>>6

読ませて頂きました。
ただ、前作を読んではいないのでそこのところはご了承下さい。

ストーリーとしては、自分がいなくなってもいいようにヒロインに啓蒙するというのは
なかなか面白い発想だと思いました。
その結果、自分の代わりの庇護者を用意するといった発想も面白いですし、
茅野の告白を勘違いするという筋書きもなかなか上手く考えられていると思います。
ただ、終盤の下りはあんまり好みではありません。
ご都合的にほとりがヤンキーに絡まれるのもそうですが、
最終的に10日間の寿命がなかったことになってしまうのは正直納得がいかないです。
タイムパラドックスが原因といわれても、はいそうですか、とはいきませんし、
無理やりハッピーエンドにさせられたなあという印象が強く残ってしまいます。
つまりは、オチに非常に不満が残る、ということですね。
主人公が示す解答としては
啓蒙→庇護者の用意、のその次が必要だったのかな、と思います。
(どのような解答が良かったのかはわかりかねますが)
テーマとして主人公とヒロインの相互依存が主軸に置かれていると思いますので、
それに対する最終的な解答がオチになるのかなあ、と思ってみたり。
つまり、ヒロインだけでなく主人公も依存からの脱却、あるいは緩和が必要なのだと思います。
ヒロインの一人では生きていけない雰囲気もそうですが、主人公もヒロインに
異常なほど固執していますから。(作者の意図なのだと思いますが)
その点でいうと、それぞれの家庭環境の改善も解答としては十分になりますし、
あるいはお互いに依存しなくて済むような環境の作成、何ていうのも解答になるのかなあ。

まあ、でも、現時点で作品としては完成していますし、大幅にエピソードを追加したり、削ったり
する必要はないんじゃないかなと思います。
指摘事項に構ってるとまた別の作品になっちゃいますし……

あと、変だなあと思ったのは地の文と会話文のノリが違う所ですかね。
地の文はどちらかというと一般文芸に近い感じ(説明が多いからでしょうか)なのに
対して会話文はラノベのノリなんですよね。
終盤になってくると会話文もシリアスよりになってくるのであまり違和感はなくなってくるのですが、
序盤辺りは違和感を覚えます。
地の文と会話文を一般かラノベか、どちらかに統一したほうがいいのではないでしょうか。
題材がちょっと重いので個人的には一般に寄せたほうが良いかと思います。
(他の意見と被ってしまいますが……)
それか、わざと序盤をラノベチックに、終盤を一般に寄せて落差を狙うのも面白いかも知れません。
読者としては困惑するかもですが……

また、細かいところですが、牧浦の過去のエピソードの独白の部分はちょっと違和感があります。
喋り方がなんとなくおかしいかなと思います。
例としては
>そんな自分が大嫌いだった。
  怒りの感情を抑えられない自分が、親父とお袋のケンカの原因になっている自分が、心の底から大嫌いだった。
  でも人は、自分で自分を殴ることはできない。
といったように言葉が地の文のようになっています。
言葉尻を少し変えるだけで話しかけているように見えると思いますので、改稿してみてはいかがでしょうか。

色々書きましたが、決して悪くない作品だと思います。
これからの執筆活動、頑張って下さい。