ一番のメインは短編を書いてくれる人なわけだし、感想もほどほどに・・・
2018/05/19(土) 23:38:22.70ID:KYcpTaK1
称賛する事が暗黙のルールと言う訳じゃないと思います
自分も、最初の時は随分意見を貰いましたので
ただ、基本的に短編小説に対するスレですから、個人的な人格に対する攻撃は眉を潜められます
今、スレに集まっているのは小説を楽しみたい、エンジョイ勢だとは思うので、そう言った思考の人が多いとは思いますが
2018/05/19(土) 23:57:11.70ID:9cgVr7DV
なんで変なの来てるんだよ……。
のんびり書くのが良かったのに……。
他のスレの人ならそっちだけで批評してくれよ。
2018/05/20(日) 00:26:23.44ID:1+ZD3iV0
まぁワイスレでワイさん(>>386)に粘着してる人がいるみたいだからそれ関係でしょ
活動拠点はワイスレだろうからスルーしてそっとしとくのが一番じゃないかな
2018/05/20(日) 00:32:27.85ID:ubJUL0u7
ちょっと確認してきた
こりゃNGにして放置が正解だね
2018/05/20(日) 00:52:37.71ID:qfMftPa2
ワイさんもここに書くときはお忍びにしてくれると助かるのだが……

こっちのスレにまで荒らしを連れてこられると堪らない
2018/05/20(日) 01:27:26.09ID:U62M5XgX
>>386
少し悲しいお話ですね
この親子は将来どうなって行くのでしょう
2018/05/20(日) 01:31:54.51ID:U62M5XgX
>>351
使用お題:『対決』『五月病』『サブミッション』

【お題でオチバレしているよね】


 自らロープへ走り、その反動を利用し上へと飛ぶ。反転をしながら体全体をぶつける様に両腕を広げるが、相手の姿はそこには無かった。

「っ! ……」

 マットに叩き付けられるが、そこはとっさに受け身を取って最小限のダメージに収める。むしろ、そこからが問題だった。

「チェア!!」

 問答無用のストンピング。
 回転しながら、避ける、避ける、避ける!
 ロープに手が届く距離、リングから落ちる寸前。俺は十字に腕を組み、ストンピングの足を受け止めると、足を振り、逆に相手の軸足に絡みつかせ、勢い任せに払い崩す。

「グアッ!」

 背中からマットに叩き付けられたヤツは、それでも頭部だけはきっちり守っていた。
 俺は半身を起こし、向こうの反撃の準備が整わない内に飛び掛る。
 自らの頭を守っていた為に無防備に晒されている腕を取るとそれを引き寄せ、代わりに向こうの胸部に片足を乗せる。
 ヤツは腕を取られまいと自らの手をクラッチし、対抗するが、俺はその隙にもう一方の足を相手の顔の上に引っ掛ける様に乗せ、両手でヤツの腕を引っ張る。

 ここからは純粋な体力勝負だ、ヤツのクラッチを外し腕を取れればオレの勝ち。
 だが、凌ぎきられ、逃げられれば勝敗は分からなくなる。
 いや、今こうしている時間すらもヤツの味方だ。俺の方にはあまり時間がないのだから。
 それ故にここで一気に決めなければならない。

「くっそう!! 負けるかよぉ!!」

 俺は更に気力を注ぎ込む。負けられない! 絶対に!!

「!!」
「これで、決まりだあああぁぁぁ!!!!!」

 決着がついた瞬間、俺はすかさず飛び上がる。
 マットレスから飛び降りると、寝間着を放り投げる様に脱いだ。

「くそ!! ギリギリだ!! 髭剃りは途中のトイレで良いか、寝ぐせも……朝食はコンビニで……うわ! 出ないと間に合わねぇ!!」

 シャツとスラックスを急いで着込むとジャケットを引っ掛ける。ネクタイと鞄を取っ掴んだ俺は、大慌てで家を出た。

 〇俺 VS ×五月病 1時間15分47秒 決め技:腕ひしぎ十字固め
405この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/20(日) 06:23:34.97ID:E1UI/waP
>>386
紛糾しすぎだろw 386氏の選択は『母』『魔法』『芋焼酎』、言葉は誰がために鳴る〜
さあ、正体不明の瓶を抱えて息子が外出だ〜、『母』を捜して五里霧中〜、スーパー、公園、しかし周りは裸の大将を見る目なんだがw
警官に、体ゆすられ明かされる、子の境遇と母の愛飲した『芋焼酎』〜、母の背景にあったのは、生活苦と逃避先の焼酎かー
酒瓶うけつぐ息子の窮地を救うのは、逃げた母による『魔法』のコトバ〜、別れの言葉を母よ、なぜ子には宛てずに書いたのか〜、いやそうじゃねえ、子の限界を知る母だからこそ、子に言葉を届かせぬのだ!
息子が母の喪失を知ったなら、きっと生きてはいられまい〜、ギリギリの母の選択は、何も解らせずに消える母性道〜、苦悩に打ちのめされた母が、道を違えても子と生きることを選択した、アンノーマル母子・決別ENDだァ!!

>>404
プロレス小説が『対決』『五月病』『サブミッション』を選んでリングイン! オン・スプリング・モーニング・ストーム!
さあ、ロープを使って跳躍し、空を舞う俺君が登場〜、ボディプレスをスカったあとにやってくる、問答無用のストンピングをよけまくり、足を捕らえて仕留めるのか〜
熱い、熱いぞ、絡んだ闘士たちのプライドが激突するぜ、腕をこじ開け、これで、『サブミッション』が、決まりだァ〜↑
って、ここで俺君がマットレスから飛び降り、パジャマを放り投げる!? 物語は緻密にバトルを描いた前振りを活かし、決めてくれたぜ起床オチ!w 『五月病』との戦い1時間15分47秒!
春眠暁を覚えず、処処啼鳥を聞く、夜来風雨の音、花落つること知る多少〜、あと五分、あと五分と引き延ばす戦いは今日も我が方の勝ち〜、404氏がお題を消化し、日本各地、朝方の戦いに華を添える、応援歌ENDだ!
2018/05/20(日) 12:09:41.17ID:BxUtdgl3
>>386
話の内容は凄く好きなんだけど、1点だけ引っかかった。

ずばり
「オチに対する伏線が皆無」
なんだよ。

この作品のミソは終盤でのタネ明かしだと思うんだけど、
序盤で、それを想起させるアイテムや描写が乏しい気がした。
(勘のいい>>387氏はすぐオチが読めたらしいが)
俺にはこれというヒントは見つけられなかった。
もしかして「目尻にシワを寄せた母」がそうだったのかと思い直したけど、
今時高齢出産なんて珍しくないから、ちょっと弱いかな。

で、結局、最後でタネ明かしされてモヤモヤが残ってしまった。
もしヒントが設置してありば、「あれはそういうことだったのか!」
と読み終わった時に爽快だったと思う。凄く惜しい。

読者にバレないように伏線張るのって難しいけど、何か良い方法
なかったかな?
2018/05/20(日) 12:13:07.25ID:BxUtdgl3
あと、上でも言われてるけど、一人称なのに主人公の言葉選びのセンスが
理知的でヘンな気がした。
是非「アルジャーノンに花束を」を読んで参考にして欲しい
2018/05/20(日) 12:18:06.25ID:U62M5XgX
>>405
感想有難うございます
まぁ、一点突破のアイデアオチではありますがw
五月病で何か書けないかと思索していて、唐突に思い付いたネタです
409この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/20(日) 12:19:05.34ID:aST9SdY/
オマイラ、「商業」作家様の書いたものにケチをつけるなぞ
一億と二千年早いわw
2018/05/20(日) 14:40:16.16ID:ys+bZJYX
ホラー書こうと思ってうんうん唸ってるうちに日曜日になってしまった。やっちまったい
もう手遅れだから今回は諦めて次回のお題でがんばろう・・・
2018/05/20(日) 21:47:25.88ID:U62M5XgX
>>351
使用お題:『母』『魔法』『芋焼酎』

【女房酒】


 古今東西、酒は百薬の長と言います。確かに嗜む程度であれば良薬となりますが、浴びるほど飲んではその薬効も毒に成る。
 しかしここに、「酒はクスリ成り、故にいくら飲んでも構わんのだ!」と言ってはばからない長介と言う男がおりました。

「これは、魔法の酒瓢箪なんですよ」
「魔法の?」

 怪しげな露天商の売り口上。ですが、そこは大の酒好き、足を止めてしまう。

「へいへい、『汲めども尽きぬネクタール』とも言いますが、この瓢箪は酒が尽きる事なく湧き出す魔法が掛かっております」
「へ、へぇ!! ……しかし、本物かい?」
「本物ですとも」

 そう言って露天商はちゃぽちゃぽと瓢箪を揺らす。音からすればコップに1、2杯も注げば無くなるだろう。
 次いで露天商は切子を取り出すと、瓢箪の口を傾ける。
 とくとくとく、と酒が注がれ、辺りにはアルコールの香りが漂う。
 長介がゴクリと喉を鳴らした。
 露天商はニヤリと嗤うと、その酒を呷る。

「いやぁ、甘露甘露! 上級の酒だ!!」

 そうして続けざまに、2杯3杯と次々に飲み干した。
 面白くないのは長介。大の酒好きが人の飲むのを見ているだけなのだ。ゴクリと喉を鳴らしながらも忌々しそうにそれを眺めていた。

「さ〜て、おたひ合い、随分と飲んだ訳れすが、瓢箪の中身はろう成っているれひょう?」
「そりゃ嫌味か! お前ぇが全部飲んじまっただろうが!」

 ニヤリと嗤う露天商。先程と同じ様に瓢箪を揺らす。

 ちゃぽちゃぽちゃぽ……

「!!」
「はい! このとほり、尽きるころなく、入っております」
「そ、そいつは、おいくらだい? 買う気はねぇ、買う気はねぇんだが、参考までにな?」

 露天商が指を5本立てる。

「五十万……」

 長介が眉根を寄せる。確かに欲しい。しかし、流石に高すぎた。

「ほひて、この瓢箪にはもうひろつ秘密がありますしてね? なんと、入れる物ひよっへ酒の味が変わるんれすよ」
「な、何ぃ!?」
「こうひて葡萄を入れると……」

 露天商が瓢箪の口に葡萄を近づけると、ひゅんっと葡萄が吸い込まれ、傾けた瓢箪から紫色の液体が。

「この瓢箪一本が有れば、へかい中のありとあらゆる酒がろめるわけれす」

 ******

 長介は大事そうに瓢箪を抱えると、安アパートに帰って行く。築80年はくだらない、風呂無しトイレ共用のアパート。
 家賃だけは安いその一室に、長介は妻と二人で住んでいた。
 流石に安い買い物ではない。妻に文句を言われない様にと長介はこっそり中を覗き込む。
2018/05/20(日) 21:51:51.92ID:U62M5XgX
【女房酒】(2/3)


 どうやら彼の細君は居ないらしい。妻が居ない事を良い事に、早速コップにワインを注ぐとそれを飲み干した。
 二杯、三杯と一頻り飲んだ長介だったが、さてそれじゃあと、味を変える事にする。
 ワインも良いが、長介としてはやはり日本の酒が飲みたい。だが、家にあるのは蒸し芋くらい。
 先週、妻の芳子が「安いから」と買って来た大量のサツマイモ位しか食べる物は無かったのだ。

「仕方ねえ……芋焼酎で我慢するか……」

 そう言って長介は瓢箪の口にサツマイモを近づける。

 ひゅん。

「おお!! 入った入った! しかし、こりゃ不思議なもんだ!! じゃ、早速」

 いそいそとコップに瓢箪を傾ける。先程と違って、瓢箪からは透明な液体。そして焼酎特有の香りが辺りに漂った。
 長介は縁ギリギリまで焼酎を注ぐと、啜る様にして飲んだ。

「くあぁ!! こりゃ美味ぇ!!」

 その味は確かに芋焼酎に成っていた。注いでは飲み、注いでは飲み。
 強かに飲んだ長介、不意に体をブルリと体を震わせる。

「うおっと、御不浄、御不浄っとこりゃぁ」

 ふらりと立ち上がった長介はそのまま千鳥足でトイレへと歩いて行った。

 ******

 丁度入れ替わりで、長介の妻、芳子が帰って来る。その肩には米の袋。この所、芋ばかりだと文句を言っていた夫の為に、隣町の米屋から古米を格安で売って貰って来たのだ。

「ふー、ただいまっと……ありゃ、あの宿六、帰ってないのかい?」

 部屋の中を見回せど、長介の姿は見えない。だが、その酒の匂いだけは消える事は無かった。

「……帰っては来てるのかい、てぇ事はトイレかね?」

 そう思ってもう一度、部屋の中を見回すと、見慣れない瓢箪が一つ置いてある。芳子は眉根を寄せると溜息を吐いた。

「また、新しい酒を買って来たのかい、全くしょうがない……口も閉めてないじゃないか。本当にどうしようもない男だよ」

 やれやれと首を振りつつ、芳子は瓢箪の口を閉めようと踏み出す。

「ありゃ」

 流石に隣町から歩いたのが足に来たのか、それともコメの袋を担いでいた為バランスを崩したのか、芳子はそのまま倒れ込んでしまった。

 ……瓢箪に向かって……

 ひゅん。
2018/05/20(日) 21:59:03.35ID:U62M5XgX
【女房酒】(3/3)


 ******

 しばらくするとトイレからフラフラと千鳥足のまま長介が戻って来た。
 部屋に帰ると一面にばら蒔かれた米。見れば足元に米の袋もある。
 ハハア、かかぁが蹴っつまずきやかったな? と思うものの、そこは酔っぱらい。妻が居ない事に疑問は抱かない。
 むしろ、妻が居ぬ間になんとやら。意気揚々と一人飲みを再開する。

「しっかし、ぶちまけるだけぶちまけて放っとくたあ、全くしょうがねえ母ちゃんだ! ……うん?」

 とくとくとコップに注ぎ、ぐいっと呷る。するとどうだろう? 先程とは風味が全く違う。
 はて、何で味が変わったんだと訝しむ長介。周りにばら蒔かれてる米。おそらく蹴っつまずいたのだろう自分の女房を思いだし、長介は真っ青に成った。

 ******

 長介の部屋の前は、今は人が集まっていた。部屋の主である長介がわめき散らし、支離滅裂な事を叫んでいるからだ。
 駄々っ子の様に四肢をバタつかせながら、狼狽し、泣きわめく長介に、声をかける者がいる。

「おやおや、どうしちまったんだい? お前さん」
「俺ァもう駄目だぁ。飲んじまったんたよぉ」

 瓢箪を指差し、オイオイと泣く長介。だが、そんな事は何時もの事だろう。それとも、禁酒でもしようと思ったのか? だが、様子を見ているとそう言う訳でも無いらしい。

「飲んじまったって、今更かい? 何時も飲んだくれてるじゃないかい」
「ちげぇ、違うんだよ、飲んじまったのは酒じゃあねぇんだ」
「じゃあ、何をだい?」

 そんな長介に首を捻る。正直、何が言いたいのか分からない。と、その次に彼から出た言葉は更に訳の分からない言葉だった。

「母ちゃんだよぉ。俺ァ母ちゃんを飲んじまったんだよぉ」
「あたしをかい?」

 長介を宥めていた……芳子は目を丸くする。

「そうだ! お前をだよおぉお。俺ァあ、酒を飲んでこんなに後悔したこたぁねぇ! お前を愛してた! お前が居なきゃ、俺ァ生きて居られねぇんだ!!」
「ちょ、ちょっとやだねぇ、こんな所で何言ってんのさ!! ほらほら、ご近所迷惑だよぉ、とにかく中に入りなさいな」

 突然の告白に芳子は顔を赤く染めながらも、長介の背を押し、ご近所さんに頭を下げて、部屋に戻った。

 ******

「へぇ!? じゃ、じゃあ、お前は別に瓢箪に中に入っちまった訳じゃねぇのかい?」

 無理やり部屋に押し込み、何とか長介を落ち着かせた芳子は、彼女の居なかった時のあらましを話す。
 芳子がこけた後、その音でびっくりした下階の大家が心配して様子を見に来たのだそうなのだ。そして、足を抱えて蹲る芳子を見て、治療をする為に自室へと運んでくれてのだと言う。

「瓢箪の中にって、そりゃ、何処のエテ公の話だい……あたしは、そんな物の中になんて入りやしませんよ」
「……そりゃそうだが……」

 実はどんなに大きな物でも入ってしまう魔法の瓢箪なのだが、その事は、黙っている事にした。そうなると味が変わったのは、その拍子に米が中に入ったからだろう。
 今は幸運にも避ける事が出来たが、何時また、そう言った事が起こらないとも限らない。

「なぁ、母ちゃん」
「何だい?」
「俺ァ、今日限り酒は止める」

 長介の一大決心。しかし、芳子は「出来ればよいやね」と、聞き流し、片付けを始める。
 だがこの宣言通り、長介はその後、酒を一滴も飲まなかったと言う。
2018/05/20(日) 22:01:17.42ID:U62M5XgX
一番最初に分割表示を入れ忘れていましたorz
2018/05/20(日) 22:02:14.23ID:TK0eVxdq
お題『対決』『母』『5月病』『魔法』『サブミッション』『芋焼酎』締め切り

【参加作品一覧】(1/2)
>>355【母子バトル】
>>357【二人の魔法使い】
>>361【やるキー】
>>367【戦争は最大の利益を生む】
2018/05/20(日) 22:02:36.29ID:TK0eVxdq
【参加作品一覧】(2/2)
>>376【母は強し】
>>386【無題】
>>404【お題でオチバレしているよね】
>>411【女房酒】
2018/05/20(日) 22:05:10.09ID:TK0eVxdq
お題安価>>418-424

とりあえず傍観の形でいましたが、スレが荒れたときは皆さんNGでお願いします。オープンならアク禁が使えるんですが。
418ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
垢版 |
2018/05/20(日) 22:18:04.90ID:Ds/idAz3
逆上がり
2018/05/20(日) 22:25:21.18ID:ubJUL0u7
了解です

お題は『雨』で
2018/05/20(日) 22:26:17.03ID:Ww7ZKTsc
スルー了解しましたー
『女装』
421この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/20(日) 22:36:01.72ID:G5VCBNiH
『音楽』
2018/05/20(日) 23:01:03.31ID:qfMftPa2
>>418
そのコテハンで来られると荒らしもついてくるとあれほど……

『悪魔』
2018/05/20(日) 23:05:10.21ID:OkrEzvt1
スルー力が試されるとき
『同性愛』
2018/05/20(日) 23:20:37.61ID:en/3k53S
その人そういうの気にする人じゃないから無駄無駄無駄ァッ!
『ガソリンスタンドl』

たまに波が立つくらいだろうからスルーが一番
2018/05/20(日) 23:33:44.42ID:TK0eVxdq
☆お題→『逆上がり』『雨』『女装』『音楽』『悪魔』『同性愛』『ガソリンスタンドI』より三つを選択
※二つ以下、四つ以上は不可

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→5/27の22時まで

☆スレが荒れる懸念があるため、今回の投票実施は見送ります。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください。】
2018/05/20(日) 23:55:14.02ID:ubJUL0u7
前に書いてからちょっと間が空いたから書いたやつだったから今回の投票楽しみにしてたけど、しゃーないか……。
2018/05/21(月) 00:27:30.26ID:5W9S9PPJ
荒らしさえ来なければ…
2018/05/21(月) 00:37:58.16ID:MA68/6jJ
ごめんね、正直俺もどうすればいいのか考えあぐねているところはある
頼りない進行で申し訳ない……

応援したい作品がある人は「良かった」の一言でもいいので作者さんに送ってあげて下さい
429この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/21(月) 07:17:21.13ID:Tx1Zy45Q
>>411
前回お題の締めを演じる〜、選んだのは『母』『魔法』『芋焼酎』、スーパードランカーと酒瓢箪!!
さあ、アル中の長さんが見つけるは、酒尽きる事なく湧き出す『魔法』の瓢箪、お値段なんと50万を一も二もなくお買い上げw
ダイソン並みの吸引力を持った瓢箪からは、葡萄でワインが、サツマイモで『芋焼酎』が生まれるぞ〜、西遊記を思い出したぜ
そこへ来た嫁が蒸発して話は暗転!? あいつが瓢箪に飲まれちまったと嘆く長さん〜、しかしご安心めされい、無事に奥方が顔を見せる〜
『母』ちゃん俺ァ、酒を止めるぞ〜! 酒に飲まれた長さんが、真人間へとカムバック〜、大事ほど近くにありて気付かぬものよ、嫁と酒とを引き比べ、瓢箪を教訓にしたちょっとイイ話が心温めお題を消化し、家内安全、断酒成功フィニッシュだァ!
2018/05/21(月) 07:44:23.87ID:GjQ5s85H
>>425

>>411【女房酒】 に一票。そういえば落語風の短編なかったな、と思ってたところに良いのが来たから
2018/05/21(月) 08:59:18.19ID:VeYV6uib
>>429
感想を何時も有難うございます
少し説教っぽく成っちゃったかな? とはおもったのですが、そのまま通しましたw
この手の小咄風短編を書くときは何時もですが、今回も大量に削っています

>>430
有難うございます
2018/05/21(月) 15:45:46.68ID:6X6qDync
>>411
面白い。ただ、感動しないし腹を抱えて笑えることもない。
普通の作品としては良くできている。

野暮なことを言うが、日本語のミスや鼻に付く表現が一つもないこと、自然なことに驚いた。
ここでは考えられないことなのだが、おそらく本職だろう。中々のものだ。
2018/05/21(月) 17:21:39.82ID:6X6qDync
もし俺を疑うなら、ちゃんとした作家に「私の文章を読んで正しい日本語だと思うか、率直に感想をお願いします!」
って必死で土下座して頼めよ。
それで太鼓判を押してもらったやつは問題ない。

でもお前ら土下座する位なら死ぬとか、変なプライド持ってるだろ。
言われたら反論するかもしれんしな。ダメだそれじゃ。

それが面倒なら、俺がダメ出ししたら認めろ。自分が失格してるって。

褒められたらそりゃ勿論喜べるが、褒めあって何もしないなら意味がないどころか、
正しい行動をする機会を失ってるわけだから褒めること自体が有害だといえる。

お前らがやってるのは何の意味もない戯れだし、これをやってて成長するなんてことはおそらくない。

わかったか。馬鹿。

というよりもな、お前ら、結局俺が何を言っても荒らしだと言って、受け付けないだろ。
その精神性も、精神のみならず、行動も、ダメだ。

わかってるよな、自分達の至らなさを。直すべきところがあるということを。
それなら、言われたら改善しようと取り組めよ。

そういう発想があれば、書くなんてことは自分にはまだ早いって発想になる筈なのに
何考えてるのか、全然わからねえ。アホなのか、それも才能なのか。

直せ。今日から改善しろ。反省して、自分がつまらないものを書いてると思って
それでも書き続けるか、まずは基礎練として、本を読むか、どっちかだろ。

何やってるんだお前らは。不甲斐ないぞ。
2018/05/21(月) 17:22:12.75ID:6X6qDync
間違えた。ごめんね。
2018/05/21(月) 18:24:52.01ID:VeYV6uib
>>432
感想有難うございます
短い文で感動させる事の難しさは実感しています
ただもう、それに関しては習練あるのみなので、今後も精進します
2018/05/21(月) 22:39:06.23ID:GjQ5s85H
>>425 うーん、いまいちキレが悪い・・・

使用したお題:『音楽』『悪魔』『同性愛』

【悪魔の音楽会】

 悪魔は問うた。

「お前の願いをなんでも一つ叶えてやろう。ただし、その対価としてお前の魂をもらう」

 女は答えた。

「私は感動する音楽を奏でたい。ピアノの技術だけはあるが、私の音楽には心が欠けている」

 悪魔は応えた。

「その願い、叶えよう」

 こうして女のピアノは数多の人々に感動を生み出した。
 細い指先から奏でる音楽に、聴衆のすべてが魅了された。誰もが彼女を最高の演奏家だと称えた。

 女はそれに深く、深く満足した。だから悪魔に声をかけた。

「ありがとう、おかげで私は満ち足りた。魂を持っていってちょうだい」
「……一つ聞いていいか?」

 悪魔は戸惑っていた。
 過去、悪魔と取引を願った者は数多いるが、大抵、嫌だ嫌だと喚き散らすか、生き汚く悪魔払いを試みるか、契約の不備を訴えようとするのが常だった。
 こうも嬉しそうに自らの魂を差し出す者はいなかった。

 悪魔がそう説明すると、女は小さく笑いながら答えた。

「私はピアノが大嫌いだった。親に押し付けられて、無理やりやらせられて、常に苦痛だった。ただ適正だけはあったのか、練習すればするほど上手になった。それが余計に嫌だった。
 大嫌いなのに上手だと褒められ、苦痛なのに正確な演奏を強いられ、不愉快なのにたくさんの賞をもらった。ただ楽譜通りに正確に鍵盤を叩いているだけなのに。
 でもある時、小さな女の子のピアノを聞いた。初歩の初歩の楽曲で、練習が足りないのか音が全く足らず、ただ乱雑に音が鳴っているだけの音楽だった。でも私はそれを聞いて、感動した」
「なぜだ?」
「すごく楽しそうだったから。すごく嬉しそうだったから。その少女の音楽はへたくそだったけど、とても色鮮やかに思えたから。
 だから私はその音楽を聞いて初めて真似したいと思った。初めて自分で楽しい音楽を引いてみたいと思った。でもできなかった。
 正確な演奏をするように何度も練習してしまった私は、楽譜をなぞることばかり意識がいって、楽しく心のままに演奏するということができなくなっていたから」
「だから私に願ったのか?」
「そう。あなたのおかげで私は人を感動させる音楽を奏でることができた。自分が満足するくらい楽しいピアノを弾けた。だからもう満足。私の魂は、あなたに差し上げます」

 女は覚悟を決めた、というには柔らかい表情を浮かべて、悪魔にその魂を捧げようとした。悪魔は女の説明に納得し、理解し、そして何より戸惑った。
 不愉快極まりない、というしかめっ面をして悪魔はこう答えた。

「契約はまだ為しえていない。感動する音楽を奏でたいというお前の契約だったが、肝心の私が感動していない。だから悪魔の私が感動するまで、お前の魂はまだもらえない」
「悪魔のあなたが感動することってあるの?」
「それは知らない。だが、感動する音楽を奏でたいというお前なら、そのうちできるんじゃないか?」
「なんでそんな提案をするの? 何も言わずにさっさと奪っちゃえばよかったんじゃない?」
「私だってそう思う。だが、なんとなくもう少しお前の音楽を聞いてみたいと思っただけだ。勘違いするなよ?」
「もしかして、私に惚れた?」
「女同士なのにか? ばかばかしい」

 そんなやりとりを経て、二人はしばらく一緒に暮らし続けた。
 女はその後、悪魔に取りつかれた天使の音楽家と呼ばれるようになったそうな。
2018/05/22(火) 00:31:23.57ID:Otdgam9Q
悪魔と二人三脚と言うところですか
純粋な願いが悪魔を変節させたのでしょうね
素敵なお話だと思いました
438この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/22(火) 07:48:00.18ID:oTJPJfER
>>436
『音楽』『悪魔』『同性愛』消化を宣言〜、カモン、デビルズ・ディール!
感動する『音楽』を奏でたい〜、そのピアニストの切望は、色鮮やかなる演奏、オンリー! 
欠けたピースを埋めてやろうと『悪魔』の提示する取引は、古今東西、魂との交換だ〜、思ったとおりに聴衆魅了し、ピアニストが満足げに死を申し出る〜
しかし彼女の境遇にほだされた悪魔が、ムリある言い訳でこれを拒否〜、なんだ惚れたか、いや『同性愛』じゃねーしと返す悪魔に、おまえ地味に女だったんかオチw 難度が高いお題消化〜
悪魔が見届けたくなったのは、ピアニストの演奏か、それともその喜び溢れる人生か〜! 取引、それすなわち交換、人の魂の充実が乾いた悪魔の魂をも浸し、訳も分からず取引成立w 奪うつもりが与えられ、笑い溢れるwin-win、二人暮らしENDだァ!
439この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/22(火) 10:45:18.09ID:c1YD5A1Z
小説かあ、しょうもないのしか思いつかない…
440この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/22(火) 14:04:34.81ID:u8wg4zB3
>>437 >>438
いつも感想ありがとね。優しい感想さんと競馬実況さんと進行さんはスレの大黒柱です

>>439
しょうもないのでもええんやで。というかしょうもないの禁止にしたら、今まであげた自分の奴が大半ダメになっちゃうorz
441この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/23(水) 20:24:03.78ID:GErhMlXT
今週は作品少なそうだな
442この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/23(水) 21:27:01.49ID:2jNSz6k5
『ガソリンスタンドI』

この「I」は何?
2018/05/23(水) 21:34:59.62ID:4Nc9X9y+
>>442
あ、ごめん打ち間違えです無視してください…
2018/05/24(木) 07:17:56.49ID:NGlVF8iP
>>425 使用お題:『逆上がり』『同性愛』『女装』

【メイドリフレ『とろい』】(1/3)

 健司は重い上体を持ち上げて眠りから覚めた。いつの間にか机に突っ伏して寝ていたらしい。
時計を見ると時刻は午後3時を回っている。昼食を摂った後に寝たとすると2時間以上も昼寝をしていた事になる。
ずっと曲げられていた腰を伸ばすとポキポキと音を立てて痛み出した。
 ケータイがバイブレーションで机をたたきながら鳴っている。
セットしていたアラームが鳴っているだけだと思った健司だったが、着信時のメロディだと気づくや否や
急いでケータイをひったくり、いつもの決まり文句を口にした。
「お電話ありがとうございます。メイドリフレ『とろい』でございます」

