「それ、が……未来を記した『原作ストック』?」
「そーぅだとも。これが本物の、『原作ストック』だ」
「お前はこの先を……書き終わってて? 今、待ちわびている内容も、その本に……?」
「記述されているねーぇ。君は読めないのだろうけど」
「この先、どうなるか……書いて、あるのか」
「物語の全てを記述し終わっているわけじゃーぁないが、レムが目覚めるかどうかはわかるようになっているねーぇ」
「今、こうなることも……わかってたのか?」
「書籍化と並行してアニメや雑誌の仕事をするのは、これでなかなか骨が折れるんだーぁよ? 陰日向での私の努力を、少しは褒めてほしいもんだーぁね」
声が震えるのを止められない。
その震えの原因は、激しすぎる感情の発露だ。この感情がなんなのか、それの指向性がどちらに向くのか、すぐにわかる――それは、
「こうなるって、これまでのことがわかっていたんなら……」
「――ふむ」
「――お前、わかっててWeb版を更新してないってことなのか?」
「Web版って、なーぁんのことなのかーぁな?」