ここの感想人のレベル↓

146この名無しがすごい! (ワッチョイ 957a-wkOs)2017/08/04(金) 23:59:48.28ID:yK5snpdu0
 とある高校の教室。
 恒例のように四限目の授業の終了と同時、表向きクラスを支配する男子がいの一番に席を立ち、鶴の一声を発した。 
「お前ら恒例のモールに乗り込むぜ!」
 と。これに呼応するように九割型の男子が
「「モール!」」
 と叫び、支配者に後続しながらぞろぞろ退室していく。
 まるで教室は蛻の殻だ。彼らが向かった先は校舎から近接する場所に建ったショッピングモールだった。今から一ヶ月前に開店したのだが、それからは昼休みに入るとこぞってそこへ行くようだ。
 そんなこんなで、教室に残った男子はいつものように二人しかいない。一人は一番前の席に座っている幸の薄そうなモヤシ体型の我利勉くんだ。そしてもう一人は俺なのである。
 正直、俺と我利勉はこのクラスの男子の中でも幽霊のような扱いなのだ。
 たとえば教室に残っている多くの女子はこの状況ゆえに着席したままの俺を全方向から蔑んだ目で嘲笑っている。今すぐその嫌がらせを止めろ! と、凄みたいところだが、そんな勇気が俺にあればとっくに九割側に入っているだろう。
 くそが! 俺は脳内で憤ることでしか、心の安定を保てなかった。