 東京都内を中心にひっそりと営業している派遣型メイドリフレ、それが『とろい』である。
お客様、もといご主人様から電話を受ければすぐさまご希望のメイドを派遣してマッサージやお部屋の片づけ、
料理や耳かきなどをするのが主な業務内容である。愛想の良いメイドたちの丁寧な仕事ぶりのおかげで競争激しいこの業界を生き残り、
ついに来年で設立10周年を迎えることになっている。
 健司は『とろい』のそんな実績に惹かれた。長く働き続けることが出来、かつ綺麗な女性に囲まれた職場を探して就活をしていた時だった。
『とろい』はまさにうってつけに思われた。しかし働き始めてからすぐに『とろい』の抱える大きな問題にぶつかった。
 健司が入社したときに簡素な入社式が行われた。しかしいくら待てども期待していた綺麗な女性は姿を現すことが無く、
結局最後までオーナーと二人っきりで行われた。不思議に思った健司がオーナーに聞くと、従業員は健司一人しかいないと言われた。
去年まで働いていたメイドたちは結婚や引っ越しで辞めて行き、運転手をしていたアルバイトも就職を機に辞めて行ったそうなのだ。
人材不足というレベルではない。すぐさま辞めてしまおうと思った健司だったが、
「逃げたら殺すぞ」
とヤクザ顔のオーナーに脅されて辞めることが出来なかった。本当に殺されそうな気迫だった。
 仕方なく嫌々働くことに決めた健司は、手始めにまずメイドの募集をかけてみた。とにもかくにもメイドがいないとお話にならない。
ネットの掲示板に書き込んだりビラを作って配ってみたり、ナンパのごとく直接声をかけてみたりもした。
しかし薄給でイロモノの求人に一体だれが飛びつくだろうか、若い女性は誰一人やってこなかった。
 何一つ仕事が出来ぬまま一月が経った。
 健司は悩んだ。このままではノルマが達成できずにオーナーに殺されてしまう、しかし肝心のメイドすら集まらない。
この状況を打破するためにはどうすればよいか。悩んで悩んで悩み抜いた末に、ようやく一つの決断をした。
 自分がメイドになればいい。
2018/05/24(木) 07:18:47.59ID:NGlVF8iP
【メイドリフレ『とろい』】(2/3)

 コインパーキングに車を止めた。スマホを見ると時刻は午後4時55分、そして地図アプリを見ると待ち合わせ場所まで歩いて5分。
時間ぴったりだ。健司はルームミラーで軽く身だしなみをチェックして車を降りた。
 約束の公園に着いたものの人影はなかった。場所を間違えたかなと健司がもう一度依頼内容を確認しようとした時、
ベンチで頭を抱えている男がいることに気が付いた。半袖長ズボンのガタイのいい体、電話口の野太い声から想像された印象通りの男である。
健司はこの男こそ今回のお客さんに違いないと決めて声をかけた。
 男が顔を上げた。健司は何度も練習した自己紹介文を口にした。
「お待たせいたしました。『とろい』から参りました『さくら』と申します。本日はよろしくお願いしますね、ご主人様」
「おお、これはこれはご丁寧に。こちらこそ、今日はよろしくお願いする」
 男はベンチから立ち上がり丁寧に頭を下げた。そして視線を上に下に動かして健司の姿を眺めまわした。
 『さくら』というのは『とろい』でも1、2を争う人気メイドだ。ストレートな黒髪で落ち着いた雰囲気を醸しながらも
スカート丈の短いメイド服で大胆な一面も併せ持つ。仕事も丁寧で性格も優しいと数々のご主人様からお褒めの言葉をいただいている。
健司が女装しているという汚点に目をつぶれば完璧なメイドだ、じろじろと見てしまうのも無理もない。
「ではご主人様、本日は何をいたしましょうか? 何なりと、このさくらにお申し付けくださいませ」
 必死で練習したソプラノボイスで健司は言った。男は「うむ」と偉そうに答えるとつかつかと歩いた。歩いた先にあったのは鉄棒だった。
「さくらちゃんには、逆上がりをやってもらう」
 男は言った。
 健司は悟った。この男、スカートの中を見るに違いないと。『とろい』は風俗店ではないから体の接触やあからさまなエロ目的のご命令はお断りしている。
しかし中には高い所の物を取らせたり風が強い日に外を歩かせたりしてエロを求める客が後を絶たない。
「心配するな、パンツを見たりはしない。むしろ逆だ」
 健司の心の中を見透かしたように男が言うと、逆上がりをさせる理由を語りだした。
 男は高校で体育の教師をしているという。普段は男子の相手をしているのだが、どうしても他の教師の都合が合わなくて
来週の1時間だけ女子の体育を受け持つことになってしまった。その時に教えることになっているのが鉄棒なのだ。
「最近の女子たちの発育は大変にけしからん。いや、健康であるのは良い事なのだが何分目のやり場に困る。
万が一その体に欲情してイチモツが反応してみろ、学校中の笑いものになってしまう」
「なるほど、欲情せずに授業をするための予行演習がしたいという事ですね? 分かりました。このさくら、一生懸命お付き合いいたします」
「俺の教員人生がかかっているのだ。改めてよろしく頼む」
 こうして『さくら』こと健司によるご奉仕の時間が始まった。

 健司は鉄棒をつかんだ。状態を前後に揺らしタイミングを計る。心の準備が整った瞬間、意を決して走り出すように足を前へ繰り出した。
腕で鉄棒を胸に引き寄せるようにし、そして強く地面を蹴った。
 産毛一本無いほどに手入れされた健司の綺麗な両脚が空に向かって高く上がった。短いスカートがふわりと翻った。
 くるりと回って健司は地面に降り立った。文句無しの逆上がりだった。
 しかし男は不満げな顔をしていた。
「なんだぁ、さくらちゃんは元々逆上がりが出来るのか。これでは教える練習が出来ないじゃないか」
 男はため息をついた。
「申し訳ございません、私こう見えて運動は得意なんです。しかしながらご主人様、そちらの訓練ならば出来るかと」
 さくらは男の体を指さした。男の股間がもっこりと膨らんでいた。
「あぁ、いつの間に! これは失敬、すぐに落ち着けるからちょっと待っててくれぃ!」
 男は急いで背中を向けると、何やら必死に手を動かし始めた。
コイツまさかこんなところで慰めているのか、健司は頭によぎったおぞましい考えをなんとか振りはらおうとした。
「しかしまずいな。一度見ただけでここまで反応してしまうとは。やはり女子の体育は自習にでもしたほうが良いのだろうか」
 手を動かしながら男は言った。行動とは裏腹に言葉のトーンは沈んでいる。
 時間も場所もわきまえずに本能のまま反応してしまう体、その厄介さは健司も男だからよく分かった。それに真面目な男の事だ、
きっとメイドリフレに電話するのも勇気を要したことだろう。そう思うと健司は背を向けてシコる男が不憫に思えてきた。
 健司は一考した。
2018/05/24(木) 07:19:31.31ID:NGlVF8iP
【メイドリフレ『とろい』】(3/3)

「ご主人様、こちらをご覧くださいませ」
 健司の声に男は気落ちした顔を向けた。
 健司はスカートの中に手を入れた。そして下着を足下までするりと一気に下ろし、足から引き抜いた。
放り投げられたピンクのパンティーは風を受けてベンチに届かずにひらひらと地面に舞い降りた。
「な、何をしているのかね、さくらちゃん!」
 立ち上がった男の股間は再び勃ち上がっていた。
「よろしいですか、ご主人様。私は今からこの状態で逆上がりをいたします。どうかその時の光景を目に焼き付けてくださいませ」
「馬鹿な! そんなことをしては、君の大切な場所があらわになってしまう! 私の暴れん棒はさらに元気になってしまうぞ!」
「女子高生の肢体よりも過激な光景を目にすればきっと耐性がつくはずです。そうなれば本番では冷静でいられるでしょう」
 男は腕を組んで考えだした。股間のせいで珍妙に見える。
「荒療治だな。だがそうでもしなければ治まりそうにないのも確かだ」
「心の準備が出来ましたら、どうぞ私の前へ」
 男は大きく深呼吸した。恭しく健司の目の前へ行き仁王立ちした。
その顔は険しく、大きく開かれた目は健司をにらみ殺さんとするほどの気迫を発している。イチモツの方は言うまでもない。
 そして男は合図を送った。
「では、参ります」
 健司は鉄棒を握る手に力を込めて、勢いよく地面を蹴った。再び脚が高く上がった。スカートも大きく翻った。
 その時、男の眼前にいかなる過激な光景が広がったのか、回る健司は知る由もない。
しかし再び地面に降り立った時に見た男の驚愕の顔とすっかり縮こまった股間を見れば、どういう結果に終わったかは想像に難くなかった。
これで授業はちゃんと出来そうかと健司は聞いたが男は口をパクパクさせるばかりで何も答えず、
同様隠し切れぬままに時間分のお金を払って去って行った。
 こうしてご奉仕の時間は終わりを告げた。

 3日後。事務所にて退屈しのぎにパソコンをいじっていた健司は、『とろい』のホームページに書き込みがある事に気が付いた。
『さくらちゃんのおかげで無事に仕事をこなすことが出来ました。本当にありがとう。またお願いします』
 匿名希望からの書き込みだった。しかしわざわざお礼メールを書き込むあたり、十中八九あの真面目な男だろう。
女子高生が逆上がりをするたびに目に焼き付けたち〇こが思い出されて元気を無くしたのだろうなと考えると少し可愛そうだったが、
無事に済んだのならば結構なことである。健司は簡単に返事を書いた。
 嫌々やらされることになったこの仕事だったが、健司はすでに3か月近く続けている。単にオーナーが怖いからというだけではこうはいくまい。
たまに訪れる人の役に立てる喜び、ご主人様たちの感謝。健司は徐々にこの仕事の楽しみを見つけ出しつつあった。
 しかし男の書き込みで一つ気になる点があった。リピートするような男ではないと考えたのであのような愚行に及んだと言うのに
『またお願いします』とは一体どういうことだろう。ひょっとして彼を同性愛者へと導いてしまったのかと考えると背筋に寒気を覚えた。
やっぱりこの仕事は早く辞めたほうが良い、健司は改めてそう思い直した。
 ケータイが鳴った。バイブレーションで机をけたたましく机をたたいている。健司は急いでケータイをとり電話に出た。
 果たして次のご主人さまは一体どんなメイドをご所望なのか。ドキドキしながら、健司はいつもの決まり文句を口にした。
「お電話ありがとうございます。メイドリフレ『とろい』でございます」(おわり)
2018/05/24(木) 07:50:58.85ID:R70OppPb
体を張った御奉仕
一生懸命な行動が実を結んだ結果が、感謝の言葉に成る
素晴らしいですね
でも、それ故に新たな懸念事項がw
2018/05/24(木) 11:55:13.83ID:1LqYctDK
 使用お題:『逆上がり』『悪魔』『同性愛』

 放課後、校庭の片隅にある鉄棒の傍へと、女の子は歩み寄る。そこに同級生の姿を見つけたからだ。

「ばったん、ばったんと新手のエクササイズ?」
「違うわ! さか、あが、りー! ああ……!」

 声を掛けられた女の子は、助走をつけ逆上がりを敢行するも、勢い空しく、半ばほどで失速してまたもやばたんと足を地面につく。

「何でまた放課後自主練なんて……。いいじゃん、逆上がりなんてできなくても」
「……体育の授業で華麗に逆上がりを決めたあんたが言っても、嫌味にしか聞こえないんだけど」
「あらそう。でも、ま、本当にできてもできなくても一緒だと思うけど」
「プライドの問題! ライバルのあんたにできて、私にできない道理はない!」
「……ライバル? 椎名と私が? なにそれ初耳。てか、現にできてないし」

 尤もな言葉に、鉄棒と格闘している女の子――椎名朱里はむっと眉を顰めて渋い顔つきになる。

「鉄棒の悪魔よ、鉄棒の悪魔が私の邪魔をしているのよ」
「鉄棒の悪魔? ピンポイントかつしょうもない悪魔がいるなあ。……むしろ、妖怪の方が合ってそう。妖怪、逆上がり阻止」
「ああー、枕返しとか、しょうもない妖怪多いもんね。まあ、悪魔でも妖怪でも、それを私にけしかけたのは榊に違いないけどね」
「なんでさ」

 とんでもない濡れ衣に、榊ひなたは、呆れたような声を上げる。

「ふっ、隠しても無駄よ。ライバルの私の評判を落そうとしているのは分かっているわ。――『あの子、来年には中学生になるのに逆上がりもできないのよ、ぷー、くすくす』って、言って回るんでしょ」
「ひどい奴だな、私。というか、私と椎名は何のライバルなのよ?」
「決まっているわ! 男子の人気を二分する、鳴北小アイドルライバルよ!」

 そんな朱里の言葉に、ひなたは恥ずかしげに頬を掻く。

「いやいや、アイドルって……。私、そんなモテナイし。男子に告られたこともないし」
「はいはい、そんなのいいから。『えー、私、モテナイですよー』的なアイドル発言いらないから。それに告られないのは当然よ。だって、あんたに告白しそうな男子は、全員私が潰して回っているから」
「椎名は本当にひどい奴だな!? ……っと」

 学校の敷地内全域に下校を促すアナウンスが流れる。

「ほら、もう下校時間じゃん。帰ろ」
「い、やー! 逆上がりができるまで、か、え、ら、な、いー!」
「いや、それ多分今日中に帰れないやつだから。ほら、帰るよ!」

 ひなたは無造作に朱里の腕を掴むと、ぐっと引いた。
 おやっと、ひなたは意外に思う。思いの外、朱里は抵抗なく腕を引かれるままに鉄棒から離れたからだ。
 二歩、三歩、四歩と鉄棒から離れてから、ひなたは朱里の顔を見る。

「……どうして顔真っ赤なの?」
「な、な、何でもないわ! 逆上がりのしすぎかしらね!? ちょっと頑張りすぎたみたい!」
「なら、やっぱり止めて正解じゃん。帰ろっか」

 ひなたは先にすたすたと歩き出す。しかし、朱里は立ち止まったまま。その場で囁くように呟く。

「どうしよう? ひなたちゃんにぎゅって腕を握ってもらっちゃった。……今日は洗わないでおこうかしら?」
「んー? 何か言った?」
「な、何でもない!」

 朱里は慌てたように、ひなたとの開いた距離を早足で詰めていった。
2018/05/24(木) 11:57:20.10ID:1LqYctDK
久しぶりに遊びに来ました
進行さんが変わったり、細かいルールが変わってるんですね
もし、どこかスレルールに違反してたら指摘して下さい
2018/05/24(木) 12:47:46.76ID:R70OppPb
>>448
ツンデレ少女w
意地悪するのはその独占欲のせいでしょうか?
いつか素直な気持ちを見せられると良いですね
2018/05/24(木) 20:21:33.11ID:a1wsuTum
>>425 これ書いててふと気づいた。自分ってたぶんすごいバカだ

【都市伝説「雨女」】(1/2)

『雨の降っている夜の公園に行くと、髪の短い女がびしょ濡れで笑いながら遊んでいるらしい。

 その雨女に見つかってはいけない。見つかると狂気に染まった視線を受け、呪いを受けてしまうそうだ。

 雨女を捕まえれば呪いを解くことができるが、その雨女は呪いをかけたあとものすごい素早さで逃げてしまうので捕まえることは困難だろう。だから夜の雨の公園には決して近づいてはならない』
2018/05/24(木) 20:23:57.93ID:a1wsuTum
使用したお題:『逆上がり』『雨』『女装』

【都市伝説「雨女」】(2/2)

僕はパンチラが好きだ。

 ……うん、わかるよ。エロい意味に思っちゃうよね。うわ、こいつ変態だって。
 そう考えるのが普通だし、僕もそういう下心が全くないってわけじゃないから否定はしないけど、ちょっと違うんだ。話を聞いてもらえればわかる。

 パンチラ、所謂パンティチラリズムというものに興奮するんだ、僕は。
 下着のうち特にパンツは他人に見えちゃいけない、でもデザインは本人の好みが反映されていて、でも本来は恋人や親しい人にしか見せないはずのものだ。
 それがチラりと見えたり、または見えずとも、見えそうで見えないギリギリのラインを描き出すその芸術性に惚れているんだ。決してエロい意味ではない……まあ変態な趣味だといわれたらその通りだと思うけど。

 だから僕は男のパンチラでも喜ぶよ? もちろん女性のパンチラがいいとは思うけど、その相手が色気のない妹やおばさんド直球の母親のものでも嬉しい。

 だけどさ、パンチラってそうそう拝めないじゃないか。
 男のパンチラはズボンを履いてる人がほとんどだから無理。女性ならスカートを履いている人が多いから、路上でのパンチラはワンチャンあるけれど、相手だって見られたくないから当然ガードが固くなる。
 短いスカート履いてるくせにパンツを見せたくないなんて変な話だよな。そう思わない?

 まあ、そんなわけでパンチラはなかなか滅多に見られない貴重なイベントシーンなんだ。だからこそ、どうしても見たくて見たくて……。
 それで我慢できなくなって、とうとう自分のパンツをパンチラすることにしたんだ。思いついたときは画期的な名案だと自画自賛したね!

 だから僕はごくまれに女装をしてパンチラの機会をうかがっている。
 とはいえ僕だってバカじゃない。いい年こいた男がスカートなんて履いてたらご近所の笑いものだ。下手するとネットで拡散されて人生終わるかもしれない。だから見つからないように工夫を凝らした。

 スカートの入手は簡単だった。母親のお古のスカートが処分される際にこっそり盗んだ。別に定期的に履くわけじゃないしデザインも気にしないから1着あれば十分だ。
 妹のスカートには手を出さなかった。サイズが間違いなく合わないだろうし、殺されたくないしね。

 次に手段。どうやって自分のパンチラを見るかだった。
 鏡を使う案やカメラで録画する案もあったが、どれもしっくりこない。鏡だといい角度に調整できず、カメラだと生で見られないためよろしくない。これだったらエロ本の露骨なパンチラの方がマシだ。
 うんうんうなって考えているうちにようやっと思いついたのが、逆上がりだった。近くの公園の鉄棒で逆上がりすると、たった一瞬だけど実にちょうどいい感じにパンチラが拝めるのだ。
 これに気付いたときは小学生以来やったことない逆上がりを、これでもか、というくらいグルングルン周りまくったね。

 そして最後は隠ぺい工作。これは覚悟さえすれば割と簡単だった。
 さすがにスカート履いた男が逆上がりなんてしてたら通報モノだろうよ。でもね、あの公園は雨が降ると誰も寄り付かなくなることを僕は知ってたんだ。
 だからずぶ濡れになる覚悟さえ決めれば、いくらでも回り放題だった。それに濡れて足にへばりつくスカートが実に良い感じのアングルを作ってくれたので結果は上々といえよう。
 ……その際、自分のすね毛が濡れて足にへばりついてる絵面が実に気持ち悪かったので、すね毛処理もするようになった。他人には見せられないな、これは……。

 閑話休題。まあこんな感じで、僕は自分の趣味を十全に全うすることができるようになったんだ。マジ最高の気分。

 ただ、この前知らない人に見つかりかけたから焦ったけどね。暗いから顔は見られなかったと思うけど、今度からよーく気を付けて公園に行かなきゃまずいね。
 それに、なんか変なお化けが出るって噂まで最近聞いてるじゃん? もう嫌だなぁ、僕お化けとか苦手なのに……。

 どうか、僕が逆上がりしているときは現れないでくださいね?
453この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/25(金) 05:55:57.09ID:1pzLSZTc
>>444
444氏が『逆上がり』『同性愛』『女装』を選択したぜ、ボーイミーツボーイ!
さあ、何の因果かヤクザの手先、この頃ハヤリの『女装』っ子、健司さんこと、さくらのお仕事ぶりを見ていくぞ〜
公園で頭を抱える男が言う、「さくらちゃんには『逆上がり』をやってもらう」、な、なるほど、世の中にはディープなご趣味がありますね、と思ってたら、
逆上がったメイドを見て、元気になったこの人、いやコイツ、まさかこんなところで、オイ何してるww そんでさくらは下着を外してって、オイw
物語は、まさかの『同性愛』に導いてしまったんじゃあるまいなオチでお題を消化ァ、そんなこともあるけれど、今日もお仕事〜、落ち込んだりもしたけれど、私元気です・ENDォ〜

>>448
ひさびさ登場448氏、使用お題は『逆上がり』『悪魔』『同性愛』、鉄棒の悪魔と秘めし恋〜
うん、この風景はどこか懐かしい、『逆上がり』と格闘する少女・椎名さんがライバルと張り合っている〜
鉄棒の『悪魔』が私を邪魔する、そんなニッチな悪魔がいるか、って感じで、漫才トークは快調に飛ばすぞ〜
さあ下校時間だ、腕を掴まれ抵抗しない椎名さんが、手を洗わないでおこうなどと、グヘヘ顔
寄り付く男を潰して回るってのは、あながちネタでもなかったのかw 448氏が『同性愛』発覚オチでお題をクリア、冗談の中にホンネを隠す、ほのかに切ないグヘヘENDに仕上げてくれたァ!
454この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/25(金) 06:08:37.33ID:1pzLSZTc
>>451
なんか変態作品の競争みたいになって来たな! 『逆上がり』『雨』『女装』に挑戦、見てはいけない都市伝説〜、
『雨』降る夜の公園で、びしょ濡れに笑う女が居たのなら、決して彼女に見られてはならぬ〜
さあ、タガの外れた主人公が、パンチラへの憧憬を熱っぽく綴っていく〜「僕は男のパンチラでも喜ぶよ?」←どういうことだクソッ、頭がおかしくなりそうだぜ
『女装』してパンチラの機会を窺う(なんだよコレ…)彼が思いついたのは自身を被写体にした『逆上がり』、マジでどういう発想ww
物語は、君が都市伝説だったのかオチ、いやでも都市伝説より君の方が怖いからね、って感じでお題を消化〜、淡々とした独白が都市伝説の恐怖を易々超える、恐怖をどけたら狂気が顔出す・マッドネスENDだぜ!
2018/05/25(金) 07:19:05.94ID:J6IlJya2
>>447>>453
感想ありがとうございます。
いくつか誤字ってましたが中々楽しくかけました。
また書いた際にはよろしくおねがいします。
2018/05/25(金) 07:21:33.64ID:wea4t8th
>>453
変わらず軽快でコミカルな批評をありがとうございます
ぐへへENDですかw
2018/05/25(金) 07:41:58.19ID:bAXcPsTz
>>451
『幽霊の正体見たり枯れ尾花』と、言う事だでしょうか?
もっとも、その正体自体が知らなければ良かった類いの物ですがw
458この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/25(金) 11:41:42.81ID:ku+C3d+F
みんな感想凄いなー
俺は「いいね」しか出てこない…
2018/05/25(金) 14:45:35.83ID:vifb9Nc3
>>458
すごくわかる。自分もライバル心は刺激されるせいか、皮肉げな感想か「面白いです」の一言になってしまう。
特に競馬風実況感想さんの手腕が凄いから見ることオススメ
2018/05/25(金) 17:48:19.13ID:vifb9Nc3
>>425 割とシンプルな内容かも

使用したお題:『逆上がり』『悪魔』『女装』

【キックオーバー】

 怖い、嫌だ、逃げたい、誰か、助けて。

 自分は心の中で叫び続けた。しかし声をあげることはできない。そんなことをして周囲から注意を買ってしまうのは絶対に避けなければならない。
 なぜなら、そう、ここは地獄だからだ。

 まず味方がいない。周囲は敵だらけだった。そしてわずかなイケニエが次は自分の番か、と涙しながら人ごみに隠れ潜んでいる。自分もまた哀れなイケニエの子羊だった。
 そして周囲の悪魔どもは容赦がない。その飢えた目は常にイケニエを求め続け、彼らの末路を見ては嘲笑っている。悪魔の親分でさえ、その視線は優しくない。

 しかし悪魔のくせに、妙に女子供には寛大なところもある。
 いっそ自分も女だったらよかったのにと思わなくもないが、女装したところですぐにバレておしまいだろう。
 より深い地獄にたたき落とされるのが関の山だ。

 悪魔の親分の声。どうやら自分のことを探しているらしい。嫌だ、見つかりたくない!
 体を小さくするも無駄だった。その鋭い視線がすでに自分の方を向いている。もうダメだ、おしまいだ!
 自分は心の中で絶叫しつつ、せめてもの情けをかけてほしいとばかりに片手をあげて返事をした。




「おい、清水。次だぞ。早く前に出なさい」
「……はい」
「おーい、清水? お前逆上がりできるのか? 女みてぇにできないんじゃないだろうな?」
「小4にもなって逆上がりできないってマジありえなくね? まあ遠藤もできてなかったけどさー」
「クスクス」
「ううう、だってできないんだから仕方ないじゃないか……」
461この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/25(金) 23:27:45.72ID:vifb9Nc3
>>425 今日はなんかいろいろ思いつくなぁ……酷いのが

使用したお題:『雨』『同性愛』『ガソリンスタンド』

【雨の日の出会い】

『ふぅ、ちょっと濡れちゃったな。急に降ってくるんだもの……。少しここで雨宿りさせてもらおう』
『……おう、お前。見ない顔だな。ここは初めてか?』
『あ、はい。すみません。少し場所をお借りしてもいいですか? この雨なんで……』
『いいぜ、ゆっくりしていきな。それにしても、大丈夫か? すごく硬い顔してるぜ? 疲れてるのか?』
『あ、顔は元々こんな感じの四角四面ですから、気にしないでください。まあ疲れてるのは事実ですけどね。
 ちょっと小腹も空いてるし、屋根を借りたついでに補給なんてしてもいいかもですね。ハハハ』
『そうかい、じゃあ……後ろを開けな』
『え?』
『後ろの穴を開けろって言ってんだよ。ほら、早くしな』
『え、ちょ、ちょっと待ってくださいよ! い、いきなり。あ、そ、そこはお尻はダメ! 恥ずかしいところが見えちゃう!!』
『おお、いい穴してんじゃねぇか。ここにオレの自慢のホースを、な……』
『あ、やめて。そ、そんな太いのはいらな……はぅっ!!』
『おら、これがいいんだろ? たーっぷり注いでやるぜぇ?』
『あ、ダメ。お腹が、お腹がいっぱいになっちゃうぅぅ!!』
『……そんな泣くなよ。いきなりで悪かったよ。ほら、涙拭きな』


「はい、レギュラー満タン入りましたー。2400円になりまーす」
「はい、ありがとうございました。よし、満タンっと。
 あーあ、せっかく拭いてもらったけどまだ雨やんでないし、仕方ないか」
462この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/26(土) 06:50:44.32ID:+H0R5seh
>>460
6個消化に挑む460氏が前半お題×3を選択、『逆上がり』『悪魔』『女装』! もっと、キックオーバー!
さあ、舞台は地獄、『悪魔』どもの眼光を前に、響くのは主人公くんの心の悲鳴、周囲は邪悪な敵だらけ、主人公くんはイケニエだ〜
女にゃ手を抜く悪魔ども、しかし『女装』はさすがに通じない〜、名を呼ばれた主人公くん、気分は絶望、おしまいだ〜
ラスト、主人公くんの視界は嘲笑される学校風景に戻り、『逆上がり』出来ない小学生オチw 分かるぞ、グルッと回るあの非日常の回転は、体竦ませ持ち上がらんよね
でも大丈夫だぜ、重心移動さえ掴んでしまえば一発だァ〜、心ない言葉を背に受けて、何度でも鉄棒に駆け出せ少年、地面を強く、もっと、もっと強く、そうだ蹴り出せ、いったか・小さきファイターEND〜

>>461
続いて残存お題×3の消化宣言だ、『雨』『同性愛』『ガソリンスタンド』で461氏が変態最前線に躍り出る、とある雨の房事〜
さあ、唐突な『雨』に降られた主人公が、四角い顔して軒下借りる〜
しかし、そこに居合わせた先住者、ナニか取り出し後方より接近!? 「俺の自慢のホースをな」←こいつ最低だなアッーって感じで『ガソリンスタンド』でしたオチw
『同性愛』まで通して攻略完了! 461氏が記念すべき全クリアをばっちり変態ポーズで決めたァ
迂闊な雨宿りの代償は、忘れられない初体験〜、幸福なドライブ、運転手の笑顔、全てが真っ白に消え失せ、掘られた側は暗黒微笑w 物語は、地味に使いにくい『ガソリンスタンド』をやっつけて黒光り・フルクリアEND・乙乙だ!!
2018/05/26(土) 08:38:38.84ID:9M6FkeuX
>>460
心象風景と言う事でしょうか?
誰も彼もが敵と言う状況は、正に針の莚田と言うところでしょうね
でも、一歩踏み出してしまえば、案外簡単に先に進めるかもしれません

>>461
擬人化は日本のお家芸
主軸の会話とオチのギャップに、クスリとしましたw
2018/05/26(土) 16:26:46.82ID:9M6FkeuX
>>425
使用お題:『逆上がり』『音楽』『同性愛』

【ゆうやけこやけ】(1/2)


 小此木公園は、神社の有る山の中腹辺りにある小さな公園で、真由と奏江にとっては、幼い頃から遊んでいたなじみ深い場所でもあった。

 マウスピースから口を離し口元を拭う。
 小さな痺れがその薄桃色の唇に走っている事を感じ、大江 由真はこのまま続けて練習するより、一休みを入れる事を選択した。

「奏江ちゃん、ちょっとお休み入れよう?」
「ん? ん〜〜……まだ続けるつもり?」

 隣で同じ様に練習をしていた颯浪 奏江は、トランペットを持ったまま背伸びをして、そう訊ねる。
 首を傾げた由真だったが、辺りが薄暗くなっている事に気が付き、練習を始めてから1時間近くが立って居る事を悟った。

「え、えっと、まだ、ちょっと自信が無いから、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ付き合って?」
「……う〜ん、良いけどぉ……」

 少し不満げにそう言う奏江に、真由の心が微かに痛む。

 2人が所属している吹奏楽部は部員数70名強を有する一大規模の部活であり、そのレギュラー争いが苛烈な事でも知られている。
 それ故に部活後の自主練習は必須で、2人もこうして、音を出しても周囲に迷惑の掛からないであろう小此木公園までやって来たのだ。
 実際、真由が自身が無いのは本当である。だが……

 奏江が帰りたがってる“ある理由”を由真は知っているが為に、その時間を引き延ばそうとしている自分自身を彼女は浅ましく思う。

『行き合えよって、言われたんだぁ』

 困った様な嬉しい様な、そんな表情の奏江に話を聞いた時、由真の心はヤスリを掛けた様にざらついた。

 戸田 雅樹と言う少年の事は、由真は正直苦手だった。奏江と同じ様に幼馴染と言う立場ではあったが、ガキ大将的な雅樹の、乱暴そうな雰囲気が好きではなかったし、中学に入ってから身長が伸びた為、覆い被さって来るような威圧感があって怖かったからだ。
2018/05/26(土) 16:27:59.33ID:XlQysaTq
お題7個の方がいいのかな?
なんか7個中3個だと、お題が被りやすい奴と被らない奴が多くてなんかいまいち。5個中3個だと必ず1個被るから面白い気がするんだけど・・・
2018/05/26(土) 16:29:17.14ID:9M6FkeuX
【ゆうやけこやけ】(2/2)


 その戸田 雅樹が奏江に告白したのだ。

『まだそう言うの、分からないよ』

 奏江はそう返事をしたと言う。
 だが、その日から2人はラインのやり取りが多くなったらしい。
 奏江との普段の会話で、彼の話が出る事が多くなった。

 元々、活動的な奏江が吹奏楽部に入ったのは、由真が躊躇していたからだ。吹奏楽に……と言うか音楽活動と言う物に憧れを抱いていた由真だったが、人見知りの為、中々、吹奏楽部の部室に近づけなかった事も有って、奏江が背を押してくれたのだ。
 だが吹奏楽部は、“文科系運動部”とも言われる程ハードな部活であり、奏江も「わりと自分向きだったね」と言ってくれてはいた。

 力の入っていた肩をほぐす為か、奏江がグルグルと肩を回す。近くにあった鉄棒にぶら下がると、ついでとばかりに軽い感じで逆上がりをした。

 制服のままだった事でスカートが翻り、そのやや日に焼けた腿が露わになる。
 由真は、自身の心に情欲が混じるのを感じ目を伏せた。

(最低だ、わたし)

 嫌悪感で胃の辺りが重く感じる。

「……やっぱり、もう終わりにしようか」
「え? 良いの?」
「うん……」

 楽器を片付け、ふたり並んで家路へと歩みを進める。茜色に照らされ、楽しそうに話をする奏江を横目で見ながら、由真は溢れ出しそうになる想いをただただ飲み込むしか無かった。

 この感情が、夕焼け空の想い出へと変わるまで……
2018/05/26(土) 19:08:08.36ID:9M6FkeuX
>>425
使用お題:『雨』『悪魔』『ガソリンスタンド1』

【デビランドトゥギャザー】(1/2)


 ガソリンのメーターに目をやれば、エンプティ―ギリギリでメーターの針がダンスしていた。中川 翔は溜息交じりに紫煙を吐き出すと、街道沿いにガソリンスタンドを探す。
 アメリカの片田舎は、本当に街道以外の物が目に入らない。このままだと、車を押して進まなければならないだろう。
 翔は舌打ちをしたくなった。
 だが幸いにして、無人のガソリンスタンドを見つけ、車を滑り込ませる。
 休憩所と給油機しかない寂れたガソリンスタンドだった。

「……」
『結界を張られたなブラザー』

 翔は顰めっ面で煙草をもみ消した。

 命のやり取りは日常茶飯事だが、こうも一方的に狙われ続けるのは翔の主義に合わない。元凶でもあるコルトピースメーカーを腰に差すと車から降りる。

『さぁ、ご機嫌なダンスの始まりだ!!』
「黙れ」

 呪われた道具……そう呼ばれるものはいくらでもある。徳川家に仇を成す村正しかり、持ち主に不幸を呼ぶホープダイヤしかり。

 コルト・シングル・アクション・アーミー……悪魔に憑かれた呪われし銃。

 “平和の創り手”等と名付けられて居ながら、この銃程血を吸った拳銃は他に無いだろう。幾人もの命を啜り、足りなければ持ち主の命すら奪って来たそれは、いつしか、“悪魔憑きの妖銃”と言われ怖れられて来た。

 しかし、怖れは畏れへと変わり、その抗い難き魅力と共に信仰となる。

 翔は煙草を咥えるとガソリンスタンドの中央へと歩みを進めた。

 タ―――ンッ。

 乾いた音と共に、翔の上半身がグラリと揺れる。
 ドサリ……と灰色の人影が屋根から落ちた。

「まずは一人……」

 いつの間にか抜き撃ちの体勢に成っていた翔の口からそんな言葉が零れた。

 ターン! ターン! ターン!

