ふーなんとか一本目。体調悪いとちょっときついねぇ。

お題 『花見』『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』

【計画されたハプニング】

 春休みに入り桜が咲き始めた頃、もう三年になるという事もあり友人達と遊園地に行くことになった。

「よう、お待たせ....…ってお前ら、何その格好……?」

 だが、その待ち合わせ場所で友人二人、庄司と紗佳がいた。ペアルック、しかも庄司の方は男なのにスカートであった。こいつら、いい加減くっつけとは思ってたけど、いざくっつくとこうなるもか……。友人付き合いを考え直したほうが……

「ち、違いわよ!? 私はこいつとペアルックなんて! そ、そんなこと、したいなんて思ってる訳ないじゃない!? この服は有紀さんがーー」
「はいはい、ツンデレどーも。ちっ、バカップルめ……」
「カ、カップルだなんて、そんな事あるわけないじゃないー!?」

 赤面しつつ、どもりながらじゃ説得力ないっての……。さて、からかうのはこのくらいにしておいて。ちょっと目が死んでいる庄司を放置する訳にもいかないか。

「で、庄司。実際のとこ、何があったんだ?」
「……あぁ、花見に行くって言ってた姉貴とな、途中でばったりと出くわしてさ。姉貴の友達の酔っ払い連中に身ぐるみ剥がされて、これを着せられた……」

 あー、有紀さんか。あの人もいい加減、弟が幼馴染と両思いっぽいのにどっちも素直になれずに進展なくて煩わしいとか言ってたなぁ……。紗佳まで同じ服ってことは前々から計画されてたハプニングって訳か。花見も待ち伏せの為の口実かな、これは……。

 つっても、ペアルックにするのは良いとしても、スカートはやり過ぎじゃねぇ? これから遊園地に行くっていくのに、アトラクションの順番待ちでこの二人と一緒は悪目立ちしそうだ。ちょっと勘弁願いたい。
 さては有紀さん、それが狙いか。仕方ない、こいつらにさっさとくっつけというのは俺も同感だ。ちょっと手の上で踊らされてる感があるけども……。

「あ、すまん! 財布と携帯忘れたから、ちょっと取りに戻ってくる。先に行っててくれ!」
「え!? ちょっと!?」
「おい!? 嘘だろ!?」

 二人の返事を待たずに俺は走り出す。もちろん、財布と携帯を忘れたというのは嘘だ。だが、急用で行けないと言えばあいつらは解散するだろう。だから後から合流するという事で強引に二人きりでのデートをさせてやろう。
 まぁ合流はせずに、遠くから見てるけどな。こんなアトラクションより面白そうな状況を見過ごせれるか!


「……行っちゃったね?」
「あいつ、置いて行きやがった……。もう帰るか……」
「……ねぇ、せめてズボンだけでも買いにいかない?」
「……そだな」
「……それとね、私やっぱり二人でも遊園地、行きたいな?」
「……そっか、なら行くか! ズボン買ってからになるけどな」
「うん!」


 普段はツンツンしているくせに喜色満面にデレている紗佳の笑顔と、まんざらでもない庄司の二人はまずはズボンを買いに行くのであった。

「よし、計画通り!」

 その様子を見たそんな声が二人分あったとかなかったとか……?