>>479
同じ日に晒していたのも何かの縁だと思い、読んでみました。
私はこういう話は、日頃あまり読まないのですが、没頭して読めました。
面白かったと思います。

・展開に矛盾はないか
一読した限りでは矛盾は感じられませんでした。
また、この話は「主人公がガンガンキツイ思いをしながら、真実や目的に向かって突き進んでいく話」
だと思いましたので、あんまり矛盾を気にする読者はいない気がします。
リーダビリティが高いので、あれこれ考えながら読むよりも、早く先を読みたいと思うタイプの話ですよね。
 
・キャラの魅力
正直、キャラに魅力は感じませんでした。
アルナはキャラとしてはありがち、シーニーに至ってはヘイトが溜まってすごいです(もちろん、作者さんの狙い通りなのでしょうが)
紫音と朱音の関係はもっと序盤で知りたかったですね。
後になると分かってくるのですが、最初のうちは、
そこまで紫音が拘る理由が分からず、共感しがたいです。

あと、これは個人の好き好きだと思うんですが、紫苑が女性である必要はあったんですかね?
電撃に送るとなると、男性向けライトノベルを志向するはずで、ふつうに男性でいい気がします。
というのは、紫苑はわりと男性的な思考の人物で、紫苑が女性だから生じたシーンって、
村長と赤頭にセクハラされるところくらいじゃないですか。
ラストシーンとか、男顔負けの叫び見せてるじゃないですか。
そう考えると、なんで女性なのかな?女性である必要はあるのかなと思いました。
今は百合志向も流行っているため、そこまで違和感はありませんでしたが……。
ちなみに、紫音の当て字は、後半の展開的に紫苑の方がいい気がしますが、どうなんでしょう?

・描写の過不足
描写で気になった点はあまりないのですが、三人称と一人称が入り混じっていると思います。
恐らく、アルナ・シーニーをメインで動かすシーンが中後半にあったので、
三人称を採用せざるを得なかったと思うのですが、話の流れ的に完全一人称で良かった気もします。
読者は、紫音視点でゲーム世界の謎や秘密を暴いていく話なので。

・グロ描写がカテエラとなるか
まったく問題ないと思います。
逆に、中盤の死亡シーンは圧巻で、描写や展開も良かったと思います。
このゲームの理不尽さや主人公の苦境に共感しやすいです。

・感想
「大切な人を亡くした辛さと、それをどうやって克服するか」がこの話のテーマだと思います。
それを「○○戻り(ネタバレ防止)」と「ゲーム(異)世界へのワープ」
という最近ライトノベル界隈で流行ったガジェットを使って、うまく展開している話だと思いました。

総合的に、私は面白いと思いました。
特に後半、○○を見つけて読むシーンは感動しましたね。
ああいうシーンが一つあるだけでも、小説の評価って全然変わると思うんですね。
読者が後になって思い出すのは、全体の流れとか伏線とかじゃなくて、
印象に残ったセリフやシーンだと思うので。
あのシーンは大きい収穫だと思います。

ただ、既に他の方たちが挙げている疑問点・課題点があるのも事実だと思います。
もし私がこの話をやるのであれば、以下の内容で修正・追加すると思います。
・主人公、妹の関係性をより詳しく描写。主人公は男に変更。
・アルナ、シーニーと言った重要人物をより序盤で出す。村長などはほぼカット。
・ラストシーンは異世界内で終わらないようにする。
・「これ、マジで妹が作ったゲームなの?」的な違和感は出ないようにする(呪文名とかキツイ難易度設定など)

全体的に自力を感じます。実力がある人だと見受けました。
楽しませてもらい、ありがとうございました。