 続けざまに銃声が響き、しかし翔はクルクルと踊る様に立ち位置を移動し、その度に銃跡がコンクリートの地面に穿たれる。

 一発一殺。

 攻撃位置を見定め、的確な反撃で確実に命を奪う。襲撃者達の動揺が、手に取る様に翔には読み取れた。

『ご機嫌んな御馳走だぁ!! もっと、もっと寄越せよぉ!!』
「黙れ」

 憮然としたまま、翔が弾を入れ替える。
 埒が明かないと思ったのか、チャンスだと思ったのか、襲撃者達が姿を現した。その全員が灰色の迷彩を施したマスクと上着、ズボンとブーツ姿で、手にはピースメーカーを握っていた。
2018/05/26(土) 19:10:36.58ID:9M6FkeuX
【デビランドトゥギャザー】(2/2)


『クカッ、クカッ、クカカカカカッ!! 複製品でも、これだけ集まると壮観だぁ!!』
「黙れ」

 翔の持つ銃こそがオリジナルの“妖銃”。コルト・シングル・アクション・アーミー“ピースメーカー”。
 それ故に彼は狙われる。
 正義や道徳の為では無い。翔も、結局はこの妖銃に魅入られた一人でしかないのだから……

 タン!

 スウェイバックで銃弾を避ける。火の点いた煙草から紫煙が流れた。

 タタタタタタタタタタ!

 一斉に狙われた翔は横っ飛びでその場から逃げると、給油機の陰に飛び込み、反撃を試みる。
 シリンダーが回転する度、命が一つ失われる。
 動揺も広がるが、それ以上に狂信者はピースメ−カーの性能に歓喜し、あたかも殉教者の如く命を差し出す。
 身を伏せて走りながら排莢し、弾を詰め直しては反撃をする。
 ひりつく感情が頭の中を支配し、翔は意図せずに笑みを浮かべていた。

 その姿は、あたかも銃の悪魔が彼に乗り移っているかの様だった。

 ******

 最後の死体をガソリンスタンドに放り込み、ガソリンを辺りにぶちまける。
 愛車のキーを回すと、アクセルを吹かし、窓から煙草を弾いた。
 爆炎を背にしながらそこから飛び出した翔愛車は、炎に煽られチリチリと音を発していた。
 ふと、フロントガラスに雨粒が落ちる。
 目の前には黒々とした雨雲が横たわっていた。
2018/05/27(日) 04:43:38.89ID:nwSxr33U
>>425
使用お題:『逆上がり』『女装』『悪魔』

【因果応報】(1/2)


「さぁ、三千四百円! 三千四百円より上は居ない?」

 女生徒の声に一同が顔を見合わせる。ザワザワと言うざわめきこそあれ、それ以上をコールする者は誰もいなかった。

「よし! じゃあ、生徒会長、泉堂 美和子の私服写真はあんたの物だ!!」
「よっしゃあぁ!!」

 告げられた男子が、ガッツポーズを作る。
 だが次の瞬間、それが落胆へと変わり、その逆にギャラリーからは、歓声が上がった。

「じゃぁ次は、同じく泉堂 美和子の逆上がりシーンの写真だ!!」

 資金を使い果たし、絶望する男子生徒を見下ろしながら、女生徒……美濃 永夏は悪魔の笑みを浮かべた。

 ******

 学園裏オークションは、何時もの如くの大盛況をおさめていた。
 特に目玉商品だった生徒会長の逆上がり写真は、一万二百円と言う高値が付き、永夏としてもホクホク顔であった。

「しっかし、馬鹿よねぇ。こんな写真に大枚叩くなんて」

 ピラピラと、プリントアウトされた写真を弄ぶ。逆上がりシーンとは言え、この学校の体操着は普通の化繊素材であり、特に透けると言う訳でも無ければ、膝丈のハーフパンツの為、永夏から見ても色気のある格好とは思えない。
 強いて言えば伸縮する素材の為、普段よりスタイルが多少強調される位か。

「馬鹿ばっかりよね」

 写真の会長と自身の小学生にしか見えない身体を見比べて、若干、平淡な声でそう呟いた。
 写真部の部室に戻り、PCを立ち上げる。

「おっ、来てる来てる! 飯の種が!!」

 永夏の見ているのは写真のリクエストメール。このメールのリクエスト上位の人間を(無許可で)撮影しておけば、オークションで高値が付く写真撮れると言う寸法な訳だ。

「……会長が一番人気は変わらずか……ん?」

 メールを開き、集計をしてゆく。その中で、一つ引っ掛かる注文があった。

「放課後の美少女……ね」

 毎回必ず1通は来る注文メール。放課後に現れる謎の美少女。
 この学校の制服を着ていて、時には同校の生徒と会話している所を目撃されている事も有り、学校関係者である事は間違いないらしい。
 だが、放課後以外でその目撃情報は皆無と言う謎の美少女だった。

 リクエストの数こそ多くは無い事も有って後回しにはして来たが、永夏自身、そう言った謎は大好物でもある為、いつかは調べようと思っていた相手である。

「良し!! ちょっと調べてみますか!!」
2018/05/27(日) 04:49:55.46ID:nwSxr33U
【因果応報】(2/2)


 ******

「くっ、悪魔め!!」
「いえいえ、わたしは真実の探求者ってだけですよ? でもなぁ、他の人がこの写真を見た時どう思うかはねぇ……」

 永夏がピラピラと写真を弄ぶ。今、永夏の目の前に居るのは、謎の美少女と会話をしていたと言う目撃情報にあった女生徒だった。
 目の端に涙を浮かべながら悔しそうに彼女を睨んでいる。
 だが、女生徒に交渉の余地など無い。すでに陥落寸前と言った彼女の様子に、永夏はニヤリと悪魔の笑みを浮かべた。

 ******

 カラカラと一人の生徒が今は使われていない教室の扉を開ける。

「いないんですか?」

 そう声を出した瞬間、パシャリとシャッター音が鳴った。

「!!」
「おー!! 半信半疑だったけど、彼女の話は本当だったんだ!! えっと、1−D、西王子 武流くん?」

 目の前の女子生徒の格好をした男の子を見ながら、永夏はパチパチと手を叩いた。
 そう言われた男子生徒……武流は何の表情も見せず、永夏をじっと見つめる。

「流石に着慣れてるって所かな? 女装趣味って言うの? わたしには分からないけど、確かに言われなきゃ、男子生徒だって気が付かないかな?」

 件の女生徒から手に入れた情報、それは、今年入ったある生徒の話だった。元々その女生徒は武流の姉と友達であり、彼との面識も有った。
 だからこそ、姉の制服を着てウイッグを被り化粧をした彼の事にも気が付いたのであるが、しかし、どうしてもと頼み込まれ、駅前の喫茶店のパンケーキで、黙っている事にしたらしい。
 普段、武流は空手部に所属しており、新人の中でも期待の星と呼ばれる実力者でもあった。
 そんな彼の秘密の趣味が女装して放課後の学校をうろつき回る事だと知られれば、彼の学校生活は滅茶苦茶になってしまうだろう。

(クククッ、良い弱みが握れたわ!! これを盾にすれば、ちょっと過激目の写真だって撮れるかも知れない!!)

 その写真がオークションでどれだけの高値が付くか……そんな皮算用をして永夏が厭らしい笑みを浮かべる。

「なに、別に君を取って食おうって訳じゃないわ? ちょっとお願いを聞いてくれれば、悪い様には……」
「ぐへっ」
「え?」

 いつの間にか俯いていた武流が後ろ手に何かをしている。

 カチャリ……

「ちょ、あんた何を……」
「やっと来てくれましたね」
「は?」
「こうやって、僕の秘密を見せれば、必ず食いついて来ると思ったんです」

 その言葉に永夏の背筋に悪寒が奔った。

「毎回、リクエストメールを送っていた甲斐がありました!!」
「!!」
「さぁ!! 僕の愛を受け取ってください!!」
「二ギャ―――――!!!!」

 ******

 その後、半裸の小学生が転がる様に校内を逃げ回っていたと言う目撃情報が有ったとか無かったとか。
471この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/27(日) 06:33:04.57ID:+F7P76ku
>>464
見よ、短編スレが燃えている〜、460氏の一日・全お題チャレンジング記録に464氏が続くぞ、お題クルージングツアー前半に、『逆上がり』『音楽』『同性愛』で挑む、禁断魔恋のマウスピース!
さあ、物語は神社付近の公園で、『音楽』活動に励む二人を描く〜、
友人の帰宅遅らす由真さん、日が暮れるまで続く遅滞行動、ほの見えるのはハイ出た百合だw 嫉妬の炎ォ!
近くにあった鉄棒に、ぶら下がっては『逆上がり』、スカートまくれてあの子の太もも(最高だな)、情欲混じる『同性愛』〜
満ちる想いはマウスピースに握り締め、ただただ飲み込む無念に変えて、夕焼け小焼けでまた明日〜! 464氏がどれ、まずは手慣らしだと3個お題を消化し、スレ住民に人気の吹奏楽部・片思い系百合ものを復刻して見せた、想いを伏せる淫靡END〜

>>467
速攻、速攻! クルージングツアー後半、奮闘は実るか〜、選択は『雨』『悪魔』『ガソリンスタンド』、デモニック・ガンマン・ショー!
舞台はアメリカ〜、休憩所と給油機しかない寂れた『ガソリンスタンド』で、いざ死闘が幕開けるー
『悪魔』に憑かれた呪われし銃、45口径6連発リボルバーことピースメーカ〜、血気盛んなる喋る銃が、死の匂いに唾を飛ばすぜw
さあデスゲームの始まりだ〜、飛び交う薬きょう、血だまり銃音、死体にガソリンぶっかけて、証拠隠滅・大爆破ァ! アクション満載、先行き真っ暗物語はラスト、467氏が爆炎バックに片手を上げたァ、立ち込める黒き『雨』雲描き、しめてお題6個をハードに全クリア〜
ご機嫌なダンスは終わらねえ! 死を欲する銃に魅入られた、背徳のガンマンはどこまで生きる、短編スレに弾丸を降らせ、暴力が暴力を呼んだフルクリアENDだ・乙乙!!
472この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/27(日) 06:42:00.28ID:+F7P76ku
>>469
これ連続か? 選択は、『逆上がり』『女装』『悪魔』、駈けろ暴虐のフォトグラファ〜
主人公はオークションでバイヤーとなった小判鮫系女子の永夏さん、『逆上がり』した女生徒の写真を、『悪魔』の笑顔で叩き売りィ〜、でも画像エロくないのが憎めないw
ゼニ勘定しか頭にない彼女が目をつけるのは、顧客からのリクエストメール〜、ターゲットは…放課後しか現れない、レアっ子!?
さあ教室に追い詰めたレア女子は、しかしど変態によるトラップだァw タイトルと残ったお題で垣間見せたぞ『女装』オチ〜
ラスト、追う側が、追われる側へと追い込まれ、長追い無益の逃亡劇へと変貌か〜、弱みを盾にの算段も、半裸にさせられエロ応報〜ほのぼのニギャーENDだ、うん好き!
2018/05/27(日) 10:31:03.59ID:nwSxr33U
感想有難うございます
実は書き出した順は469、467、464だったりします
469は最後まで百合オチにするかどうかで悩んでいたのですが、唐突に降ってきた464を書いた事で女装オチへ
ただ、それだけでは弱いと感じたので、あんな感じにw
467に関しては、兎に角何かハードな感じのお話を書きたかったので……
何気にアクション物が多いですよね、自分
その割には途中ですっ飛ばす事も多いと言うorz
2018/05/27(日) 11:34:01.63ID:VJnGl5+s
使用お題:『雨』『女装』『同性愛』

【俺の親友】(1/3)
下駄箱まで近づくと、雨の音が一際大きく聞こえてくる。
同級生たちが傘を開いて友人たちと喋りながら帰宅していく。
俺はどうしようかと少し途方に暮れた。
「傘忘れちゃったの?」
後ろからハスキーボイスがする。
振り返ると、見た目は可憐な女子生徒がからかうように俺を見ている。
「お前は?」
「持ってきてるよん。一緒に帰ろっか」
そいつは俺と腕を組んで歩こうとした。俺も特に抵抗しない。
左手に開いた傘を持って、右手に俺を持って雨の中を歩く。
「まるで恋人同士だね?」
「そうかい」
歩く途中で、いくつかの生徒が俺たちのことを意味ありげに見る。おそらくこいつと同じクラスの人間だろう。俺はそいつらを無視した。
道路にたまった水たまりをトラックが勢いよく跳ね飛ばして去っていく。
俺はこいつを車道側にしたままにするべきか少し迷ったが、まあいいかと思い直した。
傘に二人は少し狭いらしく、俺とこいつの肩が少し濡れてしまう。
「君は昔っから天気予報を確認しないよね」
道中クスクスと笑いながら、こいつは俺をからかってくる。
「ガサツって言いたいんだろ」
「いやいや、そのおおらかさも君のいいところさ。それにこうして僕が傘を持ってくれば問題はないしね」
「お前にいつも借りるのは嫌だな」
「どうしてさ? 僕は君に頼られて嬉しいのにな」
俺に絡みつく腕の力が少し強くなる。
2018/05/27(日) 11:36:49.72ID:VJnGl5+s
【俺の親友】(2/3)

俺は少しため息を吐いた。
「お前は俺にべったりだな」
「当たり前だろ。だって僕は君のことが好きなんだから」
「友達として?」
「恋しい人として」
「男として?」
「……さあね」
俺がそう言うと、こいつは黙って俯いた。それでも俺の手を放そうとしない。
こいつはいつもそうなのだ。
本当はとても緊張していても顔に出さない。とんでもなく突飛なことをしでかすが、内心おっかなびっくりでいる。自分の行動のせいで自分が傷ついてもやっていることをやめようとしない。
こいつが女装してきた日はとても驚いた。前から中性的な顔つきだと思っていたが、一見してまるで男に見えなかった。奴は俺に微笑みかけた。
それは俺に告白してきた数日後のことだった。告白してきた日、奴は俺に自分の想いをぶちまけて、付き合ってほしいと懇願してきたのだ。
俺は戸惑って、断った。どうして、と聞くので、お前は男で、俺も男だろうと言った。すると、思いつめたように黙り込んで、俺の顔を見ずに走って帰っていった。俺はただそれを見送ったんだ。
「お前、クラスの人間に馬鹿にされているだろ。いい加減、その恰好をやめたらどうなんだ」
俺がやめろと言ってもこいつは止めようとしない。
「でも、君は女の子じゃないと振り向いてくれいないんだろ?」
「お前は男だ。それで俺の友達だ。それじゃあ駄目なのか?」
「……僕は君のことが好きなんだ」
「知ってるよ」
「友達じゃ、やだよ」
「そうかい」
俺が嘆息すると、こいつは震えた声を張り上げた。
「……なら、僕を突き放せばいいだろ。こうして僕が抱き着くのを、ちゃんと拒めばいいだろ!」
「そうしたらお前は俺と会話をしなくなる。俺はそれが嫌だ」
「……」
俺の言葉を聞いて、俯きながら、鼻をすすりだした。こいつの持っている傘が揺れて時々俺の半身に雨が豪快にかかる。
「傘、俺が持とうか」
「ごめんね……君まで同じに思われるよね……ごめんね……」
「でも、やめる気はないんだな?」
「ごめんなさい……」
「俺に嫌われてまでやりたいんだな」
「……君が嫌だっていうなら、僕は君に近づかないようにするよ」
2018/05/27(日) 11:39:12.44ID:VJnGl5+s
【俺の親友】(3/3)

そういいながら、こいつはぶるぶると震えている。
どうしようもなく頑固な奴だ。本当にしょうがない奴だ。しょうがない、しょうがないなあ。
俺は泣いてるこいつの顔に自分の顔を近づけた。いい匂いがするのが腹立つ。
数秒後、顔を真っ赤にしたこいつが、傘を放り投げて、後ずさりながら俺を見開いた眼で見る。
「な、え、な、あえぁ、ぅえ?」
「傘を投げるな。いや、こんだけ濡れたらもうどうでもいいな」
「今、今今今、ええええ、え?」
口をパクパクとさせて言葉にならない音を漏らし続けるこいつを放って、俺はさっさと帰ることにした。
「あ、待って、ねえ、待ってよ!」
後ろから声がかかるが、俺は待たない。
とりあえずボロが出るまでは続けよう。
この先どういう結末になるかはわからないが、無難なところに落ち着けたらいい。
なんにしたって、こいつの無茶を受け止めるのはいつも俺の役目なのだ。俺はこいつの親友なのだから。
俺はちょっと振り返って、傘を拾うのも忘れて慌てて走ってくる奴を待った。
2018/05/27(日) 14:15:13.91ID:nwSxr33U
>>474
性別を越えた純粋な恋心
男の価値は惚れられる事ではなく、惚れ抜くことだそうです
頑張って!!
2018/05/27(日) 16:31:09.00ID:snmp8Yuw
今回もいろんな短編が揃ったなぁ・・・よー思い付くわ
ばあさんや、次のお題はまだかのぉ?
2018/05/27(日) 22:06:46.31ID:Dzsujmtb
お題『逆上がり』『雨』『女装』『音楽』『悪魔』『同性愛』『ガソリンスタンドI』締め切り

【参加作品一覧】(1/2)
>>436【悪魔の音楽会】
>>444【メイドリフレ『とろい』】
>>448【無題】
>>451【都市伝説「雨女」】
2018/05/27(日) 22:07:02.12ID:Dzsujmtb
【参加作品一覧】(2/2)
>>460【キックオーバー】
>>461【雨の日の出会い】
>>464【ゆうやけこやけ】
>>467【デビランドトゥギャザー】
>>469【因果応報】
>>474【俺の親友】
2018/05/27(日) 22:08:01.20ID:Dzsujmtb
では定番化しつつある七つお題
>>482-488
482この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/27(日) 22:08:40.86ID:wkHkotRZ
怪盗
2018/05/27(日) 22:12:20.72ID:VJnGl5+s
バタフライエフェクト
2018/05/27(日) 22:27:12.12ID:snmp8Yuw
昔話
2018/05/27(日) 22:37:13.00ID:JGs7k0gq
ガーターベルト
2018/05/27(日) 22:40:07.70ID:EOn/ueK7
メイド
487この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/27(日) 23:07:36.52ID:+F7P76ku
誰かが雄叫びをあげる
2018/05/28(月) 00:08:44.77ID:3UKdG3WO
悩み
2018/05/28(月) 00:23:12.57ID:CY1MLI07
☆お題→『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』『悩み』より三つを選択
※二つ以下、四つ以上は不可

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→6/3の22時まで

☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切5/30の22時

【見逃し防止のため、このレスに安価してください。】
490この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/28(月) 08:32:55.95ID:AxKqLsJA
>>474
前回お題『雨』『女装』『同性愛』を選んできた力作、ザ・トランスミッション!
さあ、学校帰りに一際大きくなる『雨』を見て、親友が傘下の提供、申し出る〜、彼は見た目可憐な女子学生、って感じのカムアウト済み『女装』デフォw
主人公が告白蹴ったそのあとで、女装してきた親友が、友達じゃやだよと言いつつかなりの攻勢〜
そのくせ身を引く準備は万端〜、なるほど『同性愛』なる親友のあくまで控え目なポジションは、十分に自己否定してきた過去をも思わせる、さぁお題を消化し臨むはラスト〜
主人公は考える、拒絶、葛藤、恋慕、友情〜、自分にとって肝心なものって何なのか!? 考えても考えても、判断できる訳はない〜、しかし嘘いつわりないピュアな求めに、何やってんだ俺とキス与え、半分成り行き、性の境を超えてファイティングポーズEND!
2018/05/28(月) 12:33:17.58ID:7OpPkMWm
>>489
>>469【因果応報】 に一票。理由は・・・ごめん、なんだろ? なんとなく?
2018/05/28(月) 12:36:30.89ID:5tFMtAgX
>>489
>>436に一票
人×人外百合タマリマセンワ^〜
2018/05/28(月) 12:52:18.45ID:pAvrCGU5
>>451
つきぬけてて面白かった
一票
494この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/28(月) 18:23:28.91ID:eP+oITKL
>>???に一票!これが一番面白かった!
2018/05/28(月) 21:14:59.53ID:dPvPogEh
???
2018/05/29(火) 11:10:36.06ID:WOntFNVs
???がどれなのか凄い気になる・・・自分のだと嬉しいけどw
2018/05/29(火) 16:21:34.48ID:55l3bX50
皆をちょっと幸せにする>>494素敵
2018/05/30(水) 03:50:59.79ID:qKy4UhWd
タイトルオチですorz

>>489
使用お題:『怪盗』『バタフライエフェクト』『悩み』

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 1】


「えぇ? この間考えたトリック、このマンガと丸被りじゃん……」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 2】


「予告状、配達ミスって、マジで?」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 3】


「うわっ、そろそろ行かないと予告時間に間に合わな……あ! マントクリーニングに出したんだった……」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 4】


「さて、こいつの服をいただいて変装を……えー、水虫って……えー……」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 5】


「ふふ、お宝はいただき……!! ……誰だよ! 国宝に落書きとか、うぁ……マジ有り得ねぇ」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 6】


「さて、隠しておいたお宝を回収して………………おおぅ、犬のマーキングが……」

 ******

【怪盗バタフライエフェクトの悩み 7】


「…………贈賄容疑で逮捕って……売却価値がほぼゼロに下がりやがったぁ……ぁぁ……」
499この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/30(水) 07:56:21.39ID:aOvdVTBp
>>498
お題選択は『怪盗』『バタフライエフェクト』『悩み』、怪盗とカオス理論を学ぼうin短編スレ〜
蝶の羽ばたきが竜巻となるがごとく、初期値が時間経過とともに大きなインパクトを生む、ゆえにバタフライ効果!
かの有名映画『バタフライエフェクト』は、過去遡り能力を持った主人公が過去時点に影響与えて未来変えんとするループもの〜
『悩み』に悩む『怪盗』バタフライエフェクトの業績は、丸被りするトリック、配達ミスの予告状、服を盗めば水虫だあw それでも徐々に進む計画は、過去で修正繰り返すバタフライエフェクト映画版のオマージュか〜
ラスト、7回目で奪取成功も、お宝自体の価値がなくなる無意味オチ〜、これもう違うことに能力使った方が楽だろw 宣言お題を消化した物語が視野狭窄に陥った怪盗を描き、盗まれてるのは貴方の心ですENDで決めたァ〜
2018/05/30(水) 10:43:16.12ID:qKy4UhWd
感想有難うございます
夜中に目が覚め、唐突に書きたく成って勢いだけで 書きました
後悔はしていませんw
501この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/30(水) 20:12:59.66ID:B8oYMdRP
あー何も思いつかない…
2018/05/30(水) 22:52:01.47ID:6n/+aQbM
>>489 勢いで書いたせいで読みづらいかも、ごめん

使用したお題:『昔話』『誰かが雄たけびをあげる』『悩み』

【前編】

 その昔、奇病が流行っていた。

 その病気にかかるとあら不思議、体調は一切変化しないのだけど、驚くほど短期間で体中の水分が抜け落ち、干からびて死んでしまうという病気だった。病死までのその時間、なんとわずか丸一日。とてつもなく強力な伝染病であるといえよう。
 しかもどうやらその病気は感染力が強いらしく、ものすごい速度で病気が広がってしまう。体液感染はもちろん、接触しただけでも病気が移る。しかも感染源が死亡した際に死体から溢れる謎の粉末は、風に乗って遠くの里まで届いてしまうという悪質さだった。
 パンデミックという言葉がないほど昔の話だったが、その奇病が全国に知れ渡ると同時に人々は恐怖に怯え、日々警戒を続けていた。

 ただ、その病気を治すことは実は簡単だった。長年謎とされてきたが、なんとその病気、とてつもなく水に弱いのだそうだ。
 どういう原理かは不明だが、全身が水に浸かっているとその部分だけ干からびることはなくなるのだ。そして体が冷やされ続け体温が一定以下であると、病原体が死んでしまうらしい。
 また、これまたどうしてそうなるのかわからないが、病気に罹患した患者は、水中で活動ができるようになるそうだ。水の中でも窒息することなく、息が続くらしい。
 なのでこの病気の対処方法がわかった日を境に、この奇病に恐怖していた人々は、水の中で自由に遊べる楽しい病気へと変化したそうだ。

 この奇病はそのため「人魚病」と呼ばれるようになり、特に漁師や遊びたい盛りの子供たちに喜ばれるようになったのだ。歴史的に壮大な手のひら返しである。

 ただ、病気は所詮病気でしかなかった。そのことを歴史が語っている。

 水中での活動ができることを知った人々は、人魚病を利用しはじめたのだ。人間以外の動物にわざと罹患させ、病死するまで放置し、死んだ際に出てくる粉末を集め始めたのだ。
 水中で呼吸ができるようになる薬として安価で売られるようになった人魚病はなかなかの人気を博し、たくさんの人々が手に入れていった。遊び目的、探検目的、水中工事に使う人もいれば、水の中に落とし物をしたときにさくっと服用する者まで出た。

 ただ、この薬の使用はすぐに禁じられることとなった。死傷者が多数出たのである。
 まるで遊びで人魚病を利用していた人々を罰するかのように、薬を服用した瞬間体が干からびる人が続出したのである。本来なら死亡まで1日は猶予があったのに、おかしい話である。
 しかし考えてみれば当たり前の話で、病原体が水によって死亡するといっても、100%全てではない。ほんのわずか、1%にも満たない僅かな生き残りが体内に残り、それが積もり積もっていけば病死になる結果は目に見えている。
 そんなことがわかり、統治者の号令によってすべての人魚病の薬は摘発され、処分された。事業に投資したばかりで取りやめにされた商人たちは阿鼻叫喚の体を催したが、誰も同情なんてしなかった。
 ほんのわずかな商品だけが闇市場に残されたという噂はあるものの、治療方法まで確立された人魚病は完全に根絶し、気づけば誰も人魚病にかからない平和な世界が訪れたのである。

 ……ただ、商人の一人が人魚病の商品を隠そうとして、新しい発見をしてしまっていた。

 どうやら人魚病は、罹患者が水の中に長時間いると自然に死滅する、というわけではないらしいことに気づいたのだ。
 水中に長時間いた人体は冷え切っている。その体を急激に温めようと、体温が急上昇した瞬間に正確には死ぬらしい。ウィルスをやっつけようと人体が熱を上げるのと同じ理由である。

 そのため、変温動物は人魚病にかかっても暖かい昼間になると勝手に治り、水中に住んでいる魚等はそもそも罹患しても発症しないことになる。
 昔の人が生食を避けて焼いたり煮たりしていたのも、この人魚病対策の名残だったと思われる。

 え、どうしてその商人はこの事実に気づいたんだって?

 人魚病を詰めた商品の箱を隠そうと悩み、うっかり一つ開封してしまい、慌てて病気を治そうと水の中に潜ったときにそのことを察したのだ。海辺に転がっている干からびた亀の死骸から……。


 ……と、ここまでが話の一区切り、前編です。この話は次の昔話へと続きます。
 日本人なら誰もが知る、有名な物語へ……。


 むかーしむかし、あるところに浦島太郎という若者がいました。
 彼が浜辺を歩いていると、村の子供たちが一匹の亀をいじめていました……。
2018/05/30(水) 22:57:10.41ID:u2joqn9t
発想はある程度評価できるけど、謎の粉末という発想は必要ないし蛇足。
かかった人間の肉の粉末、とすれば十分だからだ。
それ以外にも表現に難のある箇所多数で、下手に書き慣れて直す癖が付いていないのは問題。
話のスケールも小さい。それはお題のせいだから仕方がないが。

あ、ここは評価するスレじゃなかったか
中々良く出来ていると思ったけど強いて言えば難点もあるかな
2018/05/30(水) 23:13:41.08ID:6n/+aQbM
謎の粉末設定は玉手箱に繋げてるつもりだけど、無理あったか。まあわかりづらいからなぁ
正直自分でも駄作だと思うから、あんまりいじめんといて;x;
2018/05/31(木) 07:33:12.05ID:nCsQdopo
>>502
本当はSFな昔話w
果たしてそのウィルスは、地上由来の物だったのでしょうか?
もしかしたら竜宮城からの……?
506この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/31(木) 07:38:14.47ID:m/dHVCLo
>>502
お題『昔話』『誰かが雄たけびをあげる』『悩み』を選んで語る、死病研究インザシー!
病が世を騒がせるぞ〜、伝染すれば体が干されるパンデミック、しかし全身が水に浸かっていると回避可能で、なんと水中呼吸が可能になるw
割と便利だねってヒット商品に躍り出た奇病粉、つってもノーリスクじゃないわけで、死傷者続出・販売停止で阿鼻叫喚(『誰かが雄たけびをあげる』)〜
さあ、アングラ商人が粉を隠そうと『悩み』、動かした際にとある法則を発見!? 変温動物は罹患しない、水中生活者に優しく陸上生活者は脱水させる…
そう、これは話全体が『昔話』浦島太郎・玉手箱のからくり解説でしたオチw お題『昔話』をオチに活かした物語が、浦島時代に時遡り、華麗なお題消化とそーだったのかENDを決めたァ!
2018/05/31(木) 09:59:02.28ID:w806BFGn
「なぜ浦島太郎が戻ってきたら人がいなくなっていたか」とか「亀をいじめていた子供たちは実は正義だった」とか「竜宮城はなんだったのか」とかそういうところも気付いてほしかったけど、自分の書き方がわかりづらくて悪いんだよね・・・
もっと文章が上手くなりたい・・・orz
2018/05/31(木) 15:56:24.09ID:sK4NV74V
亀をいじめるというのと亀からウイルスが移ったら死ぬから殺すというのは違うからやはり無理がある
でもこういうことを思いつくのは凄いと思うよ
509この名無しがすごい!
垢版 |
2018/05/31(木) 16:47:10.89ID:vOPUfNBa
小説書こうとしたけどなんか俺のもボロクソ言われそうだからやっぱやめとくか…
2018/05/31(木) 17:56:11.31ID:w806BFGn
お題に即したお互いのアイディアを見て楽しむのが本義だから、文章の批評とかはそこまで気にしなくてもええんやで?
むしろ文章の形式を度外視した面白作品とかのが自分は好み。初代スレの「おや、字が疾走した」とかw
2018/06/01(金) 08:54:51.42ID:SG1Cmhqn
>>489
使用お題:『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』

【思春期地球防衛機デッカイザー】(1/3)


「グッガアアァァッ!!」

 改造巨獣の攻撃を受けて、白銀の巨体がよろめく。
 パイロットの道明寺 クライはフットペダルを操作し、何とか転倒するのを防いだ。

『何やってんの!? クライ! 動きが鈍いわよ!!』
「わぁってるよ!! そんな事!!」

 姉でありオペレーターの道明寺 クウの言葉に、クライが噛みつく。
 動きが鈍い、そんな事は白銀の巨人、デッカイザーのパイロットたるクライが一番分かって居る。

 だが……
 チラッ。

「!! ……グウッ!」

 避けるつもりだった攻撃を喰らってしまい、その忌々しさに舌打ちをしたくなった。
 恐るべき心理攻撃だった。精神の一瞬の隙を突き、本能に直撃する。
 だが、その一瞬の隙はこの戦いの中では致命的な隙であった。デッカイザーの耐久力が無くては、ここまで耐える事は出来なかっただろう。

「負けて、たまるかよおおぉぉぉ!!」

 最初はただ、カッコイイから……そんな単純な理由でデッカイザーに乗っていた。だが今は、自分の両肩に人類の未来が掛かっている事を十分に理解していた。
2018/06/01(金) 09:15:50.72ID:SG1Cmhqn
【思春期地球防衛機デッカイザー】(2/3)


 ******

 改造巨獣……それは宇宙帝国インベイドの先兵であり、攻略兵器である。かの帝国の目的は人類の支配ではない。
 地球と言う資源そのものなのだ。
 改造巨獣は、その為に送り込まれ、資源を搾取する為にあらゆる手段を使う。
 地球の都市を壊滅させるなど、その手段の一つに過ぎないのである。
 クライが、デッカイザーが負ければ、地球は蹂躙され、搾取され尽すだろう。それが分かって居るから、クライは負ける事が許されなかった。それでも……
 チラッ。

「ぐっ!」

 辛うじて攻撃を避ける。攻撃が来ると分かって居ても、避ける事が困難だった。
 いや、決して鋭い攻撃と言う訳では無い。いつもの戦いで有れば余裕をもって、それこそ反撃すら可能なスピードでしかないだろう。
 問題はデッカイザー……いや、クライの方にあった。

 改造巨獣が身を翻し、その太い尻尾で攻撃を仕掛ける。
 チラッ。

「ぐっ!」

 辛うじてジャンプして避け、反撃しようと試みる。だが、改造巨獣は縦回転で回転すると、蹴りを浴びせて来た。
 チラッ。

「ぐうっ!」
『何やってるの! それ以上のダメージは、デッカイザーでも持たないわよ!!』
「だから、わぁってるっての!! 集中力が切れる!! 通信、切るぞ!!」
『ちょ、ま……』

 クライが乱暴に通信を切る。正直な所、彼の精神はそれだけ追い詰められていた。
 モニターに映る改造巨獣を凝視する。その姿はある意味なじみ深い。
 そしてある意味ファンタジーの極致と言って良い姿をしていた。
 つまり……

「メイド型宇宙巨獣って何だああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 改造巨獣は改造された巨獣である。つまりは元となった巨獣……宇宙巨獣が存在するのだ。
 今回の改造巨獣の元となったのはメイド型宇宙巨獣“ヴィクトリラ”。
 インベイド帝国は、そのヴィクトリラを捕獲し、改造巨獣としていたのだ……魔改造方面へ……

 従来であれば足首まで覆われているロングスカートは膝上……いや、寧ろ股下ギリギリまで短くされ、ズロースだった物がストッキングへ変更された上、ご丁寧にガーターベルトで留められている。
 そしてエプロンドレスの胸元は大きく開き、その双丘を強調するかの様にデザインし直されていた。
 しかし、怪獣は怪獣である。人とかけ離れた獣じみた容姿は普通であれば受け入れられるものではない。
 だが、その体付きは、まるでアニメの世界から抜け出したかの様なボンッ! キュッ! ボンッ! であり、思春期真っただ中のクライには刺激が強すぎた。
 その巨乳が動く度、スカートの裾が翻る度、見てはいけないと言う思いと、でもちょっと位ならと言う本能がせめぎ合い、それが決定的な隙となっているのである。

「クソッ! なんて精神攻撃だ!! オレは……オレはどうしたらいいんだあ!!!!」
2018/06/01(金) 09:22:43.77ID:LYHjLchG
デッカイザー!
2018/06/01(金) 09:27:27.82ID:SG1Cmhqn
【思春期地球防衛機デッカイザー】(3/3)


 ******

「クライ、通信を切りました!!」
「ぬう!! 若さゆえの経験不足がここで浮き彫りになったか……」

 デッカイザーの支援組織である“シールド”、その長たる長官、金剛院 大彌は苦悶の表情でそう呟いた。だが、本格的な戦闘状態と成っている区域に現行兵器を向かわせたとしても、改造巨獣にはほぼ歯が立たない上、下手をすればクライの足枷となってしまうだろう。
 それ故に、彼を信頼し、任せる以外の手段が取れないのも事実だった。
 だが、どうみても状況はこちらが不利で、パイロットのクライも不調の様に見えた。

「我らには、何も出来んのか……」

 ギリリと、奥歯を噛み締める。

「ふっ、こんな事も有ろうかと、デッカイザーには遠隔操縦装置をつけてある」
「!! 博士!!」

 デッカイザーの設計者であるジーニアス博士だ。

「遠隔操縦装置では細かい操縦は無理でも、光学兵器の発射位ならコントロールできるじゃろう」
「成程、ここぞと言うタイミングでそれを使えば、クライの手助けができると言う事ですな!!」

 博士はニヤリと笑うとパチンッと指を鳴らした。それと同時に大彌の席に、拳銃のトリガーを思わせる装置がせり出す。
 大彌がそのグリップを握る。モニター上では改造巨獣とデッカイザーが死闘を繰り広げていた。

 ******

 様々な計器がレッドゾーンを指している。クライはそれでも必死に態勢を立て直そうともがいていた。

「ぐうっ」

 攻撃が掠り、ショルダーアーマーが吹き飛ぶ。ついにデッカイザーが片膝をつく。
 ギリリと、歯を食いしばるクライだったが、彼もデッカイザーが限界だと言う事は気が付いて居た。
 もう動けないと読んだのだろう。改造巨獣がゆっくりと近づき、そして止めとばかりに足を振り上げ……

「あ、見え……」

 ボシュッッ!! カッッ!!!!!!

 閃光が煌き、視界を覆いつくす。デッカイザーの必殺技“エンブレムインフェルノ”が発動したのだ。

「……!!」

 呆然と目を見開くクライ。閃光が消え去った時、そこに改造巨獣の姿は既に無かった。

 ******

「ちょ、クライ! ドアを開けなさい!!」

 クウがクライの部屋の扉を叩く。あの戦闘の後、クライは何故か部屋に引き込もってしまったのだ。

「自身の不甲斐なさを悔いているのだろう。そうっとしておきなさい」
「長官……」

 ******

 その数日後、少しやつれたクライが妙に晴れ晴れとした表情で部屋から出て来た。
 だが、その彼のPCに、“Kemona”と言うフォルダーが増えていた事は、本人以外、誰にも分からない事だった。
2018/06/01(金) 12:05:30.77ID:dLO6kaYh
>>512
> かの帝国の目的は人類の支配ではない。
> 地球と言う資源そのものなのだ。

これは変だね。
人類を支配し、奴隷として使役することのみに留まらない。
地球に存在する土を資源として用いることが第一の目的なのだ。
もし彼らが地球を支配すれば、地球は海の惑星になるであろう。

こういうのならまだわかる。
でも、普通なら
地球人の奴隷としての価値>>>>>>地球にある資源の価値
だと思う。

考察が足りない。構想力も。
2018/06/01(金) 12:07:51.72ID:dLO6kaYh
>>512
クライの方は生身で戦えるの?
凄いスーツを着てるとか、身体を鍛えまくってる(でも普通は死ぬけど)とか、説明が必要だな。
何か超自然的な力があるならそれでもいいからさ。

それこそゲームとアニメの見すぎでそこに違和感を覚えなくなってるんだろうけど、
そこを掘り下げるから面白いんじゃないか。これじゃ肝心の面白さを全部捨ててる。
2018/06/01(金) 12:44:31.20ID:SG1Cmhqn
感想有難うございます
力不足の言い訳に成りますが、想定していた主題としては
地球の危機にも関わらず、目先の欲望に抗えない思春期思想をコメディ的に書いたものなので、それ以外は最低限の情報以外オミットしています
ですが、連載等をするのであれば、その辺を掘り下げるのも面白いですねw
2018/06/01(金) 13:07:21.25ID:td3/en7M
大丈夫、伝わってるよ
2018/06/01(金) 13:17:02.91ID:xkSMtEiu
まともな感想書けなくてごめんだけど、なんか読んでたら良いネタ思い付いた
ありがとう!
520この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/02(土) 07:21:46.86ID:PVyH3slY
>>511
お題『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』に挑戦だ、デッカイザーライドオン!
さあ、現れるは正義のメカ・デッカイザー〜、目の前では「グッガアアァァッ!!」と『雄叫びをあげる』、宇宙帝国インベイドの先兵、改造巨獣が吼えるぜ〜
しかし人類の未来を背負って戦う、パイロット・クライさんが防戦一方、なにごと〜、問題は敵のデザインだ、獣の容姿に『ガーターベルト』装着の、『メイド』型巨獣によるパンチラ悩殺ww
長官「若さゆえの経験不足がここで浮き彫りになったか……」←何の経験なのか、苦境を見たバックヤードが遠隔操作で光学兵器を発射し、改造巨獣はケシ飛んだァ! 倒すの簡単じゃねえか
最大の敵は己の若さか、それとも潜在した性癖か〜、511氏の大作が予想外のお題消化で、ケモナー趣味に目覚めちゃったオチを経由し、痛恨のアニマル・ラブEND!w
2018/06/02(土) 10:01:32.93ID:Lbzrgl5R
>>520
感想、いつも有難うございます
どうしてもスーパーロボツトが書きたくてこうなりましたw
2018/06/02(土) 19:58:10.82ID:Lbzrgl5R
使用お題:『ガーターベルト』『メイド』『悩み』

【くノ一ボタンの色々な冒険】(1/3)


 ギャグボールを噛まされ、ボタンは必死で逃げようともがいた。目の前には4人の男女。ボタンの使命はその内3人の監視であり、もう一人の……サムライ風の少女については、まったく前情報に入って居なかった為、不意を突かれこうして囚われの身となってしまったのだ。
 そんな、ウーウーと呻き声を上げるボタンを見下ろしながら、監視対象である少年、タカシが目頭を揉んでいる。

 実の事を言えば、この少年に対する本当の指令は暗殺。だが先日、ボタンの里の腕利きの若い衆が襲撃を掛けたにも拘わらず、その全てを返り討ちにして彼らはここに居るのである。

 重傷ではあるが、誰一人命を失った者が居なかった若い衆を見て、驚愕と共にボタンは(!! ……流石は、勇者です!)と、そう思った。

 勇者……魔王と対を成す存在。魔王を倒し、人類を平和へと導く存在とされている勇者ではあるが、ここ魔王国では、その評価は真逆となる。
 「殲滅者」「一騎当千」「一人戦略兵器」「性獣勇者」ets……様々な異名がそれを表している。
 当たり前だろう。日々国民が増える魔王国において、彼等が自身の領域を冒されない様に領土を拡張しようと決断した魔王に弓引く者なのだ。

 だが、同時にある種の尊敬を集めているのも確かである。なぜなら、魔王国において強き者と言うのは、それだけで崇敬の対象と成るからだ。
 そう言う意味で、魔王が弱ければ勇者に討たれたとしても仕方ない……そう言った空気があるのも確かである。

 繁殖力の強い魔物種を擁する魔王軍は、産めや増やせやの心意気で、その圧倒的物量によって王国を侵略していた。
 だが、ここ最近はそれが滞っているらしく、王国軍との戦線は一進一退の様相を呈している。
 実はタカシのパーティーがあちこちで殲滅作戦を行った事で、魔王軍に大量の離反者が出たのが原因なのだが、そこは流石に表沙汰には成っていなかった。
 王国の国王は、ここが勝機とばかりに一騎当千たるタカシのパーティーを遊撃として、魔王との直接対決を依頼。
 だが、そこは流石だと言って良いだろう。タカシの行動を察知した魔王は、強力な魔物を魔王城の周辺に配置し、早々に守りを固めたのである。
 本来であれば、その上で兵を差し向けたかったのだろうが、今、戦線は膠着状態であり、これ以上兵を裂く訳には行かない。

 だからこそ、タカシ暗殺をボタンの里……カゲロウに依頼して来たのだろう。
 しかし……

 魔王直接の依頼を失敗したとなればカゲロウの名は地に落ちる事と成る。
 そうなれば、他の暗殺組織に舐められ、蹂躙され平らげられる可能性だってある。それ故に里の首領は、先日の襲撃も「相手の力を図る目的だった」と言う事にする為、監視を付ける事にしたのだ。

 その白羽の矢が立ったのがボタン。隠形の腕を買われての事ではあるが、女好きであると言う勇者に、万が一見つかった場合の事を考えての選出でもあった。
 瞳からハイライトの消えたボタンは、同行者……監視役の監視の二人と共に、タカシ監視の任務に就く事と成ったのだった。
2018/06/02(土) 20:03:28.53ID:Lbzrgl5R
【くノ一ボタンの色々な冒険】(2/3)


 ******

 魔王討伐の為、王国に召喚された少年、勇者タカシはどうした物かと頭を悩ませていた。
 彼の眼前には、犬耳少女を組伏せている美少女がいる。
 名はハルナ。自称剣客、実質ストーカー。
 彼女は『誉めて誉めて』と言わんばかりに瞳を輝かせ、ストーキング先のタカシを熱い眼差しで見ていた。
 チラリと自らのパーティーメンバーを見ると、普段であれば聖女の異名に相応しい温かな笑みを浮かべているアリサが、極寒地獄の鬼もかくやと言った表情で件のハルナを見下ろし、
その正体は大海魔、しかして今は褐色幼女のクラーケンが、今一理解していない様子で眺めている。

 いったいどこで身に付けた技術なのか、見事な亀甲縛りでハルナに拘束された犬耳少女は、憐れみを誘わんばかりの涙目で彼を見上げていた。

 ハルナと同じ様な間違った和装のその少女は、タカシの認識において、誤解を恐れずに表現するなら“くノ一”の様に見える。
 ただし、「忍ぶつもりないだろう? お前等」と言いたくなる様な大輪の花柄で萌黄色の上着に、ボディースーツの様な鎖帷子状のアンダーウェア。
 その上、網タイツをガーターベルトで留め、鼻緒状の意匠がくっついているだけのハイヒールブーツと言う、どう見てもエロゲのキャラクターですありがとうございます。と言う格好なのだ。
 辛うじて頭に巻いた忍者のアイコンたる鉢金も、側頭から生えている犬耳がコスプレっぽさを助長していた。

「何してくれるかなぁ」
「え?」

 褒められるとばかり思っていたハルナの表情が驚愕に代わる。実の事を言えば、タカシは監視に気が付いて居た。
 おそらく、先日の襲撃で壊滅的打撃を受けた暗殺集団が、再び襲撃の準備が整うまでタカシの動向を窺おうとしているのだと思ったからだ。
 気配を探れば、犬耳少女と共にいた、もう二つの気配は既にいない。
 この事を報告しに行ったのだろう。

「厄介な事してくれるよなぁ……本当に……」
「え? え? どう言う……」
「もうこのストーカーは埋めてしまっても構いませんよね? よね?」
「うえぇ!」
「さすごしゅ?」
「うえええぇぇぇぇ!!」

 監視がバレたのなら、今度こそ死に物狂いで依頼を達成して来ようとするだろう。こう言った闇組織は面子を大切にするからだ。

「もうこうなったら覚悟を決めるしかないか……」
「さすごしゅ!」

 溜息を一つ吐くと、タカシはぐるりと首を回した。
2018/06/02(土) 20:03:28.82ID:Lbzrgl5R
【くノ一ボタンの色々な冒険】(2/3)


 ******

 魔王討伐の為、王国に召喚された少年、勇者タカシはどうした物かと頭を悩ませていた。
 彼の眼前には、犬耳少女を組伏せている美少女がいる。
 名はハルナ。自称剣客、実質ストーカー。
 彼女は『誉めて誉めて』と言わんばかりに瞳を輝かせ、ストーキング先のタカシを熱い眼差しで見ていた。
 チラリと自らのパーティーメンバーを見ると、普段であれば聖女の異名に相応しい温かな笑みを浮かべているアリサが、極寒地獄の鬼もかくやと言った表情で件のハルナを見下ろし、
その正体は大海魔、しかして今は褐色幼女のクラーケンが、今一理解していない様子で眺めている。

 いったいどこで身に付けた技術なのか、見事な亀甲縛りでハルナに拘束された犬耳少女は、憐れみを誘わんばかりの涙目で彼を見上げていた。

 ハルナと同じ様な間違った和装のその少女は、タカシの認識において、誤解を恐れずに表現するなら“くノ一”の様に見える。
 ただし、「忍ぶつもりないだろう? お前等」と言いたくなる様な大輪の花柄で萌黄色の上着に、ボディースーツの様な鎖帷子状のアンダーウェア。
 その上、網タイツをガーターベルトで留め、鼻緒状の意匠がくっついているだけのハイヒールブーツと言う、どう見てもエロゲのキャラクターですありがとうございます。と言う格好なのだ。
 辛うじて頭に巻いた忍者のアイコンたる鉢金も、側頭から生えている犬耳がコスプレっぽさを助長していた。

「何してくれるかなぁ」
「え?」

 褒められるとばかり思っていたハルナの表情が驚愕に代わる。実の事を言えば、タカシは監視に気が付いて居た。
 おそらく、先日の襲撃で壊滅的打撃を受けた暗殺集団が、再び襲撃の準備が整うまでタカシの動向を窺おうとしているのだと思ったからだ。
 気配を探れば、犬耳少女と共にいた、もう二つの気配は既にいない。
 この事を報告しに行ったのだろう。

「厄介な事してくれるよなぁ……本当に……」
「え? え? どう言う……」
「もうこのストーカーは埋めてしまっても構いませんよね? よね?」
「うえぇ!」
「さすごしゅ?」
「うえええぇぇぇぇ!!」

 監視がバレたのなら、今度こそ死に物狂いで依頼を達成して来ようとするだろう。こう言った闇組織は面子を大切にするからだ。

「もうこうなったら覚悟を決めるしかないか……」
「さすごしゅ!」

 溜息を一つ吐くと、タカシはぐるりと首を回した。
2018/06/02(土) 20:08:27.41ID:Lbzrgl5R
【くノ一ボタンの色々な冒険】(3/3)


 ******

 身の丈2mはあろうクマの獣人が崩れ落ちる。その顔面には深さ1cm程の溝が一直線に付いていた。信じられない事だが、それは剣の跡であった……鞘を付けたままの。
 地面を見れば、クマ獣人の得物であった金剛杖が寸刻みの状態で落ちている。状況から察するに、これをやった犯人も同一人物だろう。

「王国の勇者はバケモノか……」
「バケモノだから暗殺を依頼したんだろう? 魔王も思ったよりは常識人だよな」

 暗殺獣人集団の首領の首に剣を突き付けながら、犯人……タカシはそう言った。
 完膚なきまで……それを体現するかの様な惨状である。精鋭の実働部隊を欠いた組織では、タカシに対抗するなど力不足過ぎたのだ。
 暗殺獣人集団“カゲロウ”は一夜にして壊滅したのである。
 もはや廃墟と言って良いカゲロウの里の瓦礫を踏み越え、アリサがやって来る。

「タカシ様、治療は完了しました。獣人の中に死者は居ません」
「そうか、それは良かった……さてと、首領さん?」
「ひい!!」

 怯えた首領の様子にどうやら心まで折る事が出来た様だとタカシがニヤリと笑う。

「オレに敵対する事がどう言うことか分かったのなら、お願い、聞いてくれるよね?」

 満面の笑みを浮かべるタカシに、元首領となった男はコクコクと頷く事しか出来なかった。


 ******

「諜報活動と暗殺阻止の為ですか?」
「さすごしゅ?」
「うん、そう」

 茶屋風の店で団子を食べながらタカシがそう言う。現在、魔王軍と王国軍は一進一退。ほぼ互角の戦いを繰り広げている。となると魔王国と言えどタカシ達に兵を差し向けるのは厳しいだろう。
 そうなれば、同じ様な暗殺者を差し向けて来る事は想像に難くなかった。

「だからその為にも、彼等にはスカウト兼カウンターメジャーをやって貰おうかとね」
「はぁ、成程、魔王国で情報を集めるのは、人族では厳しいですからねぇ」

 アリサが頬に手を添え溜息を吐く。実際、魔王国に多く居る獣人の方が、人族であるタカシ達より情報収集には向いてるだろう。

「……で? “コレ”は何でしょう?」
「さすごしゅ?」
「……カゲロウ改め“オボロ”からの繋ぎ要員……かな?」

 気温を低くするアリサから目線を外し、タカシがそう言った。
 現在、お茶を喫する彼らの後ろでは、一人の犬耳少女が侍っていた……メイド姿で。
 タカシの言う通りオボロとの繋ぎ要員なのは事は確かであろう。
 しかしそれと同時に、タカシの機嫌を取る為の人身御供である事も事実だった。
 その事を理解しているからか、瞳のハイライトの消えた犬耳少女ことボタンは、力なく笑いながら「よろしくお願いしますです」と、呟く様に言った。

「あー、うん、こちらこそ首領達との連絡の時はよろしく」

 ******

 その頃ハルナは……

「竹が! 竹がお腹に食い込んで!! ちょ、思ったより竹の成長が早い!! タカシ殿ぉぉ!! ヘルプ! ヘルプミー!!!」

 竹林にす巻きにされ縛られていた。
2018/06/02(土) 20:11:12.65ID:Lbzrgl5R
おおおお……
何故か(2/3)が二重投稿されてしまいました
どんな操作間違いが合ったのやらorz
2018/06/02(土) 20:38:39.65ID:pNFBQEGn
作者サンの好きな属性欲張りセットな感じですねぇ
だがクラーケンちゃんが活躍せずに終わってしまったぞ!どういうことだ!

……次の方が居なそうなんで、投稿させていただきます。

テーマは『バタフライエフェクト』『昔話』『悩み』
2018/06/02(土) 20:46:01.56ID:pNFBQEGn
【クレインエフェクト】
ある寒い冬の日。雪の原に羽ばたく小さな翼を見た。近づいてみると、一羽の鶴が罠に足を捕られてもがいている。

「おお、おお、かわいそうに」

罠を外してやろうと手を伸ばすと、鶴は羽ばたき抗おうとする。けれどすぐに力なく伏せてしまう。

「食うたりはせんから、そんな目をするな、ちび助」

これでは餌も食えなかったろうによく生きていたものだ。いや、きっとこのめぐり合わせも運命なのだろう。この年になってようやく、鶴に恩返しができるとはな。



「帰ったぞ」
「まぁまぁ、今度は何を拾ってきたのですか……」

さすがに鶴を抱えて帰るとは思わなかったのか、ひどく驚いた顔が出迎えてくれた。これはキツネの子を拾ってきたとき以来だな。

「……犬が続いていましたから、よもや三匹目はと予感がありましたが」
「怪我をしとるんだ、手当をしてやりたい。あぁ、三郎と四郎は近づけんでくれよ。怖がらせてしまう」

足元にじゃれつく二匹をまたぎ、鶴を抱いたまま火のそばへ。

「なんでまた、拾ってきたんです」

薬草を刻む背中が問うてくる。

「毎度のことだ。弱っとるやつは獣であろうと助けてやらねばな。特に鶴には思い入れがある」

そう、鶴を助けるのは二度目だ。
2018/06/02(土) 20:48:54.56ID:pNFBQEGn
【クレインエフェクト2】
あの日も雪が降り、よく冷えた。年老いた父母が病に倒れあっけなく死んじまって。どうしようもなく弱っていたときだ。その日を生きるのに必死で嫁のきてもない孤独な身。せめて孫の顔を見せてやりたかった。

やるせなさを抱えたまま、どこへ行くでもなくうろついていたら白羽が舞うのを見つけたのだ。

大きく美しい鶴が雪原に縫い留められていた。まだ元気があるらしく懸命にもがいていて、それは舞のようだった。こんなに立派に育ったのに、こいつはこのまま一人寂しく死んでしまうのかと哀れに思えた。

「群れの仲間はおらんのか。見捨てられたか。運のないやつだ」

舞いを止めてこちらをじっと見てくる。

「諦めたのか? 助けてほしいのか?」

あれほど激しく暴れていたのが嘘のように、屈んだおれの背中をおとなしく見つめているようだ。

「おれが来なかったら、おまえはどうなったんだろうなぁ」

自力で抜け出すことができただろうか。別の誰かが助けただろうか。
自由を得たそいつは、一鳴きしてどこかへ飛び去っていった。


「その晩だ。おまえがここへ来たのは」

鶴は落ち着いたのか、あぐらをかいた上でそのまま眠ってしまった。

「鶴を助けたから、手頃な娘が転がりこんできたって?」
「はじめはな、天女でも迷い込んできたのかと思った。おまけに行く宛もないから置いてくださいときたら、いよいよ狐に化かされてるか、くたばって死に際の夢でも見ているのかと」

そのいたずらめいた微笑みは、ちっとも変わっとらんな。

「だが、飯の炊き方すら知らん女がいると、一人よりも苦労が増えるとは思わなんだ」
「……すぐにうまくなったでしょう?」
「夢でも物の怪でもないと信じるに足る時間だったな」

消して覗くなと言って、おれを奥に閉じ込めて一人で練習していたな。

「そういうあなたも、なかなか一緒になろうと言ってくださらなかったではありませんか」

どこぞのお貴族様の娘が家出でもしたのかと思った。いつか迎えが来ていなくなってしまうのかと悩んでいたんだ。

「家を任せられるまではと決めていたんだ」
「いくじなし」
2018/06/02(土) 20:52:08.54ID:pNFBQEGn
【クレインエフェクト3】
久しぶりに遅くまで話し込んだ気がする。

「……なぁ。何か言いたいことがあるんじゃないか」

とうとう言ってしまった。帰ってきてから様子がおかしい。楽しい思い出話なのに、どうしてそんなに思いつめたような顔をする。

「……ずっと、悩んでいました。あなたは私と一緒になって良かったのかと」

何を馬鹿なことを。

「子どもが欲しかったのでしょう? けれど私はそれを叶えられなかった」

それは……おれの体が悪かったのかもしれない。おまえだけが気に病むことじゃない。それに、お前が来てくれただけでおれは――

「でもね、あのとき私は確かに見たのです。火を囲む若夫婦と、孫を抱いた老婆の姿を」

何の話だ。

「暖かな家に暖かな人たち。私もこの人たちの家族になれたらと願いました。この人こそがと」

一体何の話をしている。

「その鶴は明日の昼には元気になり飛び立っていきます。怪我は痛かったし寒くてお腹も減っていたけれど、諦めが早かっただけで何日も捕まっていた訳ではないから」

「ここを出たあとはね、遠くへは行きません。いつでもあなたが見えるところに住み着いて、生きて、あなたを見守って、あなたがいなくなってもずっと、生きて生きて、あなたに恩を返したくて――」

ふいに立ち上がり奥へ歩きだす。

「――千年生きます。執念深き物の怪になって、あなたに会いにいきます。あの人と出会う前のあなたに」

嗚咽混じりの声は、薄い戸には遮られない。

「きっと人と鶴じゃあ子どもなんてできないんですよ。あなたの人生は私が歪めてしまったの。だけど、だからこそ冬が来るたび祈りました。変わってしまったのなら、どうかあの日が来ませんようにと。あなたが私を見つけないでと」

「けれど今日がきてしまった。ならば私は罪を償うことができるはず。私が今日、羽ばたかなければ、あなたの人生はもとに戻るはず。自分ではできないから、最後に一つだけお願いを聞いて」

明日の朝までこの部屋からは出ません。それまでに鶴を殺してください。決してそちらを覗きませんから。









いつの間にか眠ってしまったようだ。窓の外を見やると、もう日が高くなっている。

日が、たか…く…

「おい、ちび助......飯だぞ」
2018/06/02(土) 22:14:33.23ID:l2cABXdO
>>489 今回少ないな。自分は二つ目だけどね!!(ドヤ顔
使用お題:『昔話』『悩み』『誰かが雄叫びをあげる』

【前編、その2】(1/3)

 むかしむかし、あるところに、それはそれは美しい女性がいました。

 その女性は見目麗しいだけでなく、心も美しく、たいそう人に好かれておりました。誰にでも優しく、両親を大事にし、四季や草木を嫋やかに愛で、本土から少し離れた小島の村で穏やかに過ごしておりました。
 そんな彼女のことを、百人一首の心情豊かな様子に準えて、人々は『百(もも)姫様』と尊敬を敬愛をもって呼び親しんでおりました。

 ただ、百姫様はあまりにお優しすぎたがために、少々婚期を逃しそうなのが悩みものでした。
 いえいえ、男性からの求婚はとても多かったのですよ? 平民からだけでなく、豪商や貴族のものからもそういう打診が幾度となくありました。
 しかし、百姫様は首を縦に振りませんでした。それはというと、彼女はあまり体の強くなかったご両親のことを殊更愛しており、家族三人での生活を何よりも大事にされていたからだったのでした。

 ……まあ、行き遅れになりそうだったことで当のご両親は気が気ではなかったらしいですけどね。

 それはそれとして、百姫様の幸せな生活が続いておりましたが、ある日を境にその日々は終わりを告げました。都に疫病が流行ったのです。

 その大病にかかった者は長く、長く苦しんで死んでしまいます。治療法はないではなかったのですが、薬代にとてもお金がかかるのです。
 なのでほとんどの人は脂汗を流しながら苦しみ続け、そのまま死んでしまいました。

 また、疫病で家畜や野菜がやられた結果、重大な飢饉まで発生してしまいました。病気にかからなかった者も食料がないせいで、どんどん痩せ細っていきました。
 僻地の村落は特に被害が酷く、人が屍肉を食らう姿も見られたそうです。まさに現世に現れた地獄でありました。

 百姫様のお家も無事ではすみませんでした。
 それなりに大きな家ではありましたが、日々の生活のために資産を食い潰していくハメになり、やがて明日の食事にも困る有様になってしまいました。
 そして悲しいことに、百姫様のご両親が病気にかかってしまい、その治療のために薬を買わねばならなくなったのです。そのせいで余計に首が回らなくなり、百姫様はとてもご苦労されたようです。

 優しいご両親は「私たちに薬なんていらないから、お前だけでも幸せになってくれ」と寝床で脂汗を流しながら笑顔で頼みました。
 が、同じく優しい百姫様が彼らを見捨てるはずもなく……そうして、彼女は最も辛いご決断をされました。

 百姫様は、とある金持ちとの結婚を了承したのでございます。

 その金持ちは、金だけは有り余るほど持っていましたが、それ以外は全て捨ててきたのではないかというほど酷い男でした。
 性格は最悪、見た目は醜悪、人望もなければ魅力もない。そんな男でした。

 その金持ちは百姫様にこう言ったのです。「ワシがお前を買ってやる。その金で、両親を救えばいいのではないか?」と。
 そして百姫様は……その悪魔の提案に乗ってしまったのです。

 こうして……百姫様の地獄が始まりました。

 金持ちにとって百姫様は妻などではなく、ただの姿形の良い人形、いえ、奴隷でありました。
 なので夜遊び朝帰り程度は当たり前、食事や掃除が少しでも気に食わなければ無抵抗の百姫様を殴り飛ばします。
 女を買って帰るのなんて日常茶飯事で、その片付けを仮にも妻である百姫様にやらせます。また庭師にトラをけしかけて楽しんだり、百姫様がよくしていた野良猫の首を首飾りにつけて送ったりと非道なことをします。
 人非人という言葉でも足りないくらい、それは鬼畜の所業でした。

 しかし、百姫様はその全てに耐えました。それもすべて、ご両親の治療のため。
 どうしても辛さに耐えかねたときは、百姫様は病床につくご両親の下へと向かいます。
 そうして辛い自分の境遇を押し隠して他愛無い話をする百姫様に、ご両親もまた病気の苦しさを隠して「もう少しだよ、もう少しだけの辛抱だよ。ごめんね……」と謝ります。

 外も地獄、中も地獄な人々の生活の中、百姫様も苦しみながら金持ちの妻として必死に生きてきました
 が、ある日その生活に大きな変化が訪れました。子を、宿したのです。
2018/06/02(土) 22:17:44.91ID:l2cABXdO
【前編、その2】(2/3)

 百姫様のその時のお気持ちは、言葉に表せません。
 金の恩があるとはいえ好きになりようもない金持ちの血を引いた子が、自らの身の内にいるのです。
 子に罪はない、そして自身はご両親から多大な愛情を注いでもらった。だけど自分はこの子を愛せるのか。憎んではしまわないだろうか。

 そうグルグルと胸の内に答えのない想いが巡り、それでも最初は耐えていたのですが、腹が大きくなるにつれ想いが大きくなっていき、気付けば百姫様はご両親の下へと向かっていったのです。

 自分の胸の内に沸いた嫌な感情をご両親に知られたくない、しかし今の自分の気持ちを抑え隠し続けるのはさすがの百姫様でも無理でした。
 なので、せめて重い話にならないようにだけ気を付けて、百姫様はご両親に子を為したことを伝えたのです。

 一通りお話を聞いたご両親の返事は、こうでした。「もう少しだよ、もう少しだけの辛抱だよ。ごめんね……」

 ここで、初めて違和感を覚えました。子を為したというのに辛抱とはなんなのだろうか、と。
 子が無事に生まれたからといって、百姫様の待遇は変わらないでしょう。何を辛抱するというのだろうか?
 ご両親の病気が治れば心痛が一つ減る、という意味で辛抱だと言われていたと思っていたのに、何かが違う?
 それだけではありません。病気を患った人は脂汗を流して苦しんで死に逝きます。なのに、ご両親は苦しそうな表情はしておりますが、汗一つかいておりませんでした。
 それにそもそもずっと薬を与え続けているのに、なぜ未だに病気が治らないのか。

 百姫様は少なからず疑念を抱き、関係ない話題を繰り返してご両親の反応をうかがいます。すると何度もご両親は、もう少しの辛抱だと繰り返しました。
 もう明らかにおかしい、そう思った百姫様は謝りつつご両親の布団を引っぺがしました。

 するとそこには……壺がありました。

 布団に隠されていたご両親の胴体のあるべき部分に、味噌壺くらいの大きさの壺が一つずつ二つ置かれておりました。そしてその壺から、ご両親の首がにょっきり生えています。
 壺から生えたご両親の生首は、何度も何度も辛抱だと繰り返し続けていました。
 あまりに異様な光景に、百姫様は大声で悲鳴をあげてしまいました。
533この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/02(土) 22:20:30.78ID:l2cABXdO
【前編、その2】(3/3)

「……なんだ、ようやく気付いたのか」

 百姫様が背後を振り返ると、そこには金持ちの男が立っていました。
 驚いて腰を抜かしている百姫様と、壊れたはっかけのように同じ言葉を繰り返す両親の生首を見て、金持ちの男はそれはそれは愉快そうに笑いました。

 そして金持ちの男は、全ての答えを教えてくれました。

「ワシは、実は鬼に連なる系譜のものでな。今は人間に化けておるが、本来は誇り高き鬼人の豪族なのだ」

 百姫様は問いました。あなたが両親をこんな目に?

「ああそうだ。妖の術でそういう風にした。だが別に良いだろう? お前もこっそりその親の生首に話しかけて慰めにしていたようだしな。お前が嫁いできたときにはすでに死んでいたんだ、むしろ長く両親と話せて良かったじゃないか」

 百姫様は問いました。知っていて、こんな酷い目に?

「先程も言っただろう? 死んでいたとはいえ、両親と長く接することができたのは事実だ。それにお前を手に入れるために疫病をばら撒いたり人心を惑わしたり手間をかけたんだ。簡単に壊れてしまっては大損してしまうからな」

 百姫様は問いました。なぜ私を?

「人と鬼との間にできた子は尋常ではない力を宿すのだ。ワシの命令に従うワシの兵隊がほしかったから、人間どもを困らせてから金で大量に女を買ったのだ。その中でもお前は特別だ。妖怪の中の占い師のような者が言っていたが、お前が孕んだ鬼の子は最強の力をもつらしい。
 単に力が強いだけでなく、動物と意思を交わし、決して死なない神通力も持ち合わせるそうだ。だからお前を手に入れるのを一番の目的として、こんな茶番をやったのだ」

 百姫様は問いました。人の世を惑わすこの悲劇の全てが、茶番?

「そうだ、ただの茶番だ。まったく煩わしい。人間なぞ鬼の供物としてただ食われていればいいものを。まあここは離島、おかげで時間はかかったが確実にワシの兵隊を増やすことができた。すでに鬼と人との間の子は幾人か生まれておる。
 お前の生んだ子を筆頭の護衛とし、ワシの最強の軍隊を作ってやる。そうしたら、フフフ、人の世をすべて支配するのも容易いだろうよ」
 百姫様は問いました。すべて、私の、せい?
「その通りだ」
 百姫様は金持ち、いいえ、鬼の見下した目を見ました。そして首だけになった両親と、外の阿鼻叫喚の地獄絵図と、自らのお腹の中の子を見ました。
 百姫様は、覚悟を決めました。
「おい、どこへ行く? どこへ行ったところで今のお前には何もできないぞ。産気づくまで大人しくしてろ」
 百姫様は引き留める鬼を一瞥し、大きなお腹を抱えて走り出しました。さすがに鬼も慌てます。
「おい、おい! どこへ行く!? おい、待て!」
 異変に気付き慌てて負う鬼と、逃げる百姫様。
 大きなお腹の妊婦と怪力の鬼とでは走る速度など段違いでしたが、住まう小島はもともと狭く、そして駆け出しが早く土地勘のある百姫様の方が目的地に着くのが早かったのでした。
 百姫様は崖の上で鬼に大声で怒鳴りました。
「お前の思い通りになるくらいなら、いっそ死んでやる!!」
「よせ!!」
 百姫様は鬼の手を逃れ、崖から飛び降りました。
 最後に感じたのはお腹の中の赤ん坊が元気よく蹴った感触と、畜生と叫ぶ鬼の雄叫びと、冷たく硬い水の感触と、自らの首が折れる音でした。

 こうして、百姫様は、死んでしまいました。
 しかし百姫様の覚悟も空しく、最強の小鬼が作れなかったことを鬼はあっさり諦め、「ならば数を増やそう」と小島に鬼を増やし続けました。
 ああ、めでたくなし、めでたくなし。

 ……と、ここまでが話の一区切り、前編です。この話は次の昔話へと続きます。
 日本人なら誰もが知る、あの有名な物語へ……。

 むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に向かうと、川上からどんぶらこーどんぶらこーと、それはそれは大きな……

 もも
534この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/03(日) 19:34:21.46ID:VJV0rAnE
>>522
さあメンテ終了〜、522氏の使用お題は『ガーターベルト』『メイド』『悩み』! 続、ハーレムパーティの旅路!
あらためて紹介しよう〜、短編スレ初期より生まれた、勇者タカシの俺ツエーシリーズは、最強勇者とお供女子で進むハーレムパーティ冒険譚だ〜
書き出し、どうした物かと頭『悩』ます勇者の目前には、ギャグボールを噛む犬系クノイチ・ボタンさんの姿〜、花柄の上着をまとい、網タイツを『ガーターベルト』で留める、半分エロゲの暗殺者w
魔物も怯える勇者らの圧倒的な膂力を前に、彼女の里は速攻陥落、生贄ライクな『メイド』姿にさせられパーティ加入! 一方パーティに入り込もうと手柄を狙うハルナ女史が竹林にヘルプ響かす、簀巻きオチww
スレ民にやいのやいの言われつつ安定感あるシリーズが、今更だけど522氏お題6個消化おめって感じで、台風一過・乙乙ENDだ〜〜
2018/06/03(日) 19:35:05.53ID:kmufs1wl
>>527
感想有難うございます
クラーケンは裏方として、襲撃を返り打ちにしたり、里を壊滅させたり、ハルナをふんじばったりしていますw

>>528
閉じた未来に風穴を開けるための選択
愛しすぎた故の悲劇ですね
悲しいお話です

>>531
本当は猟奇的なお伽噺
桃太郎が鬼を討ったのは、義の為か私怨か?
それとも百姫様の執念なのか?
536この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/03(日) 19:43:42.41ID:VJV0rAnE
>>528
力作続く、528氏が『バタフライエフェクト』『昔話』『悩み』を選択だ、give back!
かの名作、『昔話』、鶴の恩返しをモチーフに、528氏が語り始める〜
さあ、鶴を助けて帰宅した夫が、二人のなれそめ思い出す〜、妻がいつ消えるかと不安を感じる夫の『悩み』、そして、これで良かったのかと自問する妻の『悩み』〜、隠された過去いま明かされる〜
時空を超えた妻の思念が、話の骨格ほのめかし、過去への輪廻を繰り返す化生の鶴が現れる〜、感謝の鶴の憧憬は、いつしか恩人の生奪い、ねじれる後悔、自責の念! 物語の裏側は、間違いが起こした『バタフライエフェクト』だー
お題を消化した物語はラスト、自死を乞う妻の告白に応える、夫の回答、これは、彼女と再ループ、いやループ終焉か?! 今ここにある幸福を、今さら壊すが恐ろしい、タイムパラドックスがお題消化と哀しさ満点ENDを決めたァ!
2018/06/03(日) 19:45:19.33ID:kmufs1wl
>>534
いつも感想を有難うございます
果たして、このパーティーは魔王を倒せるのか?
まぁ、魔王と言ってもアレな訳ですがw
538この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/03(日) 19:51:07.68ID:VJV0rAnE
>>531
531氏の選択は、『昔話』『悩み』『誰かが雄叫びをあげる』、ザ・鬼退治・バックナンバー!!
さあ、物語が幕を開け、主役は婚期を逃しそうなのが『悩み』のヒロイン、百(もも)姫だ〜、飢饉、疫病、不遜な金持ちとの結婚〜、
追い込まれる姫様に両親がかける、もう少しの辛抱だと噛み合わぬ答え、ええっ布団の下には…「壺から、ご両親の首がにょっきり生えています」←怖すぎてワロタ
鬼の子宿した悲運の姫が身を投げて、鬼の雄たけびコダマして(『誰かが雄叫びをあげる』)、めでたくなし、めでたくなしと、531氏の饒舌が語る語る〜! ラスト、徹底的に救いのない物語がもたらした一縷の望みは…海の中の遺児ィ!?
531氏が桃太郎の出生を丁寧な筆で書き下ろし、『昔話』オチを再演だ! 見事だぜ、鬼が島の秘密、桃太郎の生誕、ストーリーの謎を解明しつつ、元の物語を百姫の思いが彩る重層化、バックナンバー・接続ENDで技巧を魅せたァ!
2018/06/03(日) 20:25:36.32ID:6YWTOIAp
浦島太郎、桃太郎ときて、次の昔話が何がいいか思いつかない・・・
3つくらい書きたかったけど、今回は2つで諦めて次のお題を待つか
2018/06/03(日) 21:52:30.80ID:kmufs1wl
使用お題:『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』

【神算鬼謀】(1/2)


 地中海もほど近い小国アルアーナ。この日、この国は国民の歓喜の声で沸いていた。
 圧政を敷いていた将軍、カルカリッツ・エイプマンが捕えられ、失われたと思われていた王家の正当な姫が、女王として即位したからだ。
 即位式のパレードは国民の笑顔で迎えられ、新王女ベアトリス・アルアーナもそれに笑顔で応える。
 しかし、その王女の視線が誰かを探している事に気が付く者は、その中には居なかった。

 ******

「……何時から、計画していた?」
「……やあ、探偵殿、貴方がこんな所に足を運ぶなんて珍しいね」

 街を一望できるカフェテラスで、一人の紳士然とした男が紅茶を嗜んでいた。
 ジャケットとスリムボトム、緩くネクタイを締めた男……探偵、歯車 鉄雄は、その紳士の目の前に座る。

「色々調べさせてもらったよ、軍部の動き、将軍の隠し財産……そして、15年前のクーデターの真相……」

 鉄雄の言葉に紳士が「クックック」と笑う。

「随分と仕事熱心だね? いや? 好奇心に忠実……と言った所なのかな? 将軍の依頼を蹴ったと言うのに、Nihonnzinnは、本当に勤勉だ」
「受ける訳はないだろ? 自滅に付き合うなど御免だよ」

 一頻り笑ったのか、紳士は肘を机につくと両手を組む。

「少し、昔話をしようか」
「何?」
「昔々、ある所に小さな小さな国があった。その国の王は無能で、小心者。常に家臣の顔色を窺って、国民に圧政を敷いていた。」
「……それで、将軍を焚き付けたのか?」

 鉄雄の言葉に、紳士はニヤリと笑みを浮かべる。
2018/06/03(日) 21:54:31.05ID:kmufs1wl
【神算鬼謀】(2/2)


「当時、まだ30代だった将軍は、野心に溢れていたさ、『自分ならもっと上手くかじ取りが出来る』とね」
「だが、実際は同じ様に圧政を敷き、こうして引き摺り下ろされている」
「人間だれしも、自分の姿は良く見えないものだよ? あぁ、探偵殿、貴方は違うようだがね」
「そっくりお返ししよう、怪盗紳士。僕は君以上に怪盗らしい怪盗を知らない」

 探偵の頼んだ珈琲が届き、二人は無言でそれぞれの飲み物を喫った。

「幼い、少女が居た」
「うん?」
「利発で聡明、そして心優しい少女だった……」
「……成程、その為か」
「……」

 紳士は応えず、探偵は続ける。

「新王女がクーデター時に匿われていたのは、公爵家に連なる市井の夫婦だったそうだね?」
「そう聞いている」
「しかし僕の調べでは、あの公爵に親類縁者などいない……巧妙に隠されていたけどね」
「それは、不思議な事だね」

 紳士が肩を竦める。

「タイミングが良すぎるとは思わないか? 将軍の醜聞が明るみに出るタイミングにしろ、王女が発見されるタイミングにしろ……」
「そうかな? 歴史が動く時は一気に動き出す物だろう?」

 探偵……鉄雄の目が細められる。

「将軍の隠し財産、その内、美術品数点が今も行方不明だそうだ」
「……管理が杜撰だったんだろうね? 肥えた豚は、自らの厩舎を掃除などしないものだ」

 紳士が会計を頼み、席を立つ。

「お前は、何処まで見通している?」
「さぁ、私に判るのは、人の欲望だけだよ」

 鉄雄が椅子に座り直し、珈琲を口にする。

「姫さんからの伝言だ『ジョアン叔父さんによろしく』とさ」
「……彼女は、良い女王に成るよ」
2018/06/03(日) 22:00:23.40ID:kmufs1wl
何とか間に合いました……
2018/06/03(日) 22:08:34.54ID:6YvYcfjL
お題『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』『悩み』締め切り

【参加作品一覧】
>>498【怪盗バタフライエフェクトの悩み】1〜7
>>502【前編】
>>511【思春期地球防衛機デッカイザー】
>>522【くノ一ボタンの色々な冒険】
>>528【クレインエフェクト】
>>531【前編、その2】
>>540【神算鬼謀】
2018/06/03(日) 22:12:04.80ID:6YvYcfjL
前回の投票忘れてました。ごめんなさい。
『逆上がり』『雨』『女装』『音楽』『悪魔』『同性愛』『ガソリンスタンドI』
【得票数一覧】
>>469【因果応報】一票
>>436【悪魔の音楽会】一票
>>451【都市伝説「雨女」】一票
2018/06/03(日) 22:13:24.90ID:6YvYcfjL
えーとでは七つお題
>>546-552
この形式でもう結構経つけど、飽きてきたりあるのかな……
546この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/03(日) 22:14:36.77ID:xvd0i5De
『水着』
2018/06/03(日) 22:39:38.26ID:4pqdfGsy
イケメン
2018/06/03(日) 23:23:00.18ID:JYneFZnP
『年の差』
2018/06/03(日) 23:53:01.83ID:0XPWzzar
パニック
2018/06/04(月) 00:20:05.49ID:4JcYG6lK
遺伝
2018/06/04(月) 01:08:53.00ID:jwS2yLc+
『電車』
2018/06/04(月) 01:15:08.93ID:f5AXh0ml
『北欧神話』
2018/06/04(月) 01:25:14.45ID:AMRokzN8
☆お題→『水着』『イケメン』『年の差』『パニック』『遺伝』『電車』『北欧神話』より三つを選択
※二つ以下、四つ以上は不可

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→6/10の22時まで

☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。締切6/6の22時

【見逃し防止のため、このレスに安価してください。】
554この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/04(月) 07:48:54.60ID:VCmnpdqN
>>541
前回お題の最終日、541氏が駆けつけ一杯『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』を選択だ、ザ・フィクサー!
おー懐かしいな! 前スレ年越し総力戦より再来だ、歯車探偵シリーズは、探偵・歯車 鉄雄と世を騒がす怪盗紳士の交流描く、物語〜
さあ女王即位が描かれて、場面は転じ街を一望するカフェテラス〜、男の前に探偵座り、少し『昔話』をしようかと、愚帝の末路と将軍失脚、語られる〜
歴史のフィクサー『怪盗』紳士、その八面六臂に何処まで見通していると、鉄雄さんが『バタフライエフェクト』能力を予感する〜(まさか正体>>498じゃないだろなw
お題を消化しラスト、ヤツがやったと知っている〜、新王女も知っている〜、冷たく醒めた仮面の下で、誰より熱きを滾らせる、その名も義盗・怪盗紳士! 男らが内心熱きを認め合い、こいつァまるで短編スレだと、ニヤリ微笑むフィニッシュだッ
555554
垢版 |
2018/06/04(月) 08:55:59.24ID:qv97r9eg
正確には540氏
新女王でした
失礼
2018/06/04(月) 10:37:51.36ID:jwS2yLc+
>>554
感想有難うございます
最初は、怪盗バタフライエフェクトにしようかと思ったのですが、キャラが違うかな? とw
2018/06/04(月) 20:53:05.27ID:ZTTtb2ax
>>553
使用お題:『水着』『パニック』『電車』

【気が付けば終着駅】


「くああぁ〜……」

 大きな欠伸を一つする。夜更かしをし過ぎたせいで眠いが、ゲームを止められなかった自分の自業自得なので文句も言えない。
 正直、会社になど行きたくは無いが、日々の生活を行う為には稼がなければならないので、俺は仕方なしにいつもの電車に乗った。
 快速でも急行でも準急でも無く各停に。座れるからと言う理由だけでそれに乗っているのだが、朝から疲れたくないのだから仕方ない。
 最寄り駅から2駅目が乗換駅の為、結構な人が乗って来る。
 俺は、それを座ったままぼんやりと見ていた。

 スイマーが居た。水中眼鏡とブーメランパンツの水着姿の……

 俺はあまりの事に思わず目を逸らした。
 周囲を伺うが、気が付いていないのか、回りの人間がパニックを起こす様子はない。
 本当に? こんな狭い車内でこれだけ人がいて、俺以外気が付いていない等あり得るのか?
 もしかしたら自分以外の人間には見えていないのか?
 だとしたら、こいつは何なんだ?

 ガタン、と電車が揺れる。

 俺はゴクリと唾を飲み込み、視線を上げた。

 いる。

 見間違いじゃなかった。
 何故、誰も見向きをしないんだ?

 本当に……俺にしか見えていないのか?

 いや、違う。回りの人間は確かに避けている。ほぼ満員といって良い電車の中だ、アレに当たらないようにするには、避けるしかない。
 だったら、何故?

 ガタン、と、電車が揺れた。

 目が……合った? いや、気のせいだ、相変わらずアイツはそこに……

「!!」

 真正面から顔を覗き込まれ……いつ、動いた?
 顔を挟み込む様に押さえられる。視線が逸らせない。
 水中眼鏡の中の目と俺の目が…………
 いや、無い何もない。
 水中眼鏡の中には何もない。
 俺は……

 スイマーがニヤリと笑った。
558この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/04(月) 23:10:56.63ID:gv2anKn7
このあと、めちゃくちゃアレした
559この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/05(火) 08:45:34.55ID:MjwOCEHq
>>557
お題『水着』『パニック』『電車』を選択して新たな怪談を創生するぜ、ブーメラン・パンツ・メーン!!
さあ、夜更かしし過ぎた語り手が、『電車』内で各停のんびり、大あくび〜、乗換駅の乗客まぎれ、姿を見せるはブーメランパンツの『水着』の男ォ!?
なぜか『パニック』起こさぬ乗客に、いぶかしみつつ、男と目が合い〜、ラスト! 誰もが視線を逸らすスイマーに、気付かれ・魅入られ・終着点!
先の透けたゴーグルは、人ならざるモノの証だぜ〜、見てはならん、見てはならんと、しかしそう言われるほど気にはかかるが人のサガw
知らぬ存ぜぬ通せぬ者を、餌食にかけるスイ魔ー登場って感じで、557氏が熱帯夜を涼感もたらす都市伝説をキメたァ!
2018/06/05(火) 08:50:40.27ID:dFT4QO19
感想を有難うございます
まぁ、駄洒落ネタなのですがw
561この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/05(火) 08:56:57.68ID:MjwOCEHq
睡魔ーw
2018/06/06(水) 20:57:27.41ID:W0LaqnKg
>>553
>>528【クレインエフェクト】 に一票。短編でよーループ物書けたなぁと感心したから

今回天啓が降りてこないなぁ・・・なにか、なにかないか
563この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/07(木) 22:06:48.90ID:VIG5I/3+
>>553
>>498【怪盗バタフライエフェクトの悩み】に一票。
2018/06/08(金) 00:49:27.32ID:psBJsMqJ
無理矢理お題消化した作品に入れるのか
565この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/08(金) 10:31:14.06ID:6I1hJUUa
ていうか今週はまだ作品ひとつしかないのな
2018/06/08(金) 10:49:59.30ID:1ihQxV8u
正直難しすぎた気はするw
2018/06/08(金) 11:20:34.14ID:8U14/Slo
いや、思い付いたは思い付いたんだけど、無難すぎて書く気がしなくてな・・・
インパクト強いのじゃないと書く気が起きないマンなので許して
2018/06/10(日) 20:56:48.27ID:5w0cq96N
>>553
使用お題:『イケメン』『遺伝』『北欧神話』

【アースガルドシンフォニー】(1/2)


『俺に首輪をはめられるのはお前だけだ』
「キャ―――――――!!」
「救流兎、ちょっと騒がしい」

 餓狼 焔里にそう言われ、トリップしかかっていた乃流 救流兎は周囲を見回し頬を赤らめる。幸い、コーヒーチェーン店の店内は盛況で、彼女の方に注目している者はほとんどいなかった。

「……良くゲームにそれだけ入れ込めるよね? アタシには分からないなぁ」
「エンリちゃんの意地悪! だってカッコイイんだよ? 乙女の憧れなんだよ?」
「…………まずそれが分かんない」

 救流兎が手に持っていた携帯ゲームの画面を焔里の顔面に押し付ける様に前に出す。画面には救流兎イチオシのイケメンキャラクターが映っていた。
 携帯ゲーム「アースガルドシンフォニー」は、北欧神話の登場人物達の遺伝子を受け継ぐキャラクター
を育てて、アイドルを目指しながら恋愛すると言う乙女ゲーである。
 乙女ゲーである為、その登場人物は全てイケメンで、その中からアイドルとして5人のキャラクターを選び、それを育てる訳なのだが、その中の一人、フェンリルの遺伝子を受け継ぐキャラクター“フェンリル”が彼女の推しメンらしい。

「フェンリルは、孤高の一匹オオカミだけど少し寂しがり屋で、毒舌屋さんだけど、本当は優しいんだから!!」
「あ、うん」

 「一匹狼なのにアイドルグループなんだ」等の突っ込み所が気になったが、目がグルグルと渦巻いている様な救流兎の迫力に負け、焔里は口を噤む。
 こうなってしまうと、親友が止まらなくなるのはいつもの事だからだ。

「とにかく!! カッコイイんだよ? キュンキュンするんだよ!! 分からないかなぁ? エンリちゃんもやってみなよ、はまるよ? と・く・に! フェンリルルートは絶対おすすめなんだからぁ!!」
「……アタシは良いかな?」
「エ――――!! なんでぇ―――!!」

 ******

「……無理だって、本当……」

 大きな溜息を吐きながら、それでも焔里は腕を振るった。眼前に居た蛇の特徴を持った異形の者は、彼女から出る鋭い爪を形作るオーラを受け消滅する。

「おー、お疲れさん! いやぁ、フェンリルは今日もカッコ可愛いねぇ」
「……」
「って、ちょ!!」

 そう言って近づいて来た男に向かい、焔里は無言で腕を振るう。
 ピシリと固まった男の背後にいた異形の者が、そのひと振りで消滅した。

「油断し過ぎ、そんなんだから、アタシに食われて終わったんだよアンタ」
「あ、あー、でも、可愛い娘に食べられるなら本望かな? オジサン的に」

 焔里が目を細める、青白いオーラが立ち上がると、オオカミの様なシルエットを形作る。

「茶化しすぎですよ? オーディン。それでなくとも彼女、真面目なんです」
「おー!! トール! そっちも終わったかな?」
「はい、滞りなく」

 月光の降り注ぐビルの屋上に、音も無く舞い降りたトールは、その場で大槌を振り回しながらそう言う。
 そうこうして居る内に、異形の敵、ニッズホッグを倒し終えた仲間達が一人、また一人と集まって来る。
2018/06/10(日) 21:01:12.43ID:5w0cq96N
【アースガルドシンフォニー】(2/2)


「やっぱり無理」

 焔里は眉間に皴を寄せながらそう呟いた。北欧神話の神々、その遺伝子を現在に覚醒させた者。それが彼女達、エインヘリアルであった。
 携帯乙女ゲーム「アースガルドシンフォニー」に出るキャラクター達は、全て彼女達をモデルとしている。ただし、全員がイケメンとして。
 それ故に、モデルにされた元の人達を知る焔里としては、そのゲームで仮にとは言え恋愛云々をする事に忌諱感があった。
 ましてや救流兎のイチオシのキャラクター、フェンリルのモデルは自分なのだ。それでプレイなど軽く羞恥死できるだろう。

「はーいはいはい、皆、お疲れ〜」
「ロキか……」

 手を振りながら、角笛を持った少女を傍らに現れたのはロキ。今のエインヘリアル代表にして、携帯ゲーム、アースガルドシンフォニーを作った会社の社長でもある……つまりは諸悪の根源だ。

「さて、この辺のニッズホッグは粗方かたずいたよね? ヘイムダル」

 そう訊ねられ、ヘイムダルと呼ばれた少女はコクリと頷いた。

「はーい、それじゃぁ今宵はこれで解散!」

 その掛け声に、エインヘリアル達が思い思いに消えて行く。
 焔里も帰ろうとした時、その肩をロキに押さえられた。

「何?」
「焔里ちゃ〜ん、そうつれなくしないでよ、母さん元気?」
「……」

 ピシャリと焔里がロキの手を振り払う。

「……別れた妻の事なんて忘れて、新しい恋人の事を心配なさってはどうですか? 亜神社長?」
「おおう、娘が他人行儀に!! お父さん傷心!」

 ピクリとコメカミが反応するが、相手をすればする程この男が喜ぶと知っている焔里は、フイッと顔を背けると、一跳し、ビルの谷間に身を躍らせた。

「やれやれ、反抗期かなぁ? どう思う? ヘイムダル?」

 ヘイムダルは目を逸らした。

 ******

「ねぇエンリちゃん! 見て見て、隠しルートが解放されたよぉ!!」
「……あ、うん」
「今度は“ロキ”が攻略できる様に……」
「救流兎、止めて、それの攻略だけは本当、マジで、止めて? お願い!」
「え? でも……」
「お願い!!」
「う、うん」

 あまりにも必死な焔里の様子に、救流兎は頷くしかなかったと言う。
2018/06/10(日) 22:03:17.50ID:dcGlmlR/
お題『水着』『イケメン』『年の差』『パニック』『遺伝』『電車』『北欧神話』締め切り

【参加作品一覧】
>>557【気が付けば終着駅】
>>568【アースガルドシンフォニー】
2018/06/10(日) 22:07:15.86ID:dcGlmlR/
投票、個人的な負担分散の為に水曜締切にしてたんですが水曜以降もちょいちょい票が入るのと、結構忘れる(すごく申し訳ないorz)ので今週からお題と同じ日曜日に締めます。

お題『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』『悩み』投票締め切り

【得票数一覧】
>>562【クレインエフェクト】一票
>>563【怪盗バタフライエフェクトの悩み】一票
2018/06/10(日) 22:09:04.02ID:dcGlmlR/
安価間違えて本当に申し訳ないです
投票のレスにしてしまった……

>>528【クレインエフェクト】
>>498【怪盗バタフライエフェクトの悩み】
2018/06/10(日) 22:09:49.74ID:dcGlmlR/
気を取り直してお題安価取ります
>>574-580
574この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/10(日) 22:10:26.43ID:mmCf9PWR
『インターネット』
2018/06/10(日) 22:12:28.01ID:ozhBrcQ2
『オカルト』
576この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/10(日) 22:21:21.07ID:gSaRhvky
『新人賞』
2018/06/10(日) 23:19:42.69ID:OIun2QXa
『講演』
2018/06/11(月) 00:13:32.68ID:BAsbnuH/
『自己紹介』
579この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/11(月) 00:45:51.72ID:uKRLkSRx
『チェンジ』
2018/06/11(月) 01:10:30.85ID:0uEFxv6Y
『召喚』
2018/06/11(月) 01:22:50.84ID:zzyzfprh
☆お題→『インターネット』『オカルト』『新人賞』『講演』『自己紹介』『チェンジ』『召喚』より三つを選択
※二つ以下、四つ以上は不可

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→6/17の22時まで

☆平行して投票を行います(試験運転)→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。

【見逃し防止のため、このレスに安価してください。】
582この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/11(月) 08:08:21.60ID:yVWWYIwK
>>568
高難度だったか前回お題、『イケメン』『遺伝』『北欧神話』を選んで開幕、北欧神話と父と子と〜
さあ、乙女ゲー「アースガルドシンフォニー」のテーマは『北欧神話』、登場人物達の『遺伝』子持ったキャラクターによる、育成アイドル恋愛ゲーだ〜
ゲーム内『イケメン』の殺し文句に歓声あげる友人に、苦々しい顔する焔里さん〜、彼女の正体こそマジで北欧神話の遺伝子持ったモデルこと、戦闘部隊エインヘリアルの一員だ〜ゲームの開発者・親父をはねつけラスト!
友人がアイドルゲーの隠しルートを開放し、出てきた攻略対象は親父・ロキw ただでさえ複雑な関係なのに、親父の攻略中継なんて耐えられないw
子の心、友知らずオチ! 職人568氏が難題『北欧神話』を己のテイストに取り込んで、お題6個をフル消化だッ、親子の愛憎・入り乱れ、攻略拒否ENDでシメてくれたぜ、乙乙ッー!
583この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/11(月) 08:11:51.30ID:yVWWYIwK
ん、あ、お題は全7個だったかw
2018/06/11(月) 10:44:22.70ID:0uEFxv6Y
>>582
感想有難うございます
『年の差』を含めた短編も考えてはいたのですが、上手く纏まらず断念しましたorz
2018/06/12(火) 12:51:16.66ID:0DFBHVkB
>>581 今回は書けた。良かった……

使用したお題:『自己紹介』『チェンジ』『召喚』

【異世界召喚】

「あーぶーらかたぶらこっかどぅどぅるどぅえろいむえっさいむうんぬんかんぬん……。
 さあ、出でよ、異世界の勇者よ! 我らの世界を守るためにいざ、参られい!!」
「うわ、な、なんだここは……」
「あなたが異世界の勇者様ですか。よくぞ、よくぞ参られました」
「え、異世界の勇者? よくわかんないけど、あれ、俺召喚されたとか?」
「そうでございます……。あなたこそ我が世界を救う勇者様です!」
「まじか、ゲームの新作が早くやりたいからって久しぶりに家の外出て店まで買いに行って良かった! トラックに引かれそうになってうわって思ったらまさかこんなところに出られるなんてラッキー!
 しかも異世界召喚に巻き込まれるなんて、本当にあるんだこんなこと! やったぜ、これからチート能力で敵をバッタバッタなぎ倒し、可愛い異世界美女のハーレム作れるんだ!!」
「……ところで勇者様。異世界でのご職業はなんでしたか?」
「え、し、仕事は、その……そんなことはいいじゃないか! 俺がニートでも、チート能力さえあれば最強の勇者に……」
「チェンジで」
〜〜〜
「(前略)さあ、出でよ、異世界の勇者よ! 我らの世界を守るためにいざ、参られい!!」
「きゃっ、なに!? いきなり変なとこに来ちゃった?」
「あなたが異世界の勇者様ですか。よくぞ、よくぞ参られました」
「ちょっと! 異世界とかよくわかんないこと言ってないで早く元の場所に戻しなさいよ! 私さっきまでホストのケンジと一緒に楽しく飲んでたんだから! あんたみたいな変な奴お呼びじゃないのよ!
 それにいきなり変なとこ呼びだされて地面に腰打っちゃった衝撃で、服のボタンが取れちゃったじゃない! もう、私の着られるサイズのドレスってオーダーメードじゃないと無いのに……」
「チェンジで」
〜〜〜
「(前略)(中略)参られい!!」
「あれー、ていうかマジヤバクない? なにここキショイー、写メとってSNSのっけよ。しかもこの変なローブのおっさんウケルし。
 コスプレ? ねぇ、それコスプレ? おっさんなのにコスプレしてるとかちょーウケ……」
「チェンジで」
〜〜〜
「(以下同文)」
「あ゛? ワレなに人様を拉致ってんじゃコラ? 事務所言って話しあおか? さもないとイテコマシたるでコラ?」
「チェンジで」
〜〜〜
「えー、なんか変なとこいるしー。あーあ、せっかくダイエットしようと思ったけどやる気なくしたわー。明日にしてカラアゲ食べようかしらー」
「チェンジで」
〜〜〜
「あれ、ここはどこ? さっきまで病室にいたのに……。あ、人工呼吸器が外れてる。このままだと窒息して死……」
「ちぇ、チェンジ! 早くチェンジで!」
〜〜〜
「……なんだここは、オレはなぜこんなところに? あ、すみません。ここはどこですか? さっきまで一人で空手の練習をしていたはずなのですが、なぜかこんなところに……。
困ったな、大会まで近いのに、このままだと確実に優勝するラインまでいけなくなってしまう。医大の勉強が忙しくてただでさえ練習時間が取れないというのに、どうしたら……」
「おおおおお! あなたこそ、あなたこそ我が世界を救う勇者様ですううう! お願いします、助けてくださいいいいいい!!」
586この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/12(火) 14:48:33.00ID:vuXlqNuF
>>585
好き
まさかそういう『チェンジ』の使い方をしてくるとは思わなかったw
2018/06/12(火) 15:14:20.38ID:JbbjlEs7
>>585
勇者召喚
呼ぶ方にも呼ばれる方にもドラマがありますね
とりあえず、チェンジシステムが有って良かったw
2018/06/12(火) 23:13:58.35ID:xXXWbBaf
>>581 久々に息抜き兼ねて書いた。

使用したお題:『オカルト』『召喚』『チェンジ』

【悪魔の召喚】

「ははっ! この俺がオカルトなんかにまた手を出す羽目になるとはな……」

 恐らくは自業自得という事なのだろう。今までの人生で好き勝手にやり過ぎたという訳だ。だが、こんなとこで死んでたまるか!

「おいこら! 逃げ回ってんじゃねぇぞ、出てきやがれ!」

 ヤクザの男がブチ切れた様子で俺を探し回っている。勝手に組の金を持ち逃げしてそれがバレたら、そりゃそうなるわ。つくづく調子に乗っていた。何をやってもこれまで失敗などした事はなかった。だからこそ調子に乗って金を盗み出したが、結果はこの始末。

「だけど、それでもこれさえあれば……!」

 俺が手に持っているのはなんの因果か幼い頃に、怪しげな婆さんに渡された一つの書物。その本には『悪魔召喚』の術が載っている。かつて虐待を受けていた俺は、それを使い事なきを得た。そこからは順風満帆な人生だったと言えるだろう。
 何をやっても上手く行くのだ。調子に乘るのも当然だろう。今考えるなら真っ当な生き方でも大成したのかもしれない。だが幼い頃の環境が悪かったせいか、そんな道は俺は選ばなかった。

 俺は暴力と金で全てが上手く行く世界しか知らなかった。そしてそれを辞める気は欠片もない。

「さぁ、悪魔よ。再び俺に失敗のない人生を!」

 その呼びかけに答えるかのように、悪魔が召喚されてきた。よし、これで俺の人生は安泰だ!

「……なんだ、折角の召喚かと思ったら既に契約済みじゃねぇか。こりゃあいつの契約者か。おい、契約満了の奴が来てるぞ!」
「……何、どういう事だ?」

「なんだ、もう満了になったのか」
「良いからさっさとチェンジしろ。契約済みの満了者なんか相手にしてられるか!」
「分かったからそう急かすな」

 ……なんだ? どういう事だ? 悪魔が別の悪魔にチェンジした……? この悪魔、どこか見覚えが……?

「思ったよりは早かったが、随分と美味そうな魂へと変わったな。どれだけの悪行を繰り返したのやら」
「……どういう事だ!? お前は……!」
「俺はかつてお前と契約した悪魔だよ。寿命が尽きるまで人生の成功を望んだのは貴様だろう?」

 そうか、見覚えがある筈だ。俺はかつてコイツと契約をして、その代償に……。

「悪行を働かなければ、より良い人生で寿命を全う出来ただろうにな。まぁこちらとしては美味い魂になってくれて有り難いが」
「ま、待ってくれ!」
「悪いが契約は満了した。報酬を回収させてもらおう」

 身体から力が抜けていく。そして得体のしれない何かに食われていく感覚がある。嫌だ、死にたくない! ふざけんな、なんでこんな事に! 
 次第に意識も薄れていき、いつ自分の意識が無くなったのかすら分からなかった。

「真っ当な人生を送れば、まだ50年は先だった筈だがな。淀んだ魂は美味かったぞ、外道」
2018/06/13(水) 07:34:48.07ID:yGA6UkBu
>>588
正に“命運は尽きた”と、言ったところですね
天国への道は細く険しく、地獄への道は広く穏やかと言います
困難でも、真っ当な生き方をしていれば、違った結末に成っていたのに……
590この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/13(水) 08:57:32.62ID:Q4PQ2uA/
>>585
お題『自己紹介』『チェンジ』『召喚』に挑戦、召喚リピート、オーバー&オーバー!
さあ、物語はローブの祭司が『召喚』呪文を唱えて開幕だ〜、呼ばれたニートが喜びの声とともに『自己紹介』、ん、しかし祭祀、これを『チェンジ』ィ!?
繰り返される召喚召喚、これちゃうこれちゃう、チェンジチェンジ〜、出てきたのはギャル、ギャル、ヤクザ、ギャル、瀕死の人だ〜、ギャル率w
ラスト、祭司がミスター文武両道の召喚に成功し、態度一転、拝み倒しのオチをきめ、585氏は『チェンジ』の使い熟しで賛辞を浴びてニッコニコ、お題・複数回消化で腕を見せたぜ!
誰だって行ってみたいな異世界へ〜、しかし忘れるな、選ぶ権利、それは召喚する側にだってあるはずだ〜、世界の行く先をそんな簡単に預けられるわけねえだろって感じで、運否天賦を力でネジ伏す、ガチャENDだッ

>>588
お題『オカルト』『召喚』『チェンジ』を選んで悪魔ものを描いた〜、短編スレ版・悪魔の報酬〜
さあ、『オカルト』にまた手を出す羽目になるとはなァ〜、って追われる男が魔術書のページを開くぜ〜
男は過去、悪魔『召喚』によって己が虐待乗り越え、悪逆の徒として過ごしてきた〜、ここで再び召喚に手を染め〜、って!? 魔術書の悪魔サイドが何やら混乱、いわく満了の客だ、『チェンジ』しろ、これ何の窓口業務だよバタバタわろた
先代の悪魔が出てきて、報酬回収オチだァw 悪の生が寿命縮める、因果応報バッチリ決めてお題をクリア〜
ラスト、死の淵しずむ語り手に向け、悪魔は語る〜、真っ当な人生を送っていれば、まだ50年は先だった! 災い転じて福となし、福は転じて災いとなる〜、588氏が幸運と不運を弄び、悪魔作者っぷりを愉しみENDォー!
2018/06/13(水) 21:39:37.92ID:wmcfehJH
今回のテーマで考えてたら、めっちゃ昔に見たSSを思い出して、久しぶりに読んでみたら泣けてしまった
パクって細部を変えてこっそり投稿しちゃおうかなと思ったけどやめたわ。あの作品を汚したくない
2018/06/14(木) 19:06:22.08ID:7QUCR48B
>>581 初挑戦!

使用したお題:『インターネット』『オカルト』『自己紹介』

【忍び寄る黒い悪魔】

 夏季休暇が明けたあとの大学で、パソコンに詳しいという友人から『メリーからのメール』について聞かされていた。
 それは今まさに僕が体験していることで、思わず飛び上がりたくなるほど驚いた。
 最初のメールは何気ない挨拶文と自己紹介文が並び、僕との交流を持ちたいという内容だ。
 翌日からはバイトから帰るたびにメールが届いており、内容は送り主の近況がしめていた。
 初めのうちは興味半分で返信をしてみたが、もれなく宛先不明だと返ってくるだけだった。
 誰かに相談しようにも、親しくパソコンに詳しい人間がそのへんにいるわけじゃない。
 最初のメールから一週間ほどが経ってようやく相談できると思っていたけど、まさか向こうから話を振られるとは思わなかった。
 僕の方からも症状を告げると、大仰な身振りをして現代のオカルトを体験できるなんてお前ついてるなと言われた。
 ちょっと強い口調で咎めると、友人は涙目で笑いながら種明かしをしてくれた。
 結局そのメールは、インターネットを介して感染したウィルスによるものだったらしい。
 後日友人が家に来て、首を傾げながらもパソコンを綺麗にしてくれた。
 それから気味の悪いメールが届くことなく一週間が過ぎて――――。

 再びメールが届くようになっていた。
 それも若干内容が不自然で、不定間隔に来ていた。
『メリーよ。いまゴミ捨て場にいるの』
『メリーよ。いま駅前の広場にいるの』
『メリーよ。いまタバコ屋さんの角にいるの』
『メリーよ。いま不細工な猫に追われているの』
『メリーよ。いまあなたの家の前にいるの』
 僕は恐怖を感じながら玄関を覗いてみたが誰もいない。
 恐る恐るチェーンロックを掛けて扉を開くが、すぐそこで隣の家の黒猫が寛いでいただけだった。
 再びパソコンの前に座ってニコニコチューブを見ていると、再びメールが届いた。
『メリーよ。いま目の前にいるの』
 見るとキーボードの陰から台所の黒い悪魔がでてきた。

〈おしまい〉
2018/06/14(木) 22:11:55.15ID:jDxtXfDr
>>592
面白かったけど、これ前半と後半繋がってないんじゃない?
前半のオカルトチックな奴は、「メリーさんウィルスが収まったあと、まさかの展開が!?」的なホラー落ち(もしくはギャグでもいいけど)にした方がいいと思うし、
後半のメリーさん(G)は違う掘り下げ方、例えばそれこそギャグ路線とかで読みたかった。着眼点自体はすごくいいと思ったけど・・・
2018/06/14(木) 23:10:51.21ID:7QUCR48B
>>593
感想ありがとうございます!

やっぱり無理がありましたか
「友人が首を傾げながらもパソコンを綺麗にした」というのは、
「ウィルスに感染してないのになんでだ?とりあえずいらないアプリを消しておこう」
という表現のつもりでもありました
まあそれでも一週間ほどメール送信の空白ができた理由にはならないけど

ついでにどうでもいいことを言うと、メリーの言う「不細工な猫」は隣の家の黒猫です
2018/06/14(木) 23:24:42.13ID:/axbF7D8
>>592
最初のメリーさんのメール内容も見てみたかったですね
良く読むと、後半のメール内容が小さな者視線に成っているので、対比が見たいと思いました
でも、そもそも“黒き者”からのメールと言う時点で、結構なオカルトですよねw
2018/06/14(木) 23:52:38.08ID:LKXIT+28
連載の話の筆がめっちゃ進んでこっちの事忘れてたw

>>589
真っ当な人生さえ送れば、死後に魂は持っていかれるものの、事故をしても無傷だったり、病気になる事もなかったり、宝くじが大当たりしたりという人生でした。
悪行を繰り広げた事でそのトラブルの解消にそれらを使い果たした為にこうなったので自業自得ですね。

>>590
新規さん用の悪魔召喚の魔術書なので、すでに契約済みの人間が使う事は想定されてなかったっていうね。
悪魔の世界も色々大変なのでしょう。
それにしても悪魔作者ってw
597この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/15(金) 06:16:18.60ID:viEpKyQp
>>592
選択お題は、『インターネット』『オカルト』『自己紹介』! ホラー開演、忍び寄る黒き艶々のあいつ!
初登場592氏が描いてみせる、夏季休暇明けの大学生〜、彼のメールボックスに届くのは、メリーさんの『自己紹介』と挨拶文〜
こんな『オカルト』体験できるなんてツイてるなと、友人が『インターネット』をクリーンアップ、
しかーし、メールは止まらず戦々恐々〜、さあお題を消化し、オチはどうなる、メリーさんが家の前〜、玄関の、扉あけたる主人公、そこには寛ぐ黒き猫、こ、コイツが黒い悪魔か!?
かかったな、ソレはフェイントだぜとゴッキー現れ、私でしたオチw 私でしたじゃねえよ、何めっちゃメールしてきてんのwって感じで、人類に対して永劫続く、あいつの嫌がらせEND〜! 初陣592氏がフェイント・フィニッシュをカサカサと決めてくれたァ!
598592
垢版 |
2018/06/15(金) 18:51:00.77ID:CGVGBxJw
感想ありがとうございます!

>>597
黒猫はフェイントのつもりじゃなかったけど、確かにそういう見方も出来ますね
黒猫が好きなので、猫を出すか→じゃあ黒猫で、といった流れでした
意図して何か仕掛けておけばよかったな

>>595
最初期の書き殴りから引っ張り出してみます
この時はまだ黒い悪魔じゃないどころか、オチと共に何も決まっていない状態でした

『始めまして。私はメリー。あなたと交流を持ちたいの』
『メリーです。ようやく地球についたの』

後付のメール内容としては
・家族が一杯いるよ、春に生まれた子供たちが元気に飛び回ってる
・たまには日光浴しなきゃね
・丸1日外出していたら美味しい食べ物を手に入れて食べ尽くしていたらしく自慢された(ホウ酸団子)
・みんな死んでいく…………悲しい
・気分を一新してこの家から離れることにしたよ、あなたにも会いに行くね
と言ったものでしょう、たぶん

いま考えると『僕』が受け取ったメール内容と『友人』の話すメール内容とで噛み合わないという描写を入れておくべきだった
2018/06/16(土) 17:13:05.03ID:mHO6u/9H
>>581
使用したお題:『新人賞』『講演』『自己紹介』

【ああ黒歴史よ】(1/2)

 以下は、実話のようで実話ではない、とあるとても悲しい出来事の一片を散々噛み砕いて誇張したものである。
 人の持つ大きな自意識、緊張したときにいらないことを口走ってやっちまった感、そういったものを以下から感じ取ってもらえれば幸いである。



 ……あ、もう喋ってもいいんですか? あ、そうですか。
 あー、マイクこれ大丈夫です? え? いや、大丈夫かって。なんか、音出てます? あ、出てる? 本当に?
 あー、あー。出て無くないですか? あ、出てる? 本当に? あー、あー。あ、出てますね。

 いや、すみません、こんな、ねえ。せっかくの新人賞の講演なのに、ぐだっちゃって。
 あはは、まあ、えー、はい。……なに言うんだったっけ(笑)。あー、すみませんねえ。ちょっと緊張しちゃって。
 こういう、改めた場面での挨拶っていうのをする立場になかったものですから。

 だって、こういうのって、なんか、ためになること言わなくちゃいけないじゃないですか? 人生の糧的なこと?
 校長先生みたいな? いやいや、無理だって、ねえ? 僕なんか若輩者にそんなの、何が言えるかって話じゃないですか?
 いや、まあ、まあ、ね。新人賞取っちゃったからね、しょうがないと言えばしょうがないんですけど、
 あ、取っちゃったって言い方はまずいですね、すみません、すみません。新人賞逃した方本当にすみません。

 こんな僕が新人賞取っちゃってすみません。ね。はー……もう講演時間無くなったんじゃないですか?
 あ、まだある? あ、結構ありますね、あはは。はー、それでは、自己紹介をしましょうか。はい、どうも。どうも。いや、いいですね。
 自己紹介とかやめましょう。まどろっこしいことをやめましょう。どうも、数いる応募者から何かの間違いで新人賞を取ってしまった者です。
 ね。ほんと、何かの間違いかって思いますね。こういったらなんですが、審査員の方は見る目ないんじゃないんですかね? 僕みたいなのを選ぶだなんて?
 僕のほかにたくさんいいのがあったでしょうに。どうして、わざわざ僕の奴に目を留めて、あげくこんな賞与えちゃって。ね。勘違いしちゃいますよー。
 才能あるって勘違いしちゃいますよー。
2018/06/16(土) 17:17:42.47ID:mHO6u/9H
【ああ黒歴史よ】(2/2)

 ね。ほんと、どうかしてますよ。世界、どうかしちゃってませんか? ここにいる人たちは、わかると思うのですが、世界に対する、違和感。ね。
 こういう、職業柄、ね。四六時中、心象を面白おかしく弄って遊んでいると、ね。
 わかっちゃいますね。世界がもう、歪んでるって。あ、もう駄目だなって。世界が崩壊しかけてるなって(笑)。
 わかっちゃう(笑)。皆さんは自分が誰だかわかっていますか? この世界で自己を明確に表現できる方はいらっしゃいますか?
 はい、手を挙げてみてください! ……あ、誰も手を挙げない(笑)。んー、まあ、そうですね。

 ぶっちゃけて言うと、誰も自分のことなんてわかってないんですね。自分のことも、他人のことも、何もわかっちゃいないで、この世界を生きるしかないんです。
 でも、みんなわかっている気でいる。それが僕には、我慢ならない。だから、世界が、嫌になる。
 僕は毎日夢を見ます。終わった世界の中で、血みどろの海に浮かんで、自分が殺した彼女のことを夢想する。ね。

 それが、僕が今回表現した小説なのです。あ、人生の糧、喋っちゃいましたね(笑)。
 時間もそろそろ、いいころなので、それでは皆様方、こんな僕のことを、よろしくお願いしますね?




 ……。
 ……。
 ……お分かり頂けただろうか。

 皆も、大きな場に立つときは気を付けよう。
2018/06/16(土) 18:14:40.89ID:8VpD0ALI
>>599
予想外な告白w
果たして何をどう“ヨロシク”したら良いのでしょう?
先ずは落ち着いて電話でしょうか?w
2018/06/16(土) 18:20:03.52ID:8VpD0ALI
何やら、ネタが被った気もしますが……

使用お題:『インターネット』『新人賞』『講演』

【故郷の錦】(1/2)


「ほうら、お父さんも、そんな怖い顔してないで……」
「煩い、地顔だ」

 妻、節子の言葉に、隆正は不機嫌そうに言った。

 街の人が勢ぞろいしているのでは無かろうか? そんな風に思える程に駅の前には人が集まっている。
 駅前には横断幕が張られ、待ち人を今か今かと待っていた。
 そうこうして居る内に駅に電車が到着する。鼠色のくたびれたスーツに黄土色のコート、手には土産の詰まった紙袋をこれでもかと持った男が改札から出てきた時、集まっていた街の衆がワッと沸いた。

「な、なんだぁ?」

 驚きに目を瞠っていた男は、横断幕に書かれた文字を認め、羞恥に顔を染めると共に苦笑した。

 ――――横山 清太郎センセイ お帰りなさい――――

 小説家、横山 清太郎の帰郷である。

 ******

 町長に注がれた、零れそうになる麦酒を清太郎は慌ててすする。

「いやぁ、清太郎センセイ、今回の講演を快く引き受けてくだすって、本当に助かりました」
「いえ、自分の話程度で良ければ……」
「はは、御謙遜を」

 機嫌よく呵々大笑する町長とは裏腹に、清太郎は曖昧な笑みを浮かべる。
 チラリと、横目で宴会場の隅で黙々と酒を呷る父の姿を確認し、小さく溜息を吐いた。

 清太郎の父、隆正。彼も清太郎と同じ小説家である……いや、清太郎自身は自分が小説家であると言う意識は薄い。
 彼の思い浮かべる小説家の姿と言うのは、一日中机に向かい黙々と筆を走らせ、時にはそれらを放棄し、また筆を進める。
 そして書かない時は、行き詰まった思考を落ち着かせる為に少しだけ休んで散歩等をしている……と言う、父の姿そのものだったからだ。
 それ故に、仕事の片手間に依頼を消化している様な自身をもって、“小説家”等と名乗るのはおこがましいとさえ感じていた。

 そもそも清太郎は小説家になど成ろうとは思っていなかった。今やっている仕事のストレスが溜まり、それを発散させようとインターネット上に細々と小説の様な物を書いたのが始まりであった。
 それがある編集者の目に留まり、「一冊にまとめてはどうでしょう?」と勧められた本が、何を間違ったか、文学の新人賞を取ってしまったのだ。
 当初は、こんな短編とも連載ともつかない様な小説モドキが賞を取る等とと、受賞を辞退するつもりだったが、そこは海千山千の編集に言いくるめられ、あれよあれよと言う内に新人賞、そして2冊目の本を出す事まで決まっていた。

 それ等の本が更に幾つかの文学賞を取り、話題と言う意味では都合が良かったのだろう。そうこうして居る内にエッセイの依頼なども来た為、それを受けたりしていたのだが……

 今回、帰郷したのは、それらエッセイで述べた内容を講演する為だった。
 既に故郷を離れ10年近く経つ。
 少ないながらも連絡のやり取りはあったが、それまで一度も顔を合わせて来なかった両親に会うには、良い機会だとも思った為、この講演を引き受けたのだ。
 嫁すら貰っていない、親不孝を続けて来た自分が少ないながらも孝行が出来るのでは? と言う思いもあったのだが、そんな両親とは駅で挨拶を交わした以降は、まるで話をしていない。

「はぁ……」
「おや、清太郎センセイ、お疲れですか?」
「え? あ、あぁ、そうですね、少し、疲れたのかもしれません」
「それは大変だ、旅の疲れでしょう、では、この辺で一旦お開きにして……」
「あー、いえ、それには及びません、少し、休憩してきますから」

 盛り上がる会場を目にし、清太郎はそう言うと席を立った。
2018/06/16(土) 18:23:11.43ID:8VpD0ALI
【故郷の錦】(2/2)


 ******

「結構、変化しているものだな……」

 宴会場のあるイベントホールの、ベランダに作られていた喫煙所で電子タバコを喫しながら、清太郎は郷里の風景を眺める。
 十年一昔と言う言葉も有る。彼の視界には、それまで無かった建物もちらほらと映っていた。

「清太郎」
「ん? あ、母さん……」

 声を掛けられ振り向くと、そこには母、節子の姿があった。皴の増えた顔で、しかし昔と変わらない笑顔を清太郎に向ける。

「まぁ、立派になったわねぇ」
「……偶々だよ、僕の実力って訳じゃない」

 母の言葉に清太郎が皮肉気に笑う。隆正がどれだけ小説に心血を注いでいたかを知っているだけに、周りに流されるままにここまで来た清太郎の心中は複雑だった。

「そう言うのも実力と言うのよ」

 節子が苦笑する。

「親父は……怒ってるかい?」
「何で?」
「いや、だって……」

 再開して以降、顰めっ面で黙ったままだっ隆正を思い出し、清太郎がそう言う。節子はくすくすと笑った。

「まぁ、心中は複雑でしょうねぇ、あのひと文学賞なんかには、とんと縁が無かったから……」

 「やっぱりか」と言う思いが清太郎の胸中に渦巻く。隆正の小説は、自身を体現する様な硬質な感じの物で有り、万人に受け入れられると言う類では無かったが、しかし根強いファンもいる為、生活に困らない程度には売れていた。
 しかし、自分はどうだろうと考えれば、偶々最初の小説が話題になり、編集者の営業手腕によって、続けて出した本も売れてくれたに過ぎない。
 つまりは一時の流行り病の様なものだ。

「悔しくはあるわよ、でも、それ以上に誇らしって思いも有るから、どういう態度をとって良いか分からないのでしょうね? だって、万年中堅作家のお父さんが、幾つもの賞を受賞している作家サマに、上から目線で『よくやった』……なんて言えないでしょう?」
「え?」

 その言葉に清太郎は思わず目を見開いた。隆正は古いタイプの人間である。
 だからこそ、インターネットで書かれた様な、軽薄と言われそうな自分の作品に対し憤りを抱えているだろうと思っていたし、そんな自分が“センセイ”等と呼ばれ、まるで一端の小説家の様に振舞っている事が気に入らないだろうと思ったからだ。
 それ故の、あの態度だと思っていたのだが……

「貴方は知らないでしょうけど、あのひと、最近ネット小説も書き始めたのよ? 誰に感化されたのかしらねえ」

 笑いながらそう言う節子の話に驚きながらも、“あの”父親のネット小説である。電子書籍すら敬遠しそうな隆正の意外な作品の情報に、清太郎は「探して読んでみなければ」そう思った。
 もっとも、「あの頭の固い親父は嫌がるだろうなぁ」とも思っていたが。

「だから、貴方の方から話し掛けて御上げなさい?」
「うん、そうだね」

 少しばかり予想外な父の近況に笑みが零れる。
 電子タバコをケースに仕舞いながら、清太郎は「麦酒を注ぎに行かなければ」……と、そう思ったのだった。
2018/06/16(土) 18:26:38.69ID:8VpD0ALI
そして安価を忘れていると言う体たらくorz

>>581
2018/06/16(土) 18:28:10.98ID:KpEPGEbd
あ、作品投稿が安価なんだね
投票する時に安価付けるのかと思ってた
2018/06/16(土) 18:40:41.88ID:8VpD0ALI
前は投票時だけだったのですが、代理さんの時に投稿時にもと成り、そのまま継続……と言った感じです
2018/06/16(土) 18:54:28.13ID:mHO6u/9H
>>601
感想ありがとうございます
オチが無くてちょっと紛らわしくなったかもですが
一応言っとくと殺人の告白とかではないです
ただ痛い痛い痛いと読んだ誰かがのたうち回る話です……
2018/06/16(土) 20:14:11.83ID:V5nd8k52
>>599
こういうの大好物、意味が分かると怖い話系。
だけど可能ならもうちょっと隠してほしかったかなぁ・・・隠すとわからなくなっちゃうかもしれんが
2018/06/16(土) 20:47:16.08ID:mHO6u/9H
いや違うんですよそういうアレじゃないんですよ
ただ痛い人間を書きたかっただけで……
あれ? 失敗したかな……
2018/06/16(土) 22:53:06.73ID:C0RyTztJ
>>599
講演する前にテーマを考えてないとこうなりそうw
というか俺も過去の殺しをポロリしたのかと思っちゃった
2018/06/16(土) 22:54:23.58ID:C0RyTztJ
>>602
講演そっちのけで宴会してるw
インパクトはないけど作中の雰囲気がいいな
612この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/17(日) 08:18:15.20ID:h1YIBqu3
>>599
お題選択は『新人賞』『講演』『自己紹介』だ、キリキリ舞い・スピーキング・ターイム!
さあ、599氏が描く、『新人賞』の受賞者が、『講演』会でマイクテス〜、スピーチ内容忘れた彼が、気を取り直して『自己紹介』、〜て言いつつやめるんかいw
このグダグダ感! アガっている〜イイ具合にアガっているぞ〜、卑下するためとはいえ、やれ審査員は見る目がない、やれ自分の才能は云々と、空気を読まぬ失言で、聴衆はもう冷え冷えだ〜
焦りまくる登壇者がテンパりながら問いかける〜、感じてるかい、世界に対する違和感をww 「皆さんは自分が誰だかわかっていますか?」←自分、自分、キャラを見失ってるのは完全に自分だよ!
混乱トークが厨二方面に転がって、こいつ殺人鬼なのかオチw ユニークな作品だ、技巧派599氏が文字だけでテンパりを描き切る、新機軸アガリ短編・爆笑ENDォ!

>>602
力作続いて、602氏がネタ被りで『インターネット』『新人賞』『講演』に挑む〜、錦を飾ろう、あの故郷〜!
さあ、主人公の帰郷を祝う人々の横断幕で物語はスタート〜、「お帰りなさい」の文字に戸惑う『新人賞』の小説家〜、『インターネット』の手すさびが、いつしか『講演』漕ぎ着けた〜
しかーし歓待受けるも上の空〜、小説家が気に留めるのは、酒を呷る父・隆正の姿〜、不安渦まく主人公、母が語るは驚愕の事実! あの漢・隆正が、ネット小説に手を染めたァ!?
宴会片隅で酒呷るのは、もはやいぶし銀のアイツじゃねえ! 帰ってきた息子の勇姿に頬緩む、一人の老いた父親だあ!
ラスト、理解しがたきを理解したいと互いに手伸ばす物書き親子、麦酒片手に距離縮め、ねぎらい祝っておつかれEND! 電子化親父・プリティーオチが決まったァ〜!
2018/06/17(日) 10:36:34.97ID:WmEswtj4
>>611
感想を有難うございます
テーマ的には、家族故の微妙な距離感を描ければ……と思い書いたものです
上手く伝わっていれば良いなぁと思いますが、どうでしょうね?

>>612
いつも感想有難うございます
可愛いお年寄りは自分的に“萌え”だと思ってます
同意者は皆無ですが……
いや老人専と言う訳でなく、何かほっこりすると言う意味でw
2018/06/17(日) 22:03:43.50ID:WmEswtj4
>>581
使用お題:『オカルト』『チェンジ』『召喚』

【疾風攻機ブロウゲイル】(1/2)


 クラッチを握りシフトを上げる。アクセルを回すと同時に滑らかに加速した。
 夜の高速、疎らな車の間を縫うように風祭 瞬はバイクを走らせる。
 増加する圧力が摂理に逆らったスピードを否定するが、瞬は身を固める様に頭を下げると、さらにアクセルを捻った。
 バイクは良い。自動車にはない、体で風を切り裂く感覚。全てを振り切り、ただ独り先へ進む興奮。

(先へ、もっと、もっとだ!!)

 ピピピー、ピー、ピピピピッ、ピピピー、ピー、ピピピピッ。

「チッ」

 舌打ちを一つ、瞬はレシーバーONにした。

『瞬、仕事だ』
「……はいよ……」

 端的に告げられ、座標がヘルメット内のモニターに表示される。
 瞬は前輪のブレーキをかけると、後輪を滑らせターンした。

 ******

 淡く光る魔方陣の中から怪物としか呼べないモノが這いずり出てくる。
 繁華街で有る筈の町の一角、そこは、不自然に街の明かりが消え、人通りも皆無だった。
 幾つもの乗り捨てられ、主の居なくなった自動車群の、その取り残された自動車一つの中で、女性が腰を抜かして顔を引き攣らせていた。
 どこかの噂では聞いた覚えがある。良く有るオカルト系都市伝説の類いだと思っていたモノ。

 “ラルヴァ”

 悪霊と言う名を付けられたその怪物は、闇夜の中から這い出し人を襲うと言う。現れる時に魔方陣を伴う為、何処かの邪悪な魔導士が召喚しているとか言う噂であるが、その真相を知る者は極少数の者だけだった。

 半透明の蜥蜴の様な形状の、ゲル状の肉体の中に人らしき肉片や骨の浮かぶ、吐き気をもようす様なラルヴァの姿、女性は短い悲鳴を上げ気を失う。

 のっぺりとした、目も鼻も無いラルヴァの貌。だが、生ある者を認識できるのか、取り残された女性に対し、巨体をくねらせると、途中にある無人の自動車を残骸に変えながら、その元までたどり着く。
 と、ラルヴァは、無貌の頭部をバックリと開いた。


 ババッ! ババッ! ババババババッ!!

 ラルヴァの体表が弾け、幾つもの風穴を開ける。
 だがその傷も、ゲル状の体が直に塞ぎ、致命傷とはならなかった。
 だが、ラルヴァの敵意を引くのには成功したらしい。ゲル状の背から幾本もの触手を伸ばすと、攻撃を仕掛けて来た敵に対して鞭の様に伸ばした。

 パスン! パスン!

 銃音が響き、その度に触手が寸断される。


『!! !!!!!! !!! !!!!!!』

 声なき悲鳴が闇夜に響いた。

 パパ―――――――――ヴン!!

 爆音が轟き、昏闇の中から鉄の塊が高速で飛び出す。
2018/06/17(日) 22:06:04.20ID:WmEswtj4
【疾風攻機ブロウゲイル】(2/2)


「アームドチェンジ」

 静かな声がキーコマンドを発すると、その鉄の塊……武装バイクは展開し、翔の体を鎧の様に包み込んだ。
 脚部のスフィアが回転し、エアロスラスタがバランスを制御する。
 その身にかかるGに舌打ちをしながらも、翔はガトリングガンをラルヴァの体にばら撒いた。

『!!!! !! !!!!!!』

 度重なる攻撃にラルヴァの怒気が膨らむ。背からの触手が、あたかもミサイルの様に射出され、武装バイクのスタンド形態“ブロウゲイル”に襲い掛かる。
 だが翔は、スフィアとエアロスラスタ―を駆使し、まるでダンスを踊る様にその触手を避けると、追撃のガトリングをさらに叩き込んだ。

『!!!!!! !!!! !!!!』

 ラルヴァがブロウゲイルの方を向く。完全に敵だと認識したのだろう。だが、翔はそれを確認すると全力で後退を選択した。
 すでに、怒りに支配されたラルヴァは、ブロウゲイルの後を追い足を走らせる。翔は、敵が思った通りに動いたのを見て、口の端を吊り上げた。

「追って来いよ、ここは死への一本道だ!」

 現場から十分に離れたと感じた翔は、ブロウゲイルの背面パックからエネルギーバイパスを引き出すと、ガトリングのグリップに接続する。
 ガトリングは砲身中央から二分割に割れ、その間にバチバチと放電が始まった。
 ラルヴァもまったく馬鹿と言う訳では無い。ドスドスと走りながらも触手弾をブロウゲイルに向かい発射し続ける。
 背面走行の上、加速重粒子砲の狙いを付けている翔に、それを避けている余裕はない。
 だが、鎧と成っているブロウゲイルの装甲は伊達では無かった。
 幾つもの触手弾が、掠り、間直で爆発するも、その装甲は凹みこそすれど、内部にまでダメージを通す事は無かった。

『!!! !!!!』
「次元の狭間に還れ!!」

 その一瞬、ヒョボッと言う音と共に、ラルヴァの体は四肢を残し消滅した。

 ******

 21世紀もとおに過ぎ、エネルギー不足は深刻な状況に陥っていた。
 そんなある時、科学者の一人が相違次元から“まだ何物にも成っていない粒子”を取り出す事に成功する。
 何物でもない粒子、シュレディンガー粒子と名付けられたそれは、エネルギー問題を解決する新たな粒子として受け入れられた。
 だが、その粒子こそ幻創世界で語られた“魔力”で有る等と誰も知り得る者は居なかった。
 魔力の満ちる時、幻想だと思っていたかつての怪物達が蘇る時である。
 今はまだ、都市伝説だとしてしか語られないそれらが、完全に復活した時、果たして人類に……

 ******

 朝の高速、疎らな車の間を縫うようにして走るバイクがある。
 風祭 翔、彼が人類存続の為の戦いに身を投じる事に成る等、彼もまだ気づいては居なかった。
2018/06/17(日) 22:07:11.62ID:WmEswtj4
時間をオーバーしてましたよorz
2018/06/17(日) 22:21:22.91ID:YZ/eoUZl
お題『インターネット』『オカルト』『新人賞』『講演』『自己紹介』『チェンジ』『召喚』締切

【参加作品一覧】
>>585【異世界召喚】
>>588【悪魔の召喚】
>>592【忍び寄る黒い悪魔】
>>599【ああ黒歴史よ】
>>602【故郷の錦】
>>614【疾風攻機ブロウゲイル】
2018/06/17(日) 22:24:14.76ID:YZ/eoUZl
今回の投票数一覧はありません。
2018/06/17(日) 22:26:04.28ID:YZ/eoUZl
久々に5つお題に戻してみたい

全部入りを挑戦しても良し
一つに絞っても良し

>>620-624
620この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/17(日) 22:26:27.71ID:H5k5+H/H
『参戦』
2018/06/17(日) 22:44:59.51ID:QB89QP6h
『その場しのぎ』
2018/06/17(日) 22:54:20.79ID:EIII2vlS
『病気』
2018/06/17(日) 23:19:28.79ID:BuzEY9Vf
2018/06/17(日) 23:24:20.38ID:JWq4kH5I
蕎麦打ち
2018/06/18(月) 00:37:42.72ID:t+WH0DEE
☆お題→『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→6/24の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>617より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
626この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/18(月) 08:38:16.87ID:+hLsfwfa
>>614
前回お題『オカルト』『チェンジ』『召喚』をチョイスして刻限すぎて見参だ! ブロウゲイル・ガトリング〜
とある『オカルト』系都市伝説の噂によれば、明かりの消えた街角で、魔導士がラルヴァなる怪物を『召喚』していると言う〜
ってことで魔方陣から現れた、半透明のトカゲこと、人間食らって消化中のゲル野郎がお目見えだ! さあ、コイツに風穴あけるのは、「アームド『チェンジ』」を叫ぶ風祭さん〜、エアロスラスターとダンスを踊る〜、
ここが死への一本道だ! 熱いぜ! 銃撃戦で追い足走らせ、お題消化の物語、熱く弾けるガトリングの銃身が、放電帯びて決め技炸裂〜ッ、ってあれ、これ途中END?w
声なき悲鳴を夜に響かせ、風を切り裂くブロウゲイル! 人機一体の殲滅戦は、まだまだ描き足りねえといった感、続編の存在を予感させる寸止めオチで迸る閃光を魅せたァw
2018/06/18(月) 08:58:44.18ID:I0IRUnPL
>>626
感想、いつも有難うございます
帰宅後、急いで書き始めたのですが、〆切、10分前に慌ててまとめて投稿したのですが、結果、過ぎていると言うorz
2018/06/18(月) 09:06:28.06ID:kRd6Du2p
言っちゃ悪いけど自分にとって7‐3お題は、やりやすいけど書く気が燃えなくて困ってた。
久しぶりの5‐自由お題だからちょっと本気出すぜ?
2018/06/18(月) 12:20:30.31ID:InvuyAKR
>>625 全部選択!

使用したお題:『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』

【長年の夢】

「父さん、待てって!」
「えぇい、離せ!」

 病院のベッドで大人しくしている事を拒む父を何とか宥めてみるが、大人しく言うことを聞いてくれない。

「長年の夢がようやく叶うって時に病気でもないのに大人しくしてられるか!」
「父さんが定年後に蕎麦屋をやるのが夢だったってのは分かってるけど、そんな状態で行ってどうすんだよ!?」

 いつも蕎麦打ちの特訓をして、家族に振る舞っていたんだ。それくらいは知っている。先週、念願叶って蕎麦屋を開店したばかりだから気持ちもよくわかる。だが今行ったところで、その場しのぎの対処すら出来ないだろう。

「あそこは蕎麦屋の激戦区なんだぞ! そんな所で開店してすぐに閉めた日にはあの立地に参戦した意味がないだろうが!」
「だから、もう少し離れた場所にしろって言っただろ! それならここまで焦る必要も無かった!」
「くそったれ、なんでこんな事になっちまったんだよ……」
「父さん……」

 激戦区の中に作った個人店だ。その場しのぎの対応でどうにか出来る話じゃない。そもそも開店したばかりの父の店には蕎麦を打てるのは父しかいない。後は知り合いの子がアルバイトに来ている程度だ。
 定年を迎えるまでに自宅で蕎麦打ちを鍛え、父の友人の蕎麦職人の指導も受けて大丈夫だろうと太鼓判を押されて、退職金を使って開いた店だ。そりゃ悔しいに決まってるだろう。

「父さん、気持ちは分かるけどさ……」
「うるせぇ……。俺の何が分かる……」

 先週までは喜びに満ちていた父の悔しそうな顔を見ると心が痛む……。だけど……。

「くそったれ! なんでこんな時に事故で両腕を骨折しちまったんだよ!」

 交通事故で両腕を骨折してしまい、入院している父を見て俺まで悲しくなってしまう。だけど、腕の骨折だとどうやったって手打ちの蕎麦は作れないだろう……。
2018/06/18(月) 12:58:23.22ID:I0IRUnPL
>>629
料理マンガなら、主人公が助っ人を買って出るシュチュエーションなのですが……
現実は無情
動かなければ事態は好転しないけれど、これも天から与えられた充電期間だと思って、頑張って欲しいところですね
2018/06/18(月) 21:14:59.18ID:LnxGJnVA
というより変化がある方が良い
新しいお題の出し方もちょくちょく開拓したいね
2018/06/18(月) 23:24:09.10ID:t+WH0DEE
その辺の意見は随時受け付けてるよ〜
っていうかむしろ意見欲しいな
2018/06/18(月) 23:55:43.07ID:eMx95kJL
>>632
思いつきで

* 〇〇のお題は必ず含めること

* 相反するお題を組み合わせること
 (あるいは相反する二つを組みで募集するとか)

* 二つ(あるいは三つ)のグループから一つづつ選択すること
 お題募集時は Aグループ >>XX1-XX3 Bグループ >>XX4-XX6 Cグループ >>XX7-XX9

うーん、これだと複雑になりそうだ
2018/06/19(火) 00:14:42.42ID:45xz1th5
ジャンルお題と、これまでの5つのお題から自由選択とかは?
ファンタジーとか恋愛とかホラーのジャンル指定と、今まで通りの自由選択って感じ。

難易度上がりそうではあるけど。
2018/06/19(火) 01:44:41.69ID:aYvPeB02
>>625 初挑戦です!

使用したお題:「その場しのぎ」「病気」

{嘘から出た魔王}(1/2)

「なんなんだここは……」

 ただそこら辺を散歩していたはずが、眩い光に目がくらんだと思えば、どこかの城の王宮の中央に僕は立っていた。

「おお!勇者よ、よくぞ召喚に応じられた」

 言葉からして、この貫禄ある初老の男性が僕を謎の力によって呼び出したことはすぐに理解できた。期待の目に当てられて、僕は間髪入 れず言葉を発した。

「そ、そうとも!僕こそが元の世界では容姿端麗、頭脳明晰、公明正大。勇者の中の勇者とは僕のことだ!」
「なんと心強い!この方ならばあの忌まわしき魔王を退治してくれるだろう!」

 またやってしまった、僕は緊張するとその場しのぎのウソをついてしまう、いわゆるそういう病気なのだ。

「この世界に召喚されすぐに悪いが、魔王城にいる魔王を討伐していただきたい。」
「ふむ、そうか。それで仲間は?」
「なにを言うか勇者殿、あなた一人決まっているではないか、地図とお金はもちろん渡そう。」
「そ、それもそうだな。足手まといは必要ないぞ!」

 追い出されるように城から出た。なにもスキルなんて持ってないのに……。

******

 歩いていると、頭を覆える大きさのトカゲのような頭蓋骨が落ちていた。何もないよりはましだと思いそれをかぶった。と同時にとある 村につき、村人に話しかけられた。

「その骨はまさか、この近辺を縄張りにして悪さをしているドラゴニュートのものじゃないかじゃないか!」
「そ、そうとも!王宮からの命をうけて魔王を討伐しに来た勇者である!手始めにドラゴニュートを狩ってやったぞ」
「すごい!さすが勇者様だ!俺も旅について行きます!」
「かまわん、僕についてこい」

 勢いで仲間ができてしまった。もう逃げることすらできなくなってしまった。

******

 ある町では、僕がお尋ね者とぶつかり罵声を浴びせられ縮こまる中、憲兵がその者に気づき捕獲した。あえて弱気になりその場にとどめ た、とその場しのぎを言うと。賛美の言葉を投げかけられ、またついてきたいという仲間が増えた。
 またある町では、路頭に迷っている少女を哀れに思いお金を渡すと、実は神の使いであり、僕はその場しのぎでこれは神の恵みだ、とい うと少女は感銘をうけて仲間に。
 さらにある独裁者が支配する町では、世の中に絶望している少年と会い、世界は広いんだ、意思があればいいのだ、と石を拾い空に投げ ると、独裁者の像にぶつかり倒れ、壊れた。その破壊が革命の狼煙となり独裁者は退治され、少年は希望を取り戻し仲間になった。

******

その場しのぎでしのぎ続けるうちに数百人の大所帯になり、ついに魔王城についた。もはやこの人数だと魔物は襲ってこず、魔王の玉座ま で簡単に来れた。
2018/06/19(火) 01:46:49.95ID:aYvPeB02
[嘘から出た魔王}(2/2)
「……話は聞いているぞ、貴様が勇者か?」
「そうだ、僕が勇者だ」

肌で感じる程の敵意が魔王からとんできた。こんなのに勝てるわけない。絶望している中、仲間の一人が、魔王に向けて。

「勇者様はうちの村の悪さをしているドラゴニュートを退治したんだぞ!」
「奇遇だな、我が輩もだ。奴らは気性が荒くて困ったものだ」

またある一人が。

「お尋ね者もとっ捕まえたんだぜ」
「奇遇だな、我が輩もだ。若い頃、賞金稼ぎによく狩ったものだ」

また一人が。

「神の使いである私に損得勘定無しに恵みを与えて下さったのよ!」
「奇遇だな、我が輩もだ。七つの大罪を天界に神の代わりに持ち運んだのは骨が折れたぞ」

さらに一人が

「独裁者から救って、なおかつ希望をくれた!」
「奇遇だな、我が輩もだ。地獄を占領している閻魔に説得するのは苦労したぞ」

「〜〜した」「我が輩もだ。」「〜〜した」「我が輩もだ。」

 今まで、僕がしてきたことを全て魔王はこなしていた。スケールが大きく、きっと僕のようなその場しのぎのウソではなくマジだ。この ままだと、戯れ混じりで虐殺される。

「さてはおぬし……」

ああ、もうだめだ。

「我が輩のファンだな!?」
「そ、そうだ!魔族と手を取り合うには、リスペクトが必要だと思い、魔族の魔王である貴様を模倣したのだ!」

間髪入れずに、その場しのぎのウソを言った。もうどうにでもなれ。

「貴様のような人間を待っていた。同じ目線に立ち、手を差し伸べる人間を。」
「ふ、ふふふ魔王よ、貴様の生き様、王たる素晴らしさであった」
「何を言う勇者よ、我が偉業を自分なりに解釈するとは恐れ入ったぞ。」

 互いを尊敬し合いながら握手をすると同時に、人間側、魔族側から歓声が上がった。これから種族問わない平和が訪れるだろう。その場 しのぎで綴られた一つの物語。
637この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/19(火) 07:16:49.73ID:2xc1Zx2C
>>629
帰ってきたお題5〜、629氏が早速、お題全選択にチャレンジだ、ロング・ロング・バケーション!
さあ物語は、自営で『蕎麦打ち』するのが長年の『夢』、できたて蕎麦屋の店主こと、親父さんの嘆きの声でスタート〜
定年後、蕎麦の激戦地に『参戦』し、第二の航海に乗り出した親父さんが、このまま大人しくしてられるかと、悔しさを滲ませているー!?
『病気』じゃないけど『その場しのぎ』的対処すらできねえ通院状態、どういう状況…って、両腕・骨折でしたオチ〜ッ?! いったい何があったんだよw
短き中でもお題かける5フルクリア!! 速攻職人629氏が、戦地行きたく、じりじりジレて我慢ならねえ定年男の戦意を描いた、まだ待てまだ待て、ハウスハウスENDでお題5突破ァ〜乙!

>>635
選択お題は『その場しのぎ』『病気』〜、初登場635氏が描く、愛しき嘘と愛すべき勇者!!
さあ主人公は、緊張すると『その場しのぎ』のウソをついてしまう自称『病気』の勇者〜、相手の誤解を否定せず、むしろ勢い&ノリを武器にして、仲間を増やす快進撃だァ
お題は余裕で消化だが、慕う人々横目にしつつ、骸骨カブトの中の勇者は冷や汗たらり〜
そんなこんなをしのぎ続けて数百人w もはやデモ隊の様相を呈する異常なパーティを前にして、魔王城はもぬけのカラァ〜、口だけ勇者が玉座の魔王と敬意を交わし、血を見ることなくゲームクリアww
そう、真の平和とは、相手を認めることから始まるもの! 635氏が描いて魅せた冒険譚は、嘘でマコトをかわし抜き、足りぬ実力でっちあげで追っ付けて、冷や汗報われ笑顔こぼれる、大団円 ENDだァ〜!
638この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/19(火) 07:45:52.52ID:2xc1Zx2C
スレの容量制限512Kまで残、約50Kだね
早ければ次の回あたりで埋まるか
2018/06/19(火) 07:46:31.29ID:1YuESgWw
>>635
成り上がり物語ですね
優しい嘘は方便とも言います
世界が救われる嘘、素敵ですねw
2018/06/19(火) 15:26:55.98ID:fjGr+x/P
>>633
上の二つ実践しやすそうでいいね
次の締めで検討してみよう

>>634
ジャンル指定好きなんだけど、確かここまで二回くらいジャンル指定にしたときは「詩」とか激ムズお題になって余り盛り上がらなかったトラウマがあるw
これまでのから5つも確か初代進行さんが年末にやってたね。そろそろ上半期終わるしこの辺でやってみても良いかも。

>>638
ほんとだ
ここまでこのスレ内で何回締めたかなって数えたら次が10回目っぽいね、ってことは一回につき50kb弱くらいずつ消費してるのか……。平均的なら次回か次々回ってとこだね、スレがここまで続いて本当に有り難いことです
2018/06/19(火) 22:00:42.12ID:csHpLbm3
>>635
なんだか魔王側よりも人間側のほうが勇者にやっつけられてる感じだね
価値観が違う相手を排除したいというのは理解できるけど、
そこで魔王と同じ価値観のある勇者を召喚したのが間違いとも取れる
魔王が勇者一行にびびってやっぱり嘘を付いていたっていうのでなければ、だけど
2018/06/19(火) 22:59:32.54ID:aYvPeB02
>>673 感想ありがとうございます!隅々まで見てくださり感謝感激雨霰でございます!

>>639 感想ありがとうございます!誰も傷つかないような世界を目指して書きました!
2018/06/19(火) 23:00:33.73ID:aYvPeB02
>>641 感想ありがとうございます!コメディに寄りすぎてご指摘の通り、話の整合性が取れなくてなってしまったかなと反省しています。
投稿した後に作品の補足をするのは蛇足感がありますが、勇者一行を下手に刺激すれば暴動が起き、疲弊する可能性があるので魔王が通すように命令しました。
勇者一行との戦闘準備は実はしていたので、魔王はびびってはいませんでした。心情の描写がたりなかったかなと猛省しております。
2018/06/19(火) 23:41:02.20ID:csHpLbm3
>>643
あやふやな部分を色々想像できるのも文学に限らず創作物の楽しみ方の一つだから、
あまりガチガチに固められるのも困りものだと思うよ
中には全ての描写が欲しいって人がいるかもしれないけど、そのへんはバランスだよなあ
2018/06/20(水) 20:42:55.46ID:BzcwydLp
>>625 お題全部

選択したお題:『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』

【拒絶】

 夏休み中の最後の夏期補習が終わり階段を降りた所で、廊下に佇む一つ上の幼馴染に声を掛けられる。
 すでに耳へと届いていたようで、僕が学校に内緒でこっそり参戦していた全日本高校蕎麦打ち名人大会における個人の部の予選通過を祝ってくれた。
 家がうどん屋ということもあってうどん派の幼馴染だが、蕎麦が嫌いなわけじゃない。それどころか僕の打つ蕎麦を土下座でせがむくらいだ。
 そんな幼馴染を邪険にしながら、自転車を並走させて家路につく。通学で毎日二つの山を越えることで鍛えられた足腰は、蕎麦打ちの時の踏ん張りに役立っている。
 今日もさっそく着替え、蕎麦打ちを始める前に仏壇へと手を合わせて祖母に祈った。祖母は僕の蕎麦打ちの原点だ。
 僕が小学生の頃に初めて打ったボロボロの蕎麦を、病気で自宅療養していた祖母が美味しいと言って食べてくれたのは大切な思い出となっている。
 祖母は僕が中学へ上がる前に他界となったけど、喜んで貰えた事が嬉しくて週末には蕎麦を打つようになり、祖母のお葬式の時も家族に呆れられながら打った蕎麦を霊前にお供えした。
 高校生になると大会があることを知って毎日打つようにしている。
 一年の時は料理部に所属していたけど蕎麦打ち名人大会の参加に関して他の部員達と衝突し、お調子者である顧問のその場しのぎの対応によって部活動としての参加ができなくなった。
 僕がそれを機に料理部から退き、二年になって学校に隠したまま大会に参戦したのはそういう理由からだ。
 睡眠時間を削っている影響か、夏場だと言うのに酷くなる一方の荒れた手を気にしつつ立ち上がり、台所で感覚を確かめながら蕎麦を打つ。明日の本選へと備えるために。

 そして迎えた本選のさなか、僕は気を失う事になった。

  ☆ ☆ ☆

 気がつくと庭先で咲く梅の花を縁側に座って眺めながら、死んだはずの祖母が幼くなった僕を抱えて頭を撫でてくれていた。
 無理のし過ぎを諌められながらも、催促されたのはうどん。幼い僕は素直に肯首して、立ち上がる。家の外から幼馴染の呼びかけが聞こえたからだ。
 僕は名残惜しい思いをしながらも、笑顔の祖母に見送られて家を出た。

 眠りから覚めて目に飛び込んで来たのは家族と幼馴染の姿。みんな安堵の表情をしているのが印象的だ。
 医師が来て僕を診察し看護師が点滴を調整していると、段々と意識がはっきりとしてきてここが病院であることを察する。
 医師のお墨付きで人工呼吸器を外され、医師と看護師が個室から出ていくと、父は僕がこの病室にいるいきさつを話してくれた。
 本選会場で蕎麦を打ち麺を切る段階になって、苦しみだした僕は倒れてしまったという。全身に赤い湿疹が出来て、呼吸困難に陥っていたようだ。
 会場に待機していた医師が急性蕎麦アレルギーを疑い、アドレナリン注射による緊急処置ののち救急車で病院へと運ばれて治療を受け、夕方である今に至るということを聞かされた。
 稀な症例のようではあるけど、肌荒れがあるままアレルギー性の食べ物をいじるだけで、ある日突然アレルギー体質になることがあるらしい。
 僕の場合はそれが蕎麦だったってことみたいだ。
 この先蕎麦打ちが出来ないことに残念な気持ちはあるけれど、不思議と哀しみはない。
 夢の中で祖母がうどんを食べたがっていたことを話すと、家族が笑い声を上げる。
 僕の右手をずっと撫でていた気持ちの悪い幼馴染が、遠回しに蕎麦が打てないならばうどん屋であるうちでうどんを打てばいいと言い出すと、家族が茶々を入れ始めた。
 いや、父だけは鬼の形相で幼馴染を問い詰めている。いい気味だと思っていたら、強面の看護師さんが部屋にすっ飛んできて騒がしいと怒られた。

 翌日の午前中には退院となったが、蕎麦粉まみれな我が家の掃除が終わっていないからと幼馴染の家に押し込まれた。
 その日初めて打ったうどんで祖母の墓参り。喜んでくれると嬉しい。
 墓前にお供えしたうどんを狙って、僕の後ろから肩越しに伸ばす幼馴染の手を無言ではたく。
 祖母に笑われている気がした。

〈おしまい〉
2018/06/21(木) 01:05:09.17ID:VrBiEZJ3
>>645
その場しのぎだけがとってつけたかのような使い方で惜しいと思った。まさにその場しのぎなお題消化(つまり全消化できてる⁉︎
2018/06/21(木) 07:37:02.27ID:spINfRYy
>>645
祖母を想い蕎麦を打つ孫
きっと夢枕に立ったお祖母さんは、そんな孫を気遣ったのでしょうね
何時でも貴方を見ていますよ……と
648この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/21(木) 07:39:11.31ID:l9/x9HSu
>>645
汲めども尽きぬ、短編スレ民のチャレンジング・スピリッツ〜、お題全挑戦、選びぬけ取捨選択のヌードル!
さあ、蕎麦職人の卵こと、主人公が語り始める〜、学校秘密で『蕎麦打ち』大会に『参戦』するが、所属の料理部は顧問の『その場しのぎ』で機能停止し、
それでも己のウデを試そうと〜、主人公が大会出場、強行するも、急性蕎麦アレルギーで失神だ〜ッ!? (※なお蕎麦アレルギーは実際に意識障害などを引き起こす場合があります)
ここで『夢』に現れるのは、彼の蕎麦打ち起源、かつては『病気』で療養していた亡き祖母だ〜、彼女が指し示すのは蕎麦、ではなく、うどん!?
ラスト、お題5をたいらげた物語は優しき祖母の導きで、蕎麦からうどんに路線変更〜、墓を参る主人公が、うどん屋女子と未来を紡ぐ、ほっこりヌードルENDでフィニッシュ!
649この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/21(木) 11:56:26.30ID:NQouLcqa
固定お題
安価の順にお題を消費しなければならない

あれ?
2018/06/21(木) 18:51:29.84ID:rpxIVA/A
感想ありがとうございます!

>>646
書き上げた当初は「緊急処置」と「幼馴染の家に押し込まれた」部分にも「その場しのぎ」を付けていたのですが冗長だと思って消してしまいました
同様に「アレルギー」に関しても「病気」を付けるのは強調しすぎだと思い消しています
個人的には「参戦」←→「参加」が苦しいかなと思ってました
「蕎麦打ち名人大会」を「蕎麦打ち武闘大会」にしようかと悩むくらいには

でも、「その場しのぎなお題消化」という解釈もいいですね
すぐには思いつかないけど機会があれば狙って使いたいです


>>647
夢で祖母の一言がないと多分荒れていた事でしょう
幼い頃に言われた事って後にも響くので、夢の中の『僕』が幼いのはそれを意図しています


>>648
実は『僕』と『幼馴染』の性別はそれぞれ決めてなく、どちらとでも取れればいいなと思っています
書き方に無理があるかな?(作者は僕っ娘好き)
でも男同士は勘弁願いますw

当初タイトルは〈アレルギー〉でしたが『幼馴染』も絡ませたくて今の形にしました
上っ面の拒絶だけで、本当は仲がいいんですけどね(多分)
2018/06/21(木) 23:17:46.37ID:rpxIVA/A
>>625 はっちゃけました

選択したお題:『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』

【SOBA】

 民間人として軍に同行することを許され、その場その場で蕎麦を振る舞う日本人の従軍蕎麦打ち職人がいることをご存知だろうか。
 今回はそんな職人の一人である傍野将也(そばのまさなり)さんに迫る。
 傍野さんは定年退職後に一人旅で訪れた異国の地で、テロリストによる襲撃に巻き込まれた。人で混雑する街道のなか、後ろから銃撃されたのだ。
 その時たまたま背負っていた延し板はことごとく弾丸を弾き、本人の命どころか彼の前にいた少なくない命を救うこととなった。
 彼は数え切れない銃弾の衝撃によって意識を失ったが、夢の中においてその地で崇められている異教の神から天啓を授かったという。

『汝、戦禍に見舞われた腹ぺこ達に蕎麦を打て』

 傍野さんがテロとの戦いに参戦したのはそれからだと話す。

 その時銃弾を防いだのはこれですと、表面に弾痕一つない綺麗な延し板を見せてもらった。

――これはヒノキですか?これで銃弾が防げるというのはとても信じられません。何か特別なことでもあるのでしょうか?
「この延し板は私が生まれた時に与えられました。代々伝わる我が家のヒノキからできたものです。全然普通ですよ、何も特別なことなどありません」

――先祖累々の守護が付いているというわけですね。
「私の知り合いにはA-10の掃射があって巻き添えを食らったという者がいますが、五体満足で日本に帰国してますよ。似た体験をしたと言う者も他にたくさんいます。それを守護というのであれば守護なのかもしれません」

 そんな延し板で打たれる蕎麦は、奇跡のSOBAとして噂が広まっていた。

 テロリストによる被害を避けようと医師が逃げ出した地域では、取り残された病人やけが人が少なくない。
 病気によって起き上がれなくなるほど衰弱していた老齢の男性に、傍野さんは手打ちの蕎麦をその場で振る舞う。すると、その老人は一晩で回復した。
「ありがとう!これで曾孫の顔まで見られるよ!」

 戦闘で片足を失った兵士が宿営地へと担ぎ込まれるが、人の手も薬もまるで足りないという事態に出くわす時もあった。
 そんな人のためにも傍野さんは無言で蕎麦を打つと、大きな鍋で茹で上げ、医官へと渡す。
「SOBANOが作ったSOBAだぞ!その場しのぎであっても、無理やり食べておけ!体をSOBAで満たすんだ!!」
 兵士は薄れ行く意識の中、お椀に蕎麦をつけてすする。その場で用意された300グラム(大盛り二人前相当)を平らげ、満足そうに目を閉じた。
 失った部位が元に戻ることはなかったが傷が塞がり、流しすぎただろう血の代わりにSOBAが全身へと駆け巡ると、瞬く間に血の気を取り戻す。
 結局この兵士はその後の治療を必要とせず、リハビリを行うだけとなった。

 この地域におけるテロリズムがすっかり影を潜めたころ、傍野さんは次なるテロリスト集団のはびこる地へと赴く。
 大勢の人に見送られる中、延し板を上段に構えて勢い良く投げた。すぐさまその上へと飛び乗って去っていく傍野さんの姿が目に焼き付いて離れない。

〈おしまい〉

※注意※
従軍蕎麦打ち職人というのは思いつきです。本気にされると困ります。
ギャグなので、蕎麦粉の品質とか水質とかは考えないで下さい。
延し板の上に飛び乗って去る描写は、ドラゴンボールの桃白白ネタです。
2018/06/22(金) 07:34:03.82ID:uPA8ToY9
>>651
神に愛されし正義と平和の蕎麦職人ですねw
いつの日にか、そうやって助かった人々が蕎麦を食べつつ、和平への道を語る事を祈ります
653この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/22(金) 07:52:09.70ID:vvBCpakL
>>650
>作者は僕っ娘好き

なるほど
作者氏の属性は年上賑やか系女子でなく、そっちだったんだ
失礼、了解w
654この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/22(金) 07:58:42.07ID:vvBCpakL
>>651
蕎麦にからまった挑戦者の突撃が続くぜ、お題5を連続・全選択、つかもうぜ、SOBA・ボウル!
さて皆さんは、従軍『蕎麦打ち』職人をご存知だろうか〜、『夢』の神託に導かれ、数え切れない銃弾を、背中の延し板で受け流し、テロとの戦いに『参戦』している一人の男をw
さあ、戦闘で荒廃した土地に、奇跡のSOBA職人が降り立った〜! 『その場しのぎ』? いやいや食べてみな〜、傷病兵が食すれば傷がふさがり、『病気』で衰弱した老人が食すれば一晩で回復する伝説の蕎麦だ〜、うん、仙豆っぽい何かw
テロにはソバをもって遇せよ! 見事連続でお題を使い切った651氏が、ロマンティックあげるよ〜ロマンティックあげるよ〜、って感じで、延し板乗って空をかっ飛ぶ、傍野(そばの)さんの背中を描き、
ソバが凄いのか傍野さんのド○ゴンボール的なアレが凄いのか最後で分からなくなったぜオチで、ソバ・ボウル(椀)ENDをバシッと決めたァ〜
2018/06/22(金) 18:55:44.60ID:QFbqYNmN
感想ありがとうございます!

>>652
傍野さんは蕎麦を食べてもらえれるのが生きがいの一つです
食べて喜ぶ人がいる限りどこにでも行くことでしょう

>>654
投げた蕎麦生地が爆発したり伸し棒で殴りつけたりする行為は自重しつつ、頭の中で伸し板が銃弾を防ぐというイメージが出来たらあとは勢いでした
作者としても何がすごいのかはよくわかりませんw
ギャグは難しい……
2018/06/22(金) 18:57:11.68ID:QFbqYNmN
>>653
無理に作者に合わせてもらいたいわけではないので、読み手ごとに印象が変ったというのであれば願ったり叶ったりです
さらにいうと女の子同士という方が……いえ、何でもないです
657偽進行さん
垢版 |
2018/06/23(土) 23:56:31.98ID:9mn4SnLZ
お題『インターネット』『オカルト』『新人賞』『講演』『自己紹介』『チェンジ』『召喚』締切

【参加作品一覧】
>>585【異世界召喚】
>>588【悪魔の召喚】
>>592【忍び寄る黒い悪魔】
>>599【ああ黒歴史よ】
>>602【故郷の錦】
>>614【疾風攻機ブロウゲイル】
2018/06/24(日) 01:11:26.95ID:5BVyyE7w
>>657
そう言えば、これの投票〆切も残り1日ですね
2018/06/24(日) 02:48:31.26ID:8+C6N212
ええ……土日間違えたかと思って本気で焦ったじゃん…………

締め切りは明日です……。
660この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/24(日) 08:37:53.03ID:Muj81lv2
なんだこれw
661この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/24(日) 18:52:32.82ID:HBe8cEMr
>>625
投票対象 >>602【故郷の錦】
安心感と言うかもどかしさと言うかそのへんが良かった
662この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/24(日) 18:58:59.86ID:HBe8cEMr
このレスを含めたDAT残り容量約27300バイト
日本語換算で残り約13650文字
2018/06/24(日) 22:01:27.72ID:5BVyyE7w
>>625
使用お題:『参戦』『その場しのぎ』『夢』『病気』『蕎麦打ち』

【オタクとオレの道中記】(1/3)


「青い空が恋しい……」

 ぐ〜〜〜。

「青井 天たんでござるか? それ、どんな幼女?」

 もっしゃもっしゃもっしゃもっしゃ。

 ふざけた事をぬかす横巨漢に、軽く殺意が沸く。

 のっけから殺伐とした事を言っているのでドン引きされそうだが、先ずはオレの話を聞いて欲しい。

 オレの名前は桔梗屋 巧。そこの横巨漢、細井 颯太によって『ルナティック インサニティ』と言うゲーム世界への転移に巻き込まれた高校生だ。
 元々はオレの幼馴染、桐生 鏡花を巻き込むつもりだったらしいから、有る意味巻き込まれたのがオレだったのは不幸中の幸いだろう。

 こいつ、夢の中で出会ったと言う女神から与えられた超チート能力【神器創造】なんて物を持っていながら、まったく使いこなせていない。
 その場しのぎで余計な物を創りやがる割には、有用な神器を創った試しがないのだ。
 今コイツが食ってる、レーズンブレッド“だけ”を無限に生み出す【無限パン袋】しかり、どれ程破れても股間“だけ”は無事で、何度でも再生する【海賊王の布装備】しかり……

 ぶっちゃけ、このゲームのプレーヤーだったオレが居なかったら、最初に出会ったエネミーで、コイツ確実に死んでただろう。

 さて、『ルナティック インサニティ』と言うゲームなのだが、狂った世界観が売りであり、眼前の風景はと言えば、血の様な赤い空と骨色の大地、そして肉色の植物群と言う精神がどうにか成りそうな色合いなのだ。
 最初のオレの呟きも、もっともだと納得してもらえると思う。
 それに加えて今は腹も減っている為、イライラも最高潮と言った所なのだ。

「意地を張らずに、パンを食べれば良いでござるに」
「うるさいよ! お前と違って、俺は四六時中レーズンブレッド“だけ”じゃ耐えられねーんだよ!!」

 そう、この世界に来て既に3日程経ったのだが、その間食べたのが、神器、【無限パン袋】から出るレーズンブレッドと、同じく神器、【無限ペットボトル】から湧き出るだだ甘のミルクティーだけなのだ。
 三食三食が全てこれなのだから、いくらなんでも飽きるっちゅーの!!
 しかもミルクティーに至っては、コイツと回し飲みと言う……そろそろ拒絶してもバチは当たらないと思う。
2018/06/24(日) 22:04:09.13ID:8+C6N212
お題『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』投票締切

【参加作品一覧】
>>629【長年の夢】
>>635【嘘から出た魔王】
>>645【拒絶】
>>651【SOBA】
2018/06/24(日) 22:04:42.56ID:5BVyyE7w
【オタクとオレの道中記】(2/3)


「グビグビグビグビ……ゲェェプフゥ……甘さがいまいちなのが難点でござるな、このミルクティー」
「……いい加減、ミルクティー以外を出す気には成らねーのかよ」
「仕方ないでござろう? 同じ様な神器は2つと創れないのでござるのだから」
「だったら、出すのは“水”が湧き出る神器だろうが!!」
「おぶぅ!! 味も何にもしない飲み物なんて、あり得ないでござろうよぉ〜〜!!」

 ギリギリギリギリ。

「だとしても、ちったぁ考えろ!! お前の頭は飾りか? 飾りなのか? その場しのぎで創られる神器とか、あり得んだろうが!!」

 特に、何が食べられるか分からないこの世界では、神器から出せる食べ物が生命線だと言うのに、あまりにも応用が利かなさすぎるだろうが。

「おぶぅ! だったら、具体的に何が食べたいでござるか!」
「あ? え? ……天ぷらそば?」
「……渋いでござるな? お主、サラリーマンか何かでござるか?」
「黙れや……」

 ギリギリギリギリギリギリギリギリ……

「おぶぅ! 創るでござる創るでござる! だからアイアンクローを止めるでござるぅ!!」

 ******

「で?」

 ギリギリギリギリ。

「おぶぅ! 仕方ないでござろう! 食べ物も直接神器としては創れないので御座るからぁ!!」

 目の前には蕎麦打ちセット。【神器創造】では生物が創れない訳だが、この横巨漢の感性では、「生物」と書いて「ナマモノ」と読んだ挙げ句、料理自体もそれに含まれるらしい。
 確かに捨てれば“生ゴミ”に成るだろうさ。
 だが、色々と納得が行かねぇ。

 ギリギリギリギリ。

「おぶぅ! 生麺よりカップ麺派だったのでござるかぁ?」
「それ以前の問題だぁ!!」

 向こうの食べ物が出る【召喚岡持】とか、【魔法のテーブルクロス】とか色々あるだろうが!!

「第一、丼やカップじゃなく、何で蕎麦打ちセット? バカなの? 死にたいの? よし! 殺そう!!」

 麺棒をバットよろしく振り回す。

「そ、それは、手打ちそばは打ち立て、茹でたてが一番おいしいと聞いたでござる故……」
「ほぅ? なら、そば粉は? 茹でる為の大量のお湯は? 麺つゆは? 薬味は?」
「はっはっは、タクミ氏は記憶力が無いでござるか? 食料品は神器として作れないと……っは!!」
「よし、遺言と世迷言は済んだな? 死ねええええぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 流石に身の危険を感じたのか、横巨漢が意外な俊敏さで麺棒を避ける。

「ちょ、ちょ、待つでござる待つでござる!!」
「あぁ? 取り敢えず死んだら聞いてやる」
「死んだら言えないでござる! 死人に口なしでござる!! それより、何か音があぁ!!」
2018/06/24(日) 22:09:14.45ID:5BVyyE7w
【オタクとオレの道中記】(3/3)


 真剣白羽取りで必死に麺棒を押さえる横巨漢の言葉に、俺が耳を澄ます。
 ……確かに、何か争っている様な音がする。
 何かと思い視線を向けた先には……

 ******

「え? マジ? マジでござるか?」
「……あり、がとう……旅人……」
「いや、それよりも、間に合って良かったですよ」

 俺の前に居るのはこの世界の本当の住人達。半ば樹木と融合している様に見えるけど、れっきとした一般市民。
 あの時の音は、この人達が魔獣に襲われている音だった。
 俺は、それを見て乱入し、麺棒片手に大立ち回りをして……

 ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっ。

 俺は今、蕎麦を打って居る。
 なんと、あの蕎麦打ちセット、流石は神器と言う性能を見せてくれた。なんと、蕎麦こね鉢に入った食べ物を全て蕎麦へと変えてしまうと言う能力を持っていたのだ。
 それで、こうして、襲て来た魔獣を蕎麦としてこねている訳なのである。
 蕎麦ゆで様の鍋は、この半樹人の人から借りた、流石に麺つゆは無いが、塩が有るらしいのでそれで味付けをする事にした。

「マジで? マジでそれを食べるでござるか? 魔獣でござるよ? 病気とか持って居たらどうするでござるか? 拙者は食べぬでござるよ? ってか、えんがちょ切〜ったぁ……でご〜ざるぅ!」

 ……

 ギリギリギリギリギリギリギリギリ。

「おぶぅ! アイアンクロウは! アイアンクロウだけは止めて下されでござるうううぅぅぅぅぅぅ!!!!」
2018/06/24(日) 22:10:30.15ID:5BVyyE7w
そして間に合わなかったorz
2018/06/24(日) 22:12:04.00ID:8+C6N212
気付かず割り込んでしまって申し訳ない
仕切り直し

お題『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』締切

【参加作品一覧】
>>629【長年の夢】
>>635【嘘から出た魔王】
>>645【拒絶】
>>651【SOBA】
>>663【オタクとオレの道中記】
2018/06/24(日) 22:14:13.83ID:8+C6N212
お題『インターネット』『オカルト』『新人賞』『講演』『自己紹介』『チェンジ』『召喚』投票締切

【得票数一覧】
>>602【故郷の錦】一票
2018/06/24(日) 22:17:13.16ID:8+C6N212
さてと
上限が近いようなので、このスレで出た作品を纏め直して、新しいお題は次スレに移行して募集しましょうか

内容は
>>633>>634あたりの案から実施しても良いし、スタンダードの五個お題でも良い
2018/06/24(日) 22:21:32.46ID:8+C6N212
進行としては
必ず含めるお題指定+自由選択がルール的にもシンプルだしやりやすいと思うけどどうだろう
2018/06/24(日) 22:22:45.24ID:5BVyyE7w
>>668
間に合わなかった自分の方が悪いので、お気になさらず
何か通信が遅くて、読み込みに時間がかかってしまって……
2018/06/24(日) 22:26:08.04ID:DNxcxSbu
>>671
異存なしで
2018/06/24(日) 22:48:58.03ID:5BVyyE7w
酔いと思います
675この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/24(日) 23:01:45.97ID:HBe8cEMr
>>671
支持
2018/06/24(日) 23:02:31.94ID:8+C6N212
じゃあそれでいきましょう
募集はここでして作品受付は次スレということで

指定お題>>676
自由選択>>677-680
677この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/24(日) 23:29:52.53ID:HBe8cEMr
『はっぱ』
2018/06/24(日) 23:40:47.20ID:t/XTkasb
『名物料理』
2018/06/24(日) 23:45:26.05ID:fooILKsX
ホワミル
680この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/25(月) 00:03:58.94ID:IsJQGC8z
W杯
2018/06/25(月) 00:30:28.11ID:jXCEDROG
自分のレスを含めるミスをやらかしたのでもう一つ
>>682
2018/06/25(月) 02:11:43.13ID:jXCEDROG
集まらないので今日はここで締めよう
次スレ立てます
2018/06/25(月) 02:15:54.28ID:jXCEDROG
私からお題「ねこ」を足して

☆お題→『はっぱ』を必ず入れる+自由選択『名物料理』『ホワミル』『W杯』『ねこ』

☆文字数→3レス以内に収めれば何字でも可。
最大文字数の目安としては、3レスで5000〜6000字程度。
もちろん文字数が少なくても分割OK

☆締め切り→7/1の22時まで

☆平行して前回お題作品について投票を行います→安価もしくはタイトルで一人一票までレスしてください。
作品一覧は>>668より。

【見逃し防止のため、作品投稿、投票の際はこのレスに安価してください】
2018/06/25(月) 02:17:26.63ID:jXCEDROG
次スレです
作品受付はこちらにお願いします。

安価・お題で短編小説を書こう!4
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/


このスレは作品への感想等につかっていただければと思います
2018/06/25(月) 02:22:18.97ID:jXCEDROG
募集期間2018.4/1〜4/8
お題『忍者』『博打』『エイプリルフール』『巨大または極小』『サービス』
参加作品一覧(1/2)
(前スレ)
808【ウソから出たマコト】
811【忍者の仕事】
813【ヤイバ】
819【遺品の整理】
822【クレタ人は嘘つき】
828【方舟】
2018/06/25(月) 02:23:09.06ID:jXCEDROG
参加作品一覧(2/2)
>>8【馬鹿話】
>>12【嘘の中の真実】
>>14【四月の愚者】
>>16【ON AIR with her その2】
>>32【忍者のエイプリルフール】
>>35【無題】
>>43【まあまあ落ち着いて】
2018/06/25(月) 02:24:01.06ID:jXCEDROG
募集期間2018.4/8〜4/15

お題『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

参加作品一覧(1/2)
>>64【一幕】
>>73【ある猫の話】
>>77【Revolution ZOO】
>>86【桜舞う下で君と】
2018/06/25(月) 02:24:27.77ID:jXCEDROG
参加小説一覧(2/2)
>>93【計画されたハプニング】
>>95【魅力のあるもの】
>>100【遊園地にて】
>>104【僕のVRMMO事情】
2018/06/25(月) 02:25:32.03ID:jXCEDROG
募集期間2018.4/15〜4/22

お題『伝説』『五七五』『呂律の回らない酔っ払いが登場する』『出不精』『柳眉』

参加作品一覧
>>128【過ぎ去ったブーム】
>>132【アルセリナ戦記】
2018/06/25(月) 02:26:47.43ID:jXCEDROG
募集期間2018.4/22〜4/29

お題『7』『実験』『スマホ』『池袋』『美人上司』『爆発』『マジレス』

【参加作品一覧】(1/2)
>>178【爆発! 可哀想な者倶楽部】
>>183【宇宙の地図】
>>190【論理的オーバースペック】
>>193【メガネをはずしてください】
>>200【人が死なない爆弾】
2018/06/25(月) 02:27:05.30ID:jXCEDROG
【参加作品一覧】(2/2)
>>203【リバイバル】
>>211【アルケミスタ】
>>214【この中に一人、嘘付きがいる】
>>222【美人過ぎる女上司が俺に厳しい気がしたけど勘違いだった件について】
2018/06/25(月) 02:30:03.84ID:jXCEDROG
募集期間2018.4/29〜5/6

お題『気持ち悪い』『続編』『合体』『グッバイ』『赤ワイン』『英単語三文字の略語』『ロボ』

参加作品一覧
>>259【懐古】
>>263【幼馴染、気持ち悪い】
>>266【続編・美人過ぎる女上司が俺に厳しい気がしたけど勘違いだった件について】
>>272【シリーズ物の予告を集めてみた】
>>279【ワイングラスの縁】
>>284【思考性電脳純愛】
>>290【続編・山間の子供達】
2018/06/25(月) 02:31:40.72ID:jXCEDROG
募集期間2018.5/6〜5/13

お題『最強』『乗り物を登場させる』『そんな馬鹿な!』『裸』『プール』『全力』

参加作品一覧
>>317【夏が始まる】
>>333【水面の月】
>>336【海王クラーケンの色々な冒険】
>>340【走る密室】
2018/06/25(月) 02:33:12.83ID:jXCEDROG
募集期間2018.5/13〜5/20

お題『対決』『母』『5月病』『魔法』『サブミッション』『芋焼酎』

【参加作品一覧】(1/2)
>>355【母子バトル】
>>357【二人の魔法使い】
>>361【やるキー】
>>367【戦争は最大の利益を生む】
2018/06/25(月) 02:33:29.40ID:jXCEDROG
参加作品一覧(2/2)
>>376【母は強し】
>>386【無題】
>>404【お題でオチバレしているよね】
>>411【女房酒】
2018/06/25(月) 02:34:41.56ID:jXCEDROG
募集期間2018.5/20〜5/27

お題『逆上がり』『雨』『女装』『音楽』『悪魔』『同性愛』『ガソリンスタンドI』

【参加作品一覧】(1/2)
>>436【悪魔の音楽会】
>>444【メイドリフレ『とろい』】
>>448【無題】
>>451【都市伝説「雨女」】
2018/06/25(月) 02:35:11.51ID:jXCEDROG
【参加作品一覧】(2/2)
>>460【キックオーバー】
>>461【雨の日の出会い】
>>464【ゆうやけこやけ】
>>467【デビランドトゥギャザー】
>>469【因果応報】
>>474【俺の親友】
2018/06/25(月) 02:35:56.45ID:jXCEDROG
募集期間018.5/27〜6/3

お題『怪盗』『バタフライエフェクト』『昔話』『ガーターベルト』『メイド』『誰かが雄叫びをあげる』『悩み』

【参加作品一覧】
>>498【怪盗バタフライエフェクトの悩み】1〜7
>>502【前編】
>>511【思春期地球防衛機デッカイザー】
>>522【くノ一ボタンの色々な冒険】
>>528【クレインエフェクト】
>>531【前編、その2】
>>540【神算鬼謀】
2018/06/25(月) 02:37:22.88ID:jXCEDROG
募集期間2018.6/3〜6/10

お題『水着』『イケメン』『年の差』『パニック』『遺伝』『電車』『北欧神話』

【参加作品一覧】
>>557【気が付けば終着駅】
>>568【アースガルドシンフォニー】
2018/06/25(月) 02:38:08.86ID:jXCEDROG
募集期間2018.6/10〜6/17

お題『インターネット』『オカルト』『新人賞』『講演』『自己紹介』『チェンジ』『召喚』

【参加作品一覧】
>>585【異世界召喚】
>>588【悪魔の召喚】
>>592【忍び寄る黒い悪魔】
>>599【ああ黒歴史よ】
>>602【故郷の錦】
>>614【疾風攻機ブロウゲイル】
2018/06/25(月) 02:38:43.14ID:jXCEDROG
2018.6/17〜6/24

お題『参戦』『その場しのぎ』『病気』『夢』『蕎麦打ち』

【参加作品一覧】
>>629【長年の夢】
>>635【嘘から出た魔王】
>>645【拒絶】
>>651【SOBA】
>>663【オタクとオレの道中記】
2018/06/25(月) 02:43:13.35ID:jXCEDROG
このスレ内だけで計75作品
盛り上げて下さった皆さん、ありがとうございました
もし「これは!」と思う作品があれば、一言でも良いので感想を下さると作者さんの励みにもなるし、スレがいい感じに埋まります
2018/06/25(月) 02:44:06.76ID:jXCEDROG
再掲、次スレです

安価・お題で短編小説を書こう!4
http://mevius.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/
704この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/25(月) 08:41:00.85ID:IsJQGC8z
>>701
進行氏乙、ありがとう!
あらためて堂々たるラインナップだね
感動から笑い、アイデアものまで作者の格闘が光っている
良スレだよ
705この名無しがすごい!
垢版 |
2018/06/25(月) 08:42:59.81ID:IsJQGC8z
どれもとても良いから優劣は付けられないけど、こいつは忘れられない、という作品をピックアップ!

>>73【ある猫の話】

泣けた
こんな猫が飼いたいw

>>183【宇宙の地図】

アイデアと宇宙不思議感が素晴らしい
短編らしい短編

>>376【母は強し】

笑った、スレでも大人気だった
シリーズ化が求まれる

>>451【都市伝説「雨女」】

スレ中、最も壊れていたと思う
寒気がするw

>>469【因果応報】

映像が目に浮かぶ
完成されたドタバタ感がかなり好き
2018/06/27(水) 19:56:53.91ID:LRVSFrNZ
やべぇ、こんなに大量に作品あったのか・・・なんかすでに懐かしい。
全部見直そうかな
2018/06/27(水) 23:21:03.01ID:JX1uV78k
こうやって改めて見ると結構な数あるんだね
自分のも割と結構書いてるのも実感するw
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
5ちゃんねるの広告が気に入らない場合は、こちらをクリックしてください。

ニューススポーツなんでも